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【ベト日記】様々なレイヤーの中に住んでいる

■100円で届けてくれるバイク便デリバリーが便利すぎてケーキ頼みまくって太った話

■「フォーが100円で食える世界で時給200円ぐらいでドライバーさんを働かせて500円のケーキをデリバリーする日本人女(私)」や、毎日ホーチミン高島屋で1000円の和食ランチを食べている駐在員など、さまざまなレイヤーの人がいるなあということ

■在住日本人は皆、一時帰国に合わせてAmazonをポチりまくり実家に送りまくっている

■日本の果物は1個100円、ベトナムでは1キロ100円



ダイエットのためにGrabデリバリーで健康食を注文することにしたのだが、デリバリーが便利すぎてケーキとかしょっちゅう頼んでしまい、逆に太っている。童話に出てくる愚かな登場人物みたいである。

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5km程度離れた中心街のおしゃれなお店から、なんと100円くらいでデリバリーしてくれる。

今までは「遠い」ということが抑止力になりケーキ屋に通わずに済んでいたのだが、デリバリーによりそれがとっぱらわれてしまった。

今後は、「フォーが100円で食える世界で時給200円ぐらいでドライバーさんを働かせて500円のケーキを運ばせる日本人女」になりたくないという気持ちを抑止力にしていきたい。

様々なレイヤーの中に住んでいる。

デリバリーで昼食を頼むと、1日中部屋から出ずに、PCや本で日本の活字に向き合い続けることができる。そして夜になって外に出ると「うわっベトナムだったわ、ここ」と驚くことになる。

エアコンつきの18㎡のワンルームとノートパソコン、日本人にとっては贅沢でもなんでもないものだがそれを手に入れられない人もたくさんいる、し、手に入れようとも思っていない人もたくさんいる。

一方、デフォルトの月収に海外手当もプラスされ、お手伝いさんつきのタワマンに住んでいる日本人駐在員とその奥さんもたくさんいる。彼らは「危険」という理由でバイクに乗ることを禁じられ、代わりに運転手付きの車やタクシーチケットを支給されていたりするのだが、それも本意だったり本意じゃなかったりする。タワマンも、子供のために日本並みの安全を確保するとしたらそういった選択肢になっちゃうよなあ、と思う。奥さんも、なくなく日本の仕事をやめて渡越し、ビザの関係でこちらでは働けないという人もいる。

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(これはVinhomesというタワマンです。)

住んでから半年ぐらいは、1食100円の現地食を食べまくっていたのだが、どんなにうまくても同じ国の料理を食べ続けると飽きる。なので最近は時折、洋食や日本食のレストランに行ったり、デリバリーをしている。日本だったら2000円ぐらいするような豪華カフェランチも1000円ぐらいなので、嬉しい。

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住みたての頃は、1食100円でフォーが食える国で、ホーチミン高島屋のレストラン街までわざわざ1000円の和食を食べに行く駐在員を見て、「どんだけ日本ホリックなんだよ」と思っていたのだが。

最近の私は、現地食のあまりに強い化学調味料の味や、炭水化物の量で満足感を出してくる手法、野菜不足が気になり、健康志向の和食のデリバリーを始めた。質素な定食に1食600円払うのは、本当、現地人からしたら「?」と思われるだろうが、健康は失ってからじゃ遅いので……。

(あと、めちゃめちゃおいしい)

日本人は一国の料理を食べ続けることができない。
ベトナム人は毎日ベトナム料理を食べることができるが、日本人は和食ですら毎日食べられない。
これは日本人の性だと思う。

8/2~7に日本へ一時帰国するので、Amazonで実家宛てに物資を注文しまくっている。ベトナム住みたての頃と違い、頼むものが研ぎ澄まされ、「あーベトナムじゃ、痒い所に手が届かないんだよなー」っていう商品だけに絞られている。

手ぬぐい洗顔用手ぬぐい、アイライナー、猫の自動エサやり機、ドアストッパー(猫用)、ヘアアクセルレーター(髪が伸びる液剤)、ミルクフォーマー(完全無欠コーヒーを作る用)、速乾タオル、筋トレ用チューブ

こういう工業製品はベトナムで買っても値段が変わらない(ので、Amazonで母語で商品説明を読みながら一番いい商品を買いたくなる)。

ベトナムで安いのは、食料と、人件費だ。食料はいわずもがな、勝手に植物がめきめき育つ気候だから、安い。
人件費は、安い、というより、下限が低く、カフェの店員とかは時給100円台で働いているらしい。したがって、単純に人件費がかかるだけの商売は、日本に比べてはるかに安い(マッサージとか、ドライバーとか、勝手になってるのを拾って売るだけの果物とか)。

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(1キロ25,000ドン(約125円)……。)

「日本の果物はどうして高いですか?」と、ベトナム人学生に聞かれた。

・人件費が高いこと
・労働集約型の体制
・国内の農家を守るために関税がかけられていること

などが理由に挙げられるが、うーん、これを口で説明してもあんまり分かってもらえないだろうなあ……逆に日本に来れば肌で分かるだろう。日本の全ての労働がこのスタイルだから。



きょうのベトわん。

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渋澤怜(@RayShibusawa

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