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朝起きると、秋の匂いがした

2021/10/12 東京にて、朝起きると秋の匂いがした。

季節外れの暑さが続いていた昨日までとは打って変わって、単に気温が下がっていたからなのか、実際に秋特有の匂いになったのか、目覚めるまで見ていた嫌な夢のせいでドキドキして目覚めたからなのか、正確な理由は分からないが、これは秋の匂いだと私の鼻は言う。

秋の匂いを嗅ぐと、少し寂しい気持ちになる。もう一年たってしまったのか、去年の今頃は何してたっけなどと、時間の流れの速さを感じるからだろうか。

秋の匂いを嗅ぐと、すぐそばに冬を感じる。ニットを着た女性の姿や、コートを着て凍えている自分の姿が思い浮かぶ。秋自体のことはあまり考えないのは、秋はいつでもすぐ終わってしまうと分かっているからだろうか。

秋の匂いを嗅ぐと、人肌恋しくなる。夕方なのにもう暗い街を一緒に歩いたり、飲み屋を出た後の予想外の寒さに一緒に震えたりしたくなる。普段見ない恋愛物の作品も、楽しめるような心持ちになる。

普段とは違うテイストの文章になっているのが、自分でもわかる。秋の匂いを嗅いだからだろう。


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