ニーズがあるから買うのではなく、お金があるから買うのだ。

お客様のニーズを把握して、ニーズに合った商品を提案せよ、とずっと言われて育ってきたので、タイトルのようなことを先輩から言われた時には正直相当のけぞった。でも、これはある面では紛れもない事実。


自分の消費行動を振り返ってみて欲しい。何かの買い物でレジに並んだとき、レジ横に置いてあるチョコレートやガムをついでに手に取ったことはないだろうか。それは本当にニーズのあった商品なのだろうか。

この時、買い物に必要な金額きっかりしか持っていなかったら、チョコレートやガムに手を伸ばすことらないだろう。でも、ちょっと財布に余裕があれば、そんなに食べたかったわけでない商品でもつい買ってしまうはず。

これはB2Cに限った話ではない。B2Cでも予算消化という行動がある。ちょうど今くらいの時期に、3月末までの予算が100万円余っている。すると、ホームページのページを増やしたり、ノベルティを追加で作ったりする。


お金とニーズの話で付け加えれば、お金に余裕のあるお客様は仕事の細部につべこべ言わない。それくらいの金額は使い慣れているから、とやかく言わずに任せてくれて、こちらも伸び伸び仕事ができる。

一方、虎の子のお金をかき集めて仕事を依頼してくれたお客様は、仕事の成果のハードルが上がりがち。清水の舞台から飛び降りる気持ちで仕事を発注してきているので、細かいところが気になってしまう。

これは良し悪しの話ではなくて、お客様の持っているお金に対する発注金額の大きさによって、ニーズの強さ・深刻さも左右される、ということ。


ニーズがなくても、お金があれば消費行動は起こる。ニーズがあっても、お金がなければ消費行動は起きない。さらに言えば、お金があるからといって、ニーズがあるように作文されることも多々あるのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?