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百貨店のビジネスモデル崩壊!そごう・西武の外資売却計画に猛反対の労組連合!ストライキは消費者に何を訴えているのか?

百貨店そごう・西武の米投資ファンドへの売却計画に反発する労働組合がストライキ権を行使すると通知した。この動きに他の百貨店の労組も連帯を表明した。百貨店業界は長年にわたり低迷しており、コロナ禍でさらに打撃を受けている。このストライキは、百貨店の存続と再生を求める労働者の声であると同時に、消費者にも何かを訴えかけているのではないだろうか。

百貨店業界の衰退と再編

百貨店はかつて日本の消費文化を牽引してきた存在だった。しかし、バブル崩壊後の不況や消費者の多様化、ネット通販の台頭などにより、業績は低迷し続けている。日本百貨店協会によると、年間売上高はピークの1991年の9.7兆円から昨年は4.9兆円とほぼ半減した。店舗数もピークの99年の311店から、昨年は4割減の185店となっている。コロナ禍での休業要請や営業縮小で過去にない痛手を受けた。

このような状況下で、百貨店業界では再編が進んでいる。例えば、そごう・西武は2019年に米投資ファンドのバークレイズ傘下に入り、今年6月には池袋本店を含む5店舗を売却する計画を発表した。また、阪急阪神百貨店も今年3月に梅田本店を分社化し、不動産会社に売却した。これらの動きは、百貨店が土地や建物などの資産を現金化し、経営資源を集中させる戦略だと言える。

労働組合の反発とストライキ

しかし、これらの再編に対しては、労働組合から強い反発が起きている。特に、そごう・西武労組は売却計画について「従業員や地域社会への配慮が欠如しており、労使協議も不十分だ」と批判し、31日からストライキ権を行使すると通知した。記者会見には他の百貨店労組も同席し、「連帯」を表明した。そごう・西武労組にはこれまでに13組合が支援を表明し、「健全な労使協議」を求める要請書や「池袋本店を守る署名」も提出した。

労働組合がストライキを実施するのは、百貨店業界では極めて異例のことだ。日本では一般的にストライキは賃金や雇用条件などの労働条件改善を目的とするものであり、企業経営や事業方針に関するものは少ない。しかし、そごう・西武労組は「売却計画は従業員や地域社会への影響が甚大であり、労働条件改善と切り離せない」と主張している。

欧州と日本のストライキ文化の違い

欧州では、日本と比べてストライキが頻繁に起こり、その対象も広い。例えば、フランスでは2019年に年金制度改革に反対するストライキが長期化し、交通機関や教育機関などが大混乱に陥った。また、ドイツでは2018年にアマゾンの倉庫で労働条件改善を求めるストライキが起きたほか、同年には環境問題に関心を持つ学生たちが「気候変動ストライキ」を実施した。

欧州のストライキ文化は、労働者の権利や社会的正義を重視する価値観や、労働組合の組織力や影響力の高さによるところが大きいと言える。一方、日本のストライキ文化は、戦後の高度経済成長期に形成されたものであり、企業と労働者の間に「相互扶助」や「協調」の精神が根付いていると言われる。また、日本ではストライキは法的にも制約が多く、労働組合も弱体化している。

消費者はどう受け止めるべきか

百貨店業界の再編や労働組合のストライキは、消費者にとっても無関係ではない。百貨店は日本の伝統的な消費文化を象徴する存在であり、地域社会や観光業にも大きな影響を与えてきた。百貨店が衰退すれば、消費者の選択肢や購買体験も貧しくなるかもしれない。また、労働組合のストライキは、百貨店だけでなく他の業界や職種にも波及する可能性がある。消費者は、百貨店業界の危機と労働組合の連帯をどう受け止めるべきなのか、冷静に考える必要があるだろう。

執筆者 萩原 大巳の所見

米ドル/円レートが150円に近づいており、安い日本・買われる日本となっています。このような状況は、まさにオールジャパンのバーゲンセールのようです。

労働組合連携に大義はあるのでしょうか?
そごう・西武で働いている人々は、労働組合のメンバーだけではありません。パートやテナントのスタッフも、全て労働者です。
スーパーの大手イトーヨーカドーも同様の状況です。地域の生活インフラすらも、外国資本に買われています。

会社は誰のものなのか?
社員のもの、顧客のもの、株主のもの、と様々な見解があります。法的には、会社は株主のものです。しかし、社員がいなければ会社は成り立ちません。顧客満足を追求しなければ、会社は衰退し、資産は売られていってしまいます。もし会社が倒産すれば、株主の利益はゼロになります。

ですから、顧客に選ばれる会社になるためには、変化対応力のある経営力が必要です。しかし、百貨店のビジネスモデルは残念ながら崩壊に向かっています。ただし、デパ地下は依然として活気に満ちています。
東武も百貨店とは言えない存在です。オフィスエリア、ホテルエリア、ショッピングエリア、選び抜かれたレストランエリア、専門店は常に入れ替わっています。

百貨店の競合相手はもはや百貨店ではなく、消費者の購買心理に先んじて視覚や聴覚、五感全体に訴えることが重要な経営戦略です。

このような社会情勢のなか、多くのテナントから、撤退に伴う原状回復や敷金(保証金)の返還に関する相談が増えています。撤退戦は厳しい業務であり、コストを把握し、集中と選択で次の成長戦略に投資していきます。撤退戦や成長戦略は、全て人材によって成功と失敗が分かれます。

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