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【Stable Diffusion CPUイラスト生成対決】N100 vs i7 4770 ~10年前のハイエンドと現代のローエンド~

こんにちは、Rcatです。
いきなりですが、AIでCPU対決をします。
というのも、現在PCを3台所持しておりまして、初回作は10年前、現在のメインは5年前、そして最近サーバー専用で導入したミニPCです。
古いのはサーバー用途でLinuxを入れて使っています。
今回はその10年前のと最新のミニPCで画像生成AIを動かしたらどれくらい差があるのか試してみました

ハードウェア紹介

10年前の自作PC

ATXの自作PCです。PC欲しくて調べていたら自作できると知って組み立てちゃいました…。

  • CPU : Core i7 4770

  • MEM : DDR3-1600 8Gx2

  • GPU : -外した- (当時GTX760)

最新のミニPC

CPUのスコアを見ているともう4770と大して変わらないのでは?電力的にこっちサーバーにしようと考えて購入。

  • CPU : N100

  • MEM : DDR5-4800 16G

  • GPU : -

こちらに関しては下記記事で紹介しています

スコア比較

まずは一般的なスコアを調べておきます。
下記のサイトでスコアを調べました
ノート向け : https://pcfreebook.com/article/458775622.html
デスクトップ向け
 : https://pcfreebook.com/article/450856544.html

i7 4770の方が25%程スコアが高いですね。
TDPで1W当たりのスコアにするとN100の方が1100%ほど優れています。

  • N100

    • スコア : 5622

    • 性能 : 4C4T TDP:6W

  • i7 4770

    • スコア : 7074

    • 性能 : 4C8T TDP84W

予想

スコア的にはかなりN100が追い付いている感があり、メモリもシングルとデュアルの差があるが、速度もDDR5の方が倍以上あるため、足を引っ張るようなことにはならないと思う。
気になるのはスレッド数か。

検証開始

検証はイラスト生成AI StableDiffusionが画像を一枚生成するのにかかる時間です。

検証環境

下記記事で行っている方法でCPUを使用した画像生成を行うようにセットアップします。

OSはLinux(Ubuntu)です。
セットアップは下記記事で行っているのと同じ方法です。
この機会にi7 4770のPCをCentOS7からUbuntuに変更しました。

その他

N100 PCは使用中の為、nohupのログを参照することとします。
使用中のPCで計測すると不利になるので、双方ともにcpulimitコマンドを使用し、使用率を50%に制限します。

具体的にはこんな感じで制限します。
ps - auxでSDのプロセスを特定
cpulimitで制限開始。

adminuser@i7-4770:~$ ps aux
USER         PID %CPU %MEM    VSZ   RSS TTY      STAT START   TIME COMMAND
root           1  0.4  0.0 167816 12672 ?        Ss   22:01   0:11 /lib/systemd/
root           2  0.0  0.0      0     0 ?        S    22:01   0:00 [kthreadd]
root           3  0.0  0.0      0     0 ?        I<   22:01   0:00 [rcu_gp]
root           4  0.0  0.0      0     0 ?        I<   22:01   0:00 [rcu_par_gp]
root           5  0.0  0.0      0     0 ?        I<   22:01   0:00 [slub_flushwq
root           6  0.0  0.0      0     0 ?        I<   22:01   0:00 [netns]
root       45561  0.0  0.0  17428 11004 ?        Ss   22:17   0:00 sshd: adminus
adminus+   45598  2.9  0.0  21940 12584 ?        S    22:17   0:39 sshd: adminus
adminus+   45606  0.0  0.0  11272  3712 pts/1    S+   22:21   0:00 bash ./webui.
adminus+   45630  195 35.3 8107632 5659992 pts/1 Sl+  22:21  36:32 python3 -u la
adminuser@i7-4770:~$ cpulimit -p 45630 -l 200
Process 45630 deteted

TOPコマンドで確認します。
4コアなのでCPUの部分が400で100%です。制限しない場合は400に近く、制限後は半分の200に近くなっています。

制限前

%Cpu(s): 45.9 us,  1.5 sy,  0.0 ni, 52.6 id,  0.0 wa,  0.0 hi,  0.0 si,  0.0 st
MiB Mem :  15642.3 total,   1517.1 free,   6561.2 used,   7564.0 buff/cache
MiB Swap:   2048.0 total,   2046.7 free,      1.2 used.   8577.7 avail Mem

    PID USER      PR  NI    VIRT    RES    SHR S  %CPU  %MEM     TIME+ COMMAND
  45630 adminus+  20   0 8414336   5.6g 180380 S 375.0  36.9 207:46.01 python3

制限後

%Cpu(s): 25.2 us,  0.6 sy,  0.0 ni, 74.1 id,  0.0 wa,  0.0 hi,  0.0 si,  0.0 st
MiB Mem :  15642.3 total,   1543.6 free,   6533.9 used,   7564.8 buff/cache
MiB Swap:   2048.0 total,   2046.7 free,      1.2 used.   8605.0 avail Mem

    PID USER      PR  NI    VIRT    RES    SHR S  %CPU  %MEM     TIME+ COMMAND
  45630 adminus+  20   0 8391296   5.6g 180380 S 207.6  36.8 220:28.64 pythn3

ミニPCでも同様に制限します

%Cpu(s): 60.9 us, 14.8 sy,  0.0 ni, 24.1 id,  0.0 wa,  0.0 hi,  0.2 si,  0.0 st
MiB Mem :  15759.1 total,    824.1 free,  10579.7 used,   4355.3 buff/cache
MiB Swap:   2048.0 total,   1593.0 free,    455.0 used.   4833.7 avail Mem

    PID USER      PR  NI    VIRT    RES    SHR S  %CPU  %MEM     TIME+ COMMAND
 960716 rcat      20   0 9326416   6.1g  46316 T 202.7  39.7  19312:36 python3

検証結果

i7 4770が倍近く早いことが判明。
10年前の物と言えど、i7の肩書消費電力の前にはN100も歯が立たなかったようだ…。

N100 CPU
Total progress: 100%|██████████| 20/20 [16:58<00:00, 50.91s/it]

Core i7 4770 CPU
Total progress: 100%|???????????????????????????| 20/20 [08:13<00:00, 23.92s/it]

この結果を見ると、N100は16分台であるのに対し、i7は8分台で終わっている。
※100%解放時は確かに4分程度で終わることを確認済み。N100も制限なし時は10分未満で出てきていた記憶があるので、きちんと50%制限はできているようだ。

まとめ

今回は最新のローエンドCPUと10年前のハイエンドCPUを比較しました。
スコアだけ見れば25%程度の差が出ると予想したが、実際は倍近い差になった。
何が左右したのかは正直分からないが、単純なスコアだけでは判断できないということが分かった。
それではまた会いましょう。





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