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アサーティブな主張でバウンダリーを守る

この夏から秋にかけて「アサーティブネス」と「バウンダリー」のことをセミナーの場で少し学びました。

どちらも数年前にちょっとかじったことがあったことでしたが、ここ最近の自分の経験や実感も重ね合わせながら、忘れかけていたことを思い出しました。時間が経ってからあらためて自分ごととして理解できて、常日頃から意識することができるようにもなってきました。

そして今回は、

自分の意見や、相手に対する「NO」の意志を「アサーティブ」に主張して、自分の境界「バウンダリー」を守る。
相手の境界「バウンダリー」の存在も認めて、尊重する。

そのロールプレイをやってみました。
「アサーティブネス」「バウンダリー」それぞれの講義と個人ワークの続編として、ロールプレイをやってみて体験・練習してみようという趣向です。

「NO」の意志を伝える練習の流れと期待する効果

セミナー参加者の男性(わたくしではない)が、過去に体験したある理不尽な要求のできごとを事例として提供、その事例を使ってロールプレイをしていきました。

「NO」の意志を相手に伝える練習として...

相手役が理不尽な要求を強要していく。
その理不尽な要求を男性が断る。

他の参加者は、そのやりとりで生じる双方の言動や表情までも観察し、聴いたこと、気がついたことをできる限りどんどん記録していく。
一連のやりとりが終わったところで全員でその内容を検証する。
それを踏まえて、もう一度同じロールプレイをして、初回の結果との違いを確認する。

全員で検証するポイントは...

1-1. 実際にやった言動・表情を確認する
1-2. それをどのような思いでやったか?

2-1. 実際にやりとりをしていたときに思い浮かべはしていたけれども、実際にはやらなかった言動・表情は?
2-2. それをどのような思いがあってやらなかったか?

以上の振り返りを踏まえて、自分は「最終的にどうなりたかったか?」「どんな自分でありたいか?」を導き出し、これからは実際にどんな言動・表情をすることにしていくかを決めて、実行する

...こういう流れです。

自分が最も大切にしたいことを見い出して、自ら守り(バウンダリー)、かつ、それを自己表現する(アサーティブネス)

そうしていくことが、過去の体験や知識、慣習などに引きずられずに、それらの今となっては不要な部分を脇に置いて、簡単に妥協せずに自分の今の直感を活かした選択をしていくことで、「わたしが望むわたし」へと近づいていくことへつながっていくのだそうです。

座学で知ったことを実際にやってみた感じ

ロールプレイでは、事例を提供された男性は本人役、理不尽な要求をする側の役を、初回は女性が、二回目は男性(わたくし)が、それぞれやってみました。

出だしは事例の流れに沿ったやりとりをしますが、理不尽な要求に対する反応、またそれに対する反応、それに対する反応…と進むに連れて、過去に実際になされたやりとりを徐々に離れて、ロールプレイをしている二人自身の「今このときの反応と応答」になっていきます。

<男女間の違いもバウンダリーへ影響!?>

初回(理不尽な要求をする役:女性)の検証の後、二回目(同:男性)のロールプレイを試みたところ...

女性は、男性には到底思いつかないような男性は、女性には到底思いつかないような理不尽な要求の重ねかたをすることがある、ということに男性も女性もそれぞれに気づき、自分のバウンダリーを侵そうとする相手が男性であるか女性であるかの違いも、アサーティブな自己主張・表現の内容や選択の違いへ結構な影響を及ぼすであろうことが感じられました。

男性には到底思いつかない、女性の反応があるように
女性には到底思いつかない、男性の反応がある

セミナー講師の福多唯さん、そういった「男女間の自己主張・表現の違いもまたバウンダリーへの影響が引き起こされること」にかなり驚き、興味深さを感じておられたご様子でした。
(非常に有益だ!ということだそうで光栄でした!)

<やってみて新たに気づく>

座学で一度知ったこと、また、そのロールプレイという模擬的な場面で、自分の大切にするものを自ら守り(バウンダリー)、かつ、それを自己表現する(アサーティブネス)ことができる感覚を体験することができました。

模擬的な場面とは言え、過去のあまりよろしくない実例も安心して提供できる雰囲気を全員でつくるからこそ、バウンダリーを守ってアサーティブネスに自己主張・表現することを体験できる…

こうして実験してみて、はじめて、前段の「男女間の自己主張・表現の違いもまたバウンダリーへの影響が引き起こされること」に気がついたりもする。
こういうことは理論の座学だけでは絶対に気がつかない。実験をして感じたことが新たに考えるタネになって、考えを深めるきっかけになっていく…そんなこともあらためて感じました。

自分のある実体験を当てはめて振り返ったら

ここまで振り返ってみて...

アサーティブなありかたで居たつもりだが、その甲斐がなかったできごとがあったな最近…一度は持ち直したことはあったけども、その、持ち直したときのやりとりを踏まえて考えてみたら、もうそれ以上という選択はない。

結果として「相手を受け入れない選択」を自分はしたということになる。自分はこのところずっとアサーティブであった。そう思いたい。

自分のバウンダリーを自分で侵すような真似をするわけにはいかない。

まず、私と対話する。 それから、相手と対話する。
そして、双方の共通の思いを満たす。

まずは、わたしから

自分が適切かどうかを確認できるのは、自分の気持ちや考えだけ
である。
自分が変えられるのは、自分の選択と行動だけである。

その上で、結果として、相手を受け入れない選択、離別する選択もアリ、である。

自分と丁寧に優しく向き合うひとときを持って、自分のバウンダリーをより強く。とても大切なこと。

そう。
自分の気持ちや意見は、労力や時間を掛けて解明するだけの価値がある


「ゆらっく」セミナーについて

以上は、石川県庁と金沢港の間あたりにある小さなコミュニティハウス「シェアマインド金沢」で、月に一度開催されているセルフケアセミナー

世界が変わる 学びと対話『ゆらっく』

の、2018年10月14日に開催された講義内容とレジュメからの引用に、自分なりのアウトプットを織り交ぜてまとめさせていただきました。ありがとうございました。

ゆらっく とは…

ゆらっく:『あなた(You)』が、『楽に』なれる場所
 「自分としっかり共にいる」
 「自分の声に耳を傾ける」
 「自分とゆっくり対話する」

講師は福多唯(ふくだゆい)さん。
女性護身術「Wen-Do(ウェンドー)」の、日本人初、かつ唯一のマスターインストラクターとして、女性専用のセルフディフェンスの普及活動に取り組んでおられます。企業や教育機関などでの教育・講演も多くの実績を残されています。

セルフディフェンスから派生した「いろんなパワー(外圧)に対する心的防御」として、日頃の自分の心持ちを整理する、また、自分の内なる声に耳を向けて、自分の思いや感覚を大切にすることが、日頃のセルフケアとしてスムーズに取り入れられるようになるためのセミナーでもある、とわたしは捉えています。

参加者数人レベルの場だからこそ、自分の思いを言葉にして話すことで、他者に共有してもらいやすい。それと同時に、自分自身にもはっきりと意識づけていくことができるようになる。そういう意義をも感じるのです。

日常のこころのセルフケアのヒントをやさしく知って体験することができる。それにはうってつけの場であると思います。

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