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もう「今ならメルマガ登録で無料!」とかで消耗したくないんだよね ~~「バイトやめる学校」トークイベント感想

好きなことでお金を稼いでいる尊敬する大人に、
「どうやったら好きなことで食えるんですか」
「私は近々出版社から本を出す予定で動いてるけど出たところでそれだけじゃ食えないから自分でコンテンツ売って(トークイベントとか?ライブとか?カウンセリングとか?)食わないといけないと思うんですけど一体どうすればいいんですかね?」
と聞いてみた。

とりあえずビジネス本の大家(ダン・ケネディとか)(ダイレクト出版とか)(知らなかった)の名前などを教えてもらったので、ググったら、
「まずはこちらの入門書! 4000円する本がいまならなんと…タダ!」
「本を申し込んでくれて、ありがとう! でもちょっとまって……今、プレミアム会員(年会費3000円)に申し込むと、あれもこれもプレゼントしちゃいます! (※この画面は一回しか表示されません)」
「さらに同時にこれも申し込むと……」

みたい画面が延々出てきて、

すっかり消耗してしまった。

楽天市場によくある、商品の効能を散々煽って煽って煽ってかなり下の方までスクロールしないと商品価格が分からないつくりのサイトにげんなりした時みたいな気持。

もし私が著名人になって、情報商材とかセミナーとか売ることになっても、こういう、消耗するやり方を真似したくないなあ。それで売れるとしても。

もう十分汚いインターネットをこれ以上汚したくない。と思う。

私はビジネス本やら自己啓発本やらがかなり苦手で、
「自己啓発要素を含む小説(「夢をかなえるゾウ」みたいなやつ)を書いてみない?」
と言われて構想したこともあるんだけど、まるで石像になったかのように筆が1mmも進まず、1か月後の締め切りを迎え、
「すんませんムリです」
と謝ったこともあった。

なのに「とりあえず好きなことで稼ぐことを考えるために、勉強せねば」と思っていろんなところのメルマガを登録しまくったあげく、メールボックスがこんなんになって、大変消耗している。


こんなん。


なんでビジネス本やら自己啓発本が嫌いか、というと、ひとまず「言葉がダサいから」である。
私がいかにダサいものが嫌いかはここに書いた

書いてあることがまっとうでも、「ハイ! これで十万円!」「一流一流! 成功成功!」「即時御利益! 即効果発揮!」みたいな語彙が並んでると、ドンキやビレバンの全て蛍光色に極太マッキーで書かれたPOPを見た時みたいに、胸やけがしてしまう(ちなみに私はドンキとビレバンも極度に嫌い)。

それから繰り返しを多用する点もダサい。傍線や太線や「この章のまとめ」で要点をゴリ押しするのも野暮だし、「質より量!」とばかりに「毎日メルマガ!毎日ブログ更新!」と意気込んでほぼ同じこと言ってる言葉を粗製乱造する態度も受け入れがたい。


そんなダサい言葉遣いをする世界と、私の大事な小説の世界を一緒にするわけにはいかない、と、自分は思ってるんだなあ、と、一か月の石像期間を経てやっと気づけた。


人間は、嫌なことは出来ない。
やりたいことしかできない。
やりたいことをやるために付随する嫌なことも、極力排除したい。


ちなみに冒頭の、好きなことで稼いでいる尊敬する大人は、勿論ビジネスの手法を一通り実践されていて、
「今なら本来30万する講座が……なんと、明日までに申し込むと、早割で18万円!」
とか、
まめに更新するメルマガとか、
やたら長い効能列記型楽天なサイトとか、を、やってるのだが、

実際に一番の効力を発揮するのは、口コミのようであった。

そして私が彼を知ったのもの、信頼できる人からの口コミがきっかけであった。

私が尊敬しているくらいだからその講座の内容が素晴らしいのは勿論なのだが
(そして値段も別に高くはない。内容の良さと彼の技術と知識が積み重ねられた年月を思うと妥当)、
もし彼のことを初めにサイト経由で知ったら、
「サイトがダサい」「胡散臭い」と思って、遠ざかってしまったと思う。


それくらい、私は、ビジネスな、自己啓発なにおいがするものが嫌いだ。

やらなくてすむなら、やりたくない。


そんなことを考えている折、山下陽光さんの本「バイトやめる学校」に出合った。

この本のアツい感想文はここに書いてあるから省くけれど、

とにかく


「小賢しいやり方でコスコス稼ぐのではなく、『え?!こんな価格で?!こんなに!?いいの?!』と思える安さ、手間暇で何かを提供しよう。そしたら、貨幣のかわりに『信用』が手に入る。そして資本主義に完全に背を向けた、貨幣のかわりに『信用』がぐるぐる回るような世界で楽しく暮らそうよ」

というメッセージを、バリバリに受信した。

(あー、でもこうやって要約すると、なんだかビジネスぽくなっちゃうねー)

しかしとにかくこの本、
「本の感想文とバイトやめたい理由、自分の特技、好きなことを3000字書いてメールしろ。そしたらどうやって稼いだらいいか、3000字でアドバイスしてやる」
とか
「読み終わったらこの本をメルカリで売れ。そして売買の楽しさを知る第一歩にしろ」
とか、
マジで身をもって「え!? いいの?!」を連発している。


アツく感化されたので、昨日は山下陽光氏のトークイベントに行ってきた。

そしたら


「『俺が1万円あげる学校をやりたい。生徒たちは頑張ってなんとか11000円にするの。生徒じゃなくて先生がお金払うの」


「俺は服作りでなんとか稼げてるから、『バイトやめる学校』で儲ける気一切ないんだよね」


とか、言ってて、マジでアツかった。

「ブックオフがアホみたいな安値で本を買い取り、利益上乗せしまくって販売してる、その仕組みがメルカリのせいで大打撃受けてる。メルカリは(10%手数料取られちゃうけど)、売り手も買い手も妥当と思える値段でやりとりできる。もしメルカリみたいな妥当な店をリアル店舗でやったらマジで人が来るはず」

「airbnbで知らない人に家貸してそれなりのお金もらう代わりに評価文でケチつけられるより、友達をタダで泊める方が気持ち良くない?」

とにかく資本主義のその先を考えている人だった。

本にもあった通り、まさに『カネがいまだに流行っているのってウケる』である。


私は、ダン・ケネディの文章を一文字も読んでいないにもかかわらず、ダン・ケネディのことを嫌いになってしまった。
ちなみにダン・ケネディの本は「無料」とか言いつつ送料550円とるという謎システムである。

「バイトやめる学校」の本は、単にタイトルが良すぎてネットで衝動買いしただけなのだが、かなり濃く読み込ませてもらっているし著者のこともすっかり好きになってしまった。


もちろん規模の違いはあるけど、

私は、ダン・ケネディ型と山下陽光型、どっちになりたいの? 


どっちが最先端なの? 


どっちがかっこいいの? 


どっちが「私の未来のお客さん」向けなの? 


ん? 


もしかして、「客」という発想自体、もう古いの?



山下氏は明日(8/7月)は下北沢で17時から自身のブランド「途中でやめる」の即売会、19時から「バイトやめる学校」無料相談会をやるらしい。
http://blog.goo.ne.jp/bashop/e/f003351c658d5eacc1dc519c94b2ad91

場所は下北沢ケージ。http://s-cage.com/

福岡在住の彼に、都内住みの我々が会える数少ないチャンスだ。


私が無料で書いている文章が人を動かしたとしたらそれは超うれしいことなので、


これを読んで「山下陽光に会いたい」と思い、かつ明日夜に来れる人は、来てほしい 私もいく。

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