物欲は満たされないうちに小さくなっていく。

東京で働いていた頃は、船橋のららぽーと(大規模な商業施設)の近くに住んでいたので、休みの日に特に予定が決まっていなければ、ブラブラと家族で散歩することが多かった。

商業施設というのは不思議な場所で、特に買い物をする予定がなくても、ふと目に留まった物を買いたくなることがある。夏冬のバーゲンとか、賞味期限間近のコーナーとか、あの手この手で関心を引いてくる。


ちなみに、僕が一番罠にハマりがちだったのはGAPのくじ引きセール。店頭でくじを引かされて、その結果によって割引率が変わる。そこで、50%OFFを引いてしまうと、買わないと損してしまう気持ちになった。

何か買うべき物はなかったかと店内を物色し、ショートパンツを1枚とか、シャツを2枚とか選ぶ。妻も子供用のロンパースなんかを見繕って、結局、数千円の買い物になることが多々あった。


一方、地方にはそういった商業施設が少ないので、外部から物欲を刺激されることがなく、日常的にお金を使う機会が減っていく。特にファッション関係にお金を使うことが劇的に減った。

初めは買い物が不便に感じるけど、意外と本当に必要な物は少なかったのかもしれない。地方の不便さも裏返して見れば、企業の広告宣伝や販促に踊らされることが減る、という利点になり得る。

物欲が小さくなると、落ち着いた気持ちで過ごせることが増える気もする。負け惜しみに聞こえるかもしれないけど、個人的にはこれも立派な地方に住むメリットの一つだ。

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