「はい」か「YES」か「喜んで」。

体育会や軍隊のスローガンみたいだけど、コンサル時代の上司にも、ベンチャー時代の社長にも共通して言われた言葉。

お客さんから難しい要望を受けたとき、自分には難しい、時間が足りない、などの理由で断りたくなる場面もある。

安請け合いして、やってみたものの上手く進まなくて、ガッカリされた経験のある人なら、そういう事態は避けたいから尚更。


でも、お客さんが何か要望してきているのは、お客さん自身では解決できない課題を一緒に助けて欲しい、という救援要請である。

確かに、自分がお断りをすれば、自分のせいで失敗したことにはならないけど、依然としてお客さんは課題を解決できないまま。

救援要請を断られてしまったら、お客さんは別の方法を探さないといけなくなる。つまり、次から自分に相談や要望が来る可能性は減る。


ベンチャー時代の社長にも言われた印象的なエピソード。

技術的にはどう考えても間違ってる方式で、お客さんはどうしても生産ラインを組みたいと言う。当時の社長は当然無理な理由を説明してお断りした。

一方、ライバル会社の営業は、実際には知識不足だったのだが、お客さんの要望通りに生産ラインを組む方法を考え、見積りを出して受注した。

当然、試運転をしても上手くいかず、お客さんの社内では問題になった。ところが、間違った提案をしたライバル会社が怒られるかと思いきや、お客さんはライバル会社を庇った。

その後、別の方式で生産ラインを作ることになったが、その案件は当時の社長に相談が来ることなく、相見積なしにライバル会社へ発注が行くことになった。


このエピソードからの教訓は、正しいことを教えてくれる人よりも、寄り添って一緒に考えてくれる人の方が、長期的に信頼が得られるということ。

仮に上手く行かないことが分かっていても、事前にきちんと説明した上で付き合い、途中でもホウレンソウを怠らなければ、大きなトラブルにはならない。

コンサル時代の上司には、「お客さんはの返事は2種類だけ。Yes. か Yes, but... か。Noは返事ではない。」とも言われた。

butの後ろにはどんな条件を付けてもいいから、「出来ません」ではなく「〜なら出来ます」と言う姿勢、解決策を考える姿勢が大事なのだと。


昨日、ちょっとイレギュラーな業務のお手伝いしているお客さんから、なかなかハードルの高い相談を受けた。

経験のない分野だから、このまま踏み込むのは怖いなぁと思ったけど、ここまでの話を思い出して、前向きに寄り添う姿勢を忘れないようにしたい。

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