骨折入院から学んだ組織論。

去年、僕は気仙沼青年会議所で委員長という役職を担当し、理事の一員を担わせていただいた。今年は副委員長という役職で、理事からは外れて委員長を補佐する役割を担っている。

何か不祥事を起こして降格したわけではなく、去年夏の両腕骨折を踏まえて役職を下げてもらったのだが、違った立場から委員長という役職を見て気付いたことがある。


去年委員長をしていたときは、委員会のメンバーに仕事をお願いすることが全く出来なかった。お願いすれば快く請けてくれる人達ばかりだったのに、勝手に遠慮して、一人で背負いこんでばかりいた。

当時は負担を掛けまいという気持ちだったが、実はそれがメンバーのやり甲斐を奪っていた。一緒に事業を作り上げる達成感も、苦労を共有して育まれる友情も、誰かに価値を届ける喜びも、極めて薄い委員会だったと思う。

自分で全部やっているから時間が足りず、家族や会社や他の事業などにも引け目を感じ、それでも自分一人で最大限やり切ろうと焦り、その結果が不注意からの両腕骨折。本当、自業自得以外の何物でもない。


一方、今年は副委員長という立場で、なるべく委員長が仕事を頼みやすい環境を作ろうと思い、個別に時間を取って会って話すことを試みたが、それはそれで上手く行かなかった。

上の立場の人に下からアドバイスをするのは角が立つし、上からの要請がないのに下が動くと指示命令系統が崩れてしまう。あくまでリーダーがメンバーに依頼・要望を伝えて動かす、という形でないと権限ツリーは歪になる。

リーダーが心の底から事業の成功を願い、事業に関わることがメンバーにとっても利益や成長をもたらすと確信し、メンバーに事業の意義を熱く説いて動かす。全てはリーダーの気持ちと行動で決まるものなのだ。


そんなわけで、この二年間は組織論を学ぶ題材に飛んでいた。来年は再び委員長のお役目を頂戴するが、メンバーをしっかり巻き込んで、楽しくて充実した活動の場が提供できるように努めたい。

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