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人んちのマンガいきなり熱中して読み出すタイプの人間に憧れる

憧れのタイプの人間がいる。

他人の家に行った時、その家にある気になるマンガに手を伸ばしていきなり熱中して読みだす人。

「これ貸して」と言って借りれる人。

いきなり「今日行っていい?」と言って、他人の家に行ける人。


私は他人の家でマンガを読めないタイプだ。家主に対するリソースとの配分がうまくできないし(というか家主100マンガ0だ)、そもそも落ち着いた場所でないと本を読めないたちだ。

「これ貸して」と言える人は大体、「これ貸して」と言われても「いいよ」と即答できる人だし、「今日行っていい?」と言われたら「いいよ」と即答できる人なのだろう。私は両方難しい。だから他人に「これ貸して」「今日行っていい?」と言えない。


私の好きな人間のタイプは、自分と真逆のタイプだ。屈託なくて、自意識が薄くて、こだわりが少なくて、一人の時と他人といる時の違いがあまりなくて、他人と自分の境目が薄くて、他人との利害や損得が丼勘定の人だ。

そういう人といると、はじめは「いいなあ~~~!」という憧れもあいまって、すごく楽しいんだけど、長くいると段々辛くなる。


そういう人は、私と一緒にいる時も、私といることを特別視していなくて、というか平常運転していて、まるで一人でいるかのようにマンガ読みだすし、「水道代払わなきゃー」とか「新曲のここがいいんだよー」とか「メルカリでこれ売れたわー」とか、まるで子供の独り言のごとく、口から思考をダダ漏れさせている。「話すに足ることしか話さない」というスタンスの私と相対すると、必然的に相手と私の話が9:1になって(しかも相手のあまりに他愛ない些末な話)、で、あまりの「私の話の聞いてもらえなさ」に私は寂しくなってしまう。

私は他人といる時めちゃめちゃその他人にリソースを割くので、私と相手では、互いへのリソースの割きようが9:1になる。私はいろいろしてあげて、しかもしてあげたことを全部覚えている。しかし向こうには、そういったものをつける心の帳面自体が無い。


好きなタイプの人間といると辛くなる。「ごめんキャパ狭で。あなたといると辛くなる。来る頻度下げて」と、好きなのに言わなきゃいけなくなる。3か月前にも同じセリフを、違う誰かに言ったばかりだな。

とりあえず「今日行っていい?」って言っていきなり来ないで。好きだから、万象繰り合わせて「いいよ! 来て」って言っちゃうけど、結構辛いやりくりしてるんだよ。

……。



どうすれば辛くなくなるのか? 知ってる。

憧れの他人に割くリソースをまずは自分に割いて、自分のMPを自分で満タンにしてやることだ。いくら「他人に気前よくあろう」「こまかい帳面にこだわらないようにいよう」と思っても無理なのだ、現状MPが1ケタなんだから。常に飢えてるんだから。



……以上、インフルでMPゼロの渋澤がお送りしました。創作>エッセイ(ワンテーマある長めのもの)>ブログ(日常吐露)の順に、MP無いと書けなくなるんだけど、最近ブログが多いのはMPが無いためです。でも書かないと死んじゃうので書いてる

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