前回に引き続き、ベトナムの人件費、働き方について。

■時給1000円で馬車馬のように働く日本のカフェバイトと、時給100円で5、6人がダベりながら働くベトナムのカフェバイトの話

■ほっといても果物が落ちてきて絶対に飢えず、外で寝てても一年中死なない国、ベトナム　VS　狭い農地に労働集約させて頑張って農業して村人から嫌われないように空気読まないと死んじゃう国、日本

ベトナム人は労働時間が長いように思う。
土曜出勤の会社も多いし、残業の話もそこそこ聞く。朝の出勤ラッシュは7時台だし、8時からはじまる会社も多い。

朝っぱらから銀行もカフェも開いてるし、ショッピングモールは22時まで営業してる、つまり店員の労働時間も長いはずだ。

「どうして日本人は、ベトナム人より労働時間が短いのに、ストレスが多いんですか？　どうして過労死するんですか？」
と聞かれるが、なかなか説明するのが難しい。

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ベトナム人の店員はよく店番しながら携帯をいじっていたり、座っていたり、おしゃべりしていたりする。個人的に「日本のサービスは過剰」と思っているし、楽しそうな人を見ると楽しくなるので、これぐらいの接客温度は丁度良い。

その代わり（？）、彼らの時給はとても低い。
おしゃれなカフェでは英語がペラペラな若者が接客してくれたりもするのだが、付近の優秀な大学の学生であろう彼らの時給も100円台（せいぜい200円かそこら）らしい。

そんなに英語がしゃべれるなら、もうちょっと良いアルバイトないの？　と思うのだが……。

私が観察したり、話をきいたりした限りだと、彼らの労働中の意識は、

「サークルに通ってる感覚」なのかな？　と思う。バイト先で友達を作ったり、おしゃべりしたり。給料がちょっと出るサークル、だと思うと、時給100円台でも文句なく働けるのは納得である。

ベトナムの店先には、警備員の恰好をした人がよく座っている。ベトナムに来たばかりの頃は「なんでコンビニとか安い飲食店にも警備員がついてるんだろう？」と思っていたのだが、彼らは実は「店先に停めた客のバイクが盗まれないように見張る役」である。

私の近所のミニストップにも、そんな「見張りおじさん」がいるのだが、夜はだいたい、孫と遊びながら仕事してる。孫と遊びながら給料も出る！と思ったら、結構いい仕事なのかもしれない。

ベトナムの人はもしかしたら、こういう働き方をしているのかもしれない。

日本のカフェであれば時給1000円あげるかわりに馬車馬のように働かせるが、ベトナムの場合は5人も6人も店員を雇い、おしゃべりしながらだらだら働かせている。客より店員の方がおおいなんてこともザラだ。

日本人は、このダラダラ方式に割と耐えられないんじゃないかな。暇な時にも仕事を作って働いちゃうよね（掃除とか物品補充とか）。

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私が日本語を教えている学生は、日本企業で正社員として雇用されて日本へ渡ることを目標としている。
だから、私が面接指導もしている。
のだが。

「学生の時一番頑張ったことはなんですか？　そこから何を学びましたか？」
という質問をしても、全然いい答えが返ってこない。

質問の意図から教えなきゃいけない。

もしや、この質問て、日本でしか通用しないのかな？　と思う。

「苦しいことがあったけど、そこから努力して克服して、今はこんなに成長しました！」という物語自体、日本的なフェチでしかないのかな？　という気がしてくる。

苦労なんかしないに越したことはないし、元から能力があるに越したことはないよね。

ほっといても果物が落ちてきて絶対に飢えない国、外で寝てても一年中死なない国、ベトナム
VS
狭い農地に労働集約させて頑張って農業して村人から嫌われないように空気読まないと死んじゃう国、日本。

前提としているものも根本からいろいろ違う。

もちろん、日本的なベトナム人もいる、し、私の学生にはそういう人が多いんだろう。
でも、まあ、日本行ってから苦労するだろうなーー。

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ベトナムの犬の写真を友人に送りまくっていたら、「あたりまえのようにリードにつながれてなくてウケる」と言われた。

リー……ド…………？

今日のベトわん。

渋澤怜（＠RayShibusawa）

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