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状況が変わり始める


 2019年冬。33歳で平社員でしたが、現場ではまぁまぁベテラン社員の部類に足を突っ込んできて、いろんなことが出来るようになってきて、それなりに仕事はこなせれてたのでその時の生き方に多少なりとも満足してました。
一般サラリーマンがよく思うような人間関係や労働環境などの悩みはあったけど大変なのは自分だけじゃないってことくらい流石に分かっていたので特に重く捉えることも少なかったです。
また、趣味でArduinoを使ってちょっとした位置情報ゲーム作り始めてた時期でもありました。←これ結局プログラム8割くらい完成させたところでお蔵入りになって誰にも見せてないなぁ。

 そんな折、僕の人事異動が決まりました。

とある国産メーカーの車種の増産計画が出たということで超絶多忙な部署へ異動しました。異動したのは11月頃でMaker Faireやニコニコ技術部のイベントがあったり、ちょっと冬コミが近づいてきてワクワクしてた時でもありました。
異動先の部署が忙しくなることは噂に聞いていたし、今いる部署が減産傾向にあり余裕があるので、人を抜かれるのでは?という感じは薄々あった。
そして上司と面談で話して「ああ、僕ならあっちの部署に異動させても即戦力になってくれると思ってのことだな」って意図がよく分かった。部署異動は初めてじゃないから最初は深く思うところもなかったけど、ことが進むに連れて以前の20代の頃の部署異動と30代の部署異動では大きな違いがあり、下のような課題に気付き始めました。

・まず車業界に於ける生産現場は非常に体力がモノを言う世界です。もちろん実作業内容にもよりますが、僕の担当は、生産ラインが正常に可動するべく搬送ロボットアームやNC工作機械を取り扱うことが主な業務です。精密な作業では神経を尖らせ、メンテナンスは大胆かつ丁寧に、迅速さと正確な作業が常に求められます。在庫状況の把握、前後工程、他部署との連携も重要なので”報連相”なくして良品は出来ません。トラブル時の問題解決能力も大事!etc…。
また、製品となるワークは電子レンジくらいの大きさと重さがあり、作業で一日中、人が運ぶとなると慣れてない人では堪えるくらいの物ではあります。(一旦この場では労基法がどうのとか言及しないでおく)
 ↑これらは生産現場において、部署が変わると一から覚え直すことになります。工作機械や設備は経験と知識を活かせる部分がありますが、作ってる物、ライン工程が少しでも違うと例えば、エンドミル(切削工具)がワークに与える影響や良品条件などがシビアに変わります。
体力的にはもともとスポーツはあまり得意ではなく33歳くらいだとまだまだこれからと言う人もいますが20代前半の時と比べると明らかに作業スピードや疲労に衰えを感じ始めました。実際、単純に作業時間で年下の人と比べると20代の人の方が早く出来てしまう作業もありました。自分はそこを経験でカバーしていく感じでした。書きながら思い出したけどプロゲーマーの記事でこんな話してる人いたなぁ。SEの人から聞いた話で、ある程度熟練してくると一日に書けるプログラムの行数の上限が見えてくるらしいです。
僕はそんなゲーマーとかSEみたいな状態になってきてました。

・異動先は前部署と比べて生産スピードが倍、量も倍々、すべてが2倍、3倍。
今までいた部署より古い部署ではありますが、あらゆる事柄が多量に扱われており、良くも悪くも生産に対応出来るように生産現場は若い世代(20代)を中心に構成されたチームでありました。人が変われば知識も経験も違いますから、「若い世代が中心=経験少」は必至です。それに合わせて仕事の進め方も変えなければいけません。中には優秀な人が居たり、もちろん中年のおじさん層もいます。
問題なのは経験が少ない若年層よりおじさん層の方がだいぶ頭抱えました。
おじさん層ってベテラン社員のことじゃありませんよ。40代、50代になって33歳の自分より仕事出来ない、上にいく気もない、正社員を立てにして会社にぶら下がる人たちのことです。時々ネット記事なんかで見るアレです。
この辺りは車業界の根深い問題があるでしょうよ。平社員で特に何の能力がなくても正社員を続ける限りクビにならないし、不自由しない給与もらえる訳ですから。しかも工場、製造業って年功序列なところがありますからそんなぶら下がり社員たちが自分より給与持っていくんですよねー。早く能力主義にして欲しいものです。でもそうすると多分ぶら下がってる人たちの給与が下がって、さらにモチベーションが下がったりしてデメリットを鑑みてなかなか難しいんだろうなぁ。あと話がずれるが、工場って社会主義的な構造もあるから真面目な人が頑張っても報われにくいところもだいぶ感じてきてました。その時のタイミングとか運とか部署ガチャ半端ない(笑)

・外国人実習生の人員配置。とてつもなく忙しい部署なのに外国人実習生をライン内に人員配置しているのですね。日本語はほぼ通じないと思っていいレベルですし、英語も通じない(英語が話せない外国人)なので、それを考慮した教育やチームワークが必要でした。
そして実習生と言いつつ何も学ぶ意欲のない彼らには最後まで手に負えませんでした。また面白いのが実習生がミスしたときに注意すると以前に理解していたはずの日本語が何故か分からなくなるんですねー。うーん、無駄にプライドが高い。入社して以来、サボったことがないどころか休み返上で仕事して来た自分にとって、これから先もずっと事あるごとにボーっとしてたりスマホ見てる彼らと一緒に仕事することは苦行でしかありませんでした。彼らがサボってる分の仕事は僕がカバーすることも多くありました。

いやぁ…。こんなに長く書くつもりじゃなかったのになんてこったい。
まぁ、他に色々とありますが結局のところ、気合い体力ありきの一部社員で屋台骨を支えないといけない生産現場への疲弊と会社の姿勢や方針についてけなくなったこと、自動車内燃機関関係部品業界の自社の未来が見えないのに自分の未来も見えないことが転職を後押しした次第ですね。
そんなこんなで「あれ?なんでこの会社に入ったんだっけ?」って振り返ったら理由も動機もない自分に気付いてことが転機になりました。

って、ちょっと待ってください!!!
上記で挙げたことが転職した一番の理由ではありません!大事なことなのでもう一度言いますが、転職を後押ししました。しかし一番の理由はもう少しシンプルに以前からあって、沸々と熱くなってきていて人事異動が重なり「転職活動やろう」と決意したのです。


思いのほか長くなったので本当に転職しようと思った理由などはまた次回で。

制作進行の話に繋がるのはもう少し先です。すみません。

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