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外国暮らしで、「外注化」し始めた家事について。

ベトナムのマンションには、キッチンがないことがある(少なくとも庶民的な価格帯の、単身~2人用のアパートには)。
その場合、自炊したければ、コンロを自分で買って、なんとなく冷蔵庫の周りに台を置いて、あるいは床に座りながら、調理をすることになる。

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日本では自炊しまくっていた私だが、ベトナムに住んでから初めの一年間、キッチン無しで生活していた。
理由は、「外食があまりに安くておいしいから」だ。

地元の人が家の軒先でやっているような屋台(あるいは簡素なレストラン)なら、100円とか200円で食べられるし、どれもおいしい。

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それなら、一人暮らしの私がわざわざキッチンを作って、野菜と肉を買って、調味料と調理器具をそろえて、自分で料理するより、手っ取り早いし安く済むと思ったのだ。

しかし、そんな生活は半年で飽きてしまった。
いくらベトナム料理がおいしくても、一国の料理を食べ続けるというのは無理だった。
日本人は割と皆そうだと思うが、たまにはイタリアンも食べたいし、和食も食べたい。カレーも食べたい。

(対して、ベトナム人がなぜベトナム料理ばかり食べて飽きないのかが謎だ。日本人は、和食ですら毎日食べられないと思う)

ベトナム料理に飽きてからは、中心街から各国料理をデリバリーしまくったので、逆にお金がかかってしまったし、太った。

そんなこんなで、今月からキッチンを導入することにした。調理器具、調味料の用意で5000円ぐらいかかってしまったが、野菜は日本の5分の1ぐらいの価格なので、たくさん料理して減価償却していきたい。


■自前→外注化したこと

食に関しては、このように「日本:自前→ベトナム:外注→自前」という過程を踏んだのだが、
ベトナムに来て以来「外注」し続けていることも、いくつかある。

例えば

洗濯
(住宅街には無数にある洗濯屋さんにもっていくと、200円で洗濯、乾燥、畳みまで全てやってくれる。「コインランドリーのスタッフ付き」という感じ)

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交通手段
(電車が無いベトナムでは、都市部の交通手段はバイクがメイン。Grabという、Uberみたいなバイタクを使用しており、自分ではバイクは持っていない)

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上記は、洗濯機をもつこと、バイクを持つことにくらべて圧倒的に楽なので、自前化することはおそらくないだろう。

外国で暮らすと、日本では自前が当たり前だったものが外注だったり、外注が当たり前だったことが自前だったりする。

日本じゃコインランドリーは高い(しかも結局自分で色々やらないといけない)し、
タクシーも高過ぎて常用は無理だが、外国だと逆にそっちの方が安くついたりもする。
少なくとも2、3年しか住まないなら外注の方が得だ。


■収入が変われば「自前/外注」度合いも変わる



日本にいても、収入が変わると、「自前」が当然だったものが「外注」化したり、あるいは逆になったりする。

noteでおそらくトップクラスの読者を持つ下田美咲さん、最近億ションに住み替えたのだが、その話が面白かった。
https://note.mu/shimodamisaki/n/n1d7d0ecaee41

億ションには、住民共有の施設として、
ミーティングルーム、スポーツジム、サウナ、自習室、防音室、パーティールーム、キッズルーム……などなどが付いてるものらしい。
つまり、多くのものが「自前化」できる(他の住民と共有だから正確には半自前化かな)

私は億ションってそんなに住みたいと思わないんだけど、

「カラオケ屋に行かなくてもライヴの練習できるのか……」
「飲み屋を予約しなくてもパーティできるのか……」
「カフェに行かなくてもミーティングできるのか……」
「ジムに会費払わなくても運動できるし、即帰宅即シャワーできるわ……」

とか思うと、「それは良いな」とは思う。

そんなに頻繁に使うか分からない施設に多額の管理費を払うのは嫌だけど、もし長期的に頻繁に使うことが確定しているなら、いちいちカラオケ屋や飲み屋やカフェやジムに払う金額や手間がカットできるのは魅力的だ。

そしてここからが大事なのだが、今まで「面倒だから無理」「お金かかりすぎるから無理」と思っていたことが、あっさりやれるようになったりする、つまり、人生の選択肢が広がるんだろうな、と思う。
例えば楽器を始めたり、サウナーになったり、イベンターになったり、気軽にできるのだ。


■ベトナムでは物価マジックによりタワマンに住める場合もある

ベトナムに住む日本人駐在員の多くが、実は結構なタワマンに住んでいる。

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彼らは大体海外手当をもらっているから金銭的余裕があるし、物価マジック、また安全の確保(特に子持ちの場合は)などのため、日本より数段ランクアップした住居に住むことが多い。

(私は収入も半分、物価も半分になったので、生活ランクは据え置きなのだが……)

彼らにはまた別の「自前/外注」文化がある。
なんと、マンション付きのお手伝いさんが、掃除、ごみ捨て、ベビーシッターなどをしてくれるのだ。

私レベルだと「洗濯物屋さんが洗濯してくれるからラッキー」くらいに思ってるけど、
彼らレベルになると、ホテルみたいにお手伝いさんが勝手に部屋に来て洗濯してくれる。

私はタワマンを見るたび
「こんなとこに住んでたらどこの国に住んでんだか分からん」
「エレベーターを待つのが無理」
と思っていたのだが、最近は
「まあ、日本じゃ相当の金持ちじゃないと住めないランクの住居に、物価マジックによって住めるとしたら、住んでみちゃうかもしれないなー」
と思い始めた。そして、試しに住んでみることで、自分の「外注/自前」の最適な度合いについての知見を深めたい。

(ちなみに、タワマンに住んでても「お手伝いさんとのコミュニケーションがうまくいかないから、自分でやっちゃう方が早い」と言って、自分で全部家事をする日本人も結構いる)


話は長くなったが、まとめると
「住む国や、収入によって、『外注/自前』は変動しうる」
「かかるお金、手間によって、自前と外注を使い分けるべき」
という話だ。

さて、日本よりベトナムではるかに自前化のハードルが下がるものがあり、私も最近「自前化」したことがある。

ペットだ。

ベトナムではペット禁止のアパートってあんまりないし、「敷金プラス」みたいな話も聞いたことが無い。
私のマンションではみんなペットを飼いまくっている。

道でカラオケをしても怒られないベトナムではペットの騒音問題も発生しないし、エサも病院も全部安い。

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ベトナムの路上には犬がたくさんいるから、今まで外注(外の犬と遊ぶ)だけでも満足できたんだけど……

(ちなみに、私はベトナムに来て以来一日に必要な「動物ポイント」みたいなゲージが体内に埋め込まれ、一日に5匹くらいの犬と遊ばないと満足しない身体になってしまっていた)

しかしやはり、自前のペットは格別のものがある。着々となついてくるのがすごい。ずっと一緒にいるからすごい勢いで履歴が溜まっていく。無論、世話はしないといけないのだがそんなの大したことないし、それをあまりある得難いものがある。言ってみれば「コスパが良すぎる」。

今まで、犬と遊ぶために外出してるフシがあったが、自室の猫だけで満足できるようになり、全然出かけなくなってしまった。

(逆に言うと、猫に病気をうつすわけにはいかないので、外の犬を触れなくなった。)

というわけで、これからは「今日のベトわん」ではなく「今日のベトにゃん」がメインになっていくと思われますが、よろしくおねがいします。


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渋澤怜(@RayShibusawa

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