前職の先輩から口を酸っぱくして言われたのは、「買ってください」と言えない営業マンが物凄く多いのだ、ということ。そんなわけないと思ったが、自分で営業の仕事をやってみると、思いの外、「買ってください」とダイレクトに言うのは恥ずかしくて難しい。

多くの営業マンは、「買ってください」とお願いする代わりに、「こういうところが他社と違うんですよ」と商品の良さを伝えたり、「今ならこんなにお得なんですよ」と価格の安さを伝えたりする。そして、「じゃあ売ってください」とお客さんが言ってくれるのを待っている。

何故そうなってしまうかと言えば、それは相手に断られるのが怖いからだ。「買ってください」とダイレクトに言って、「いいえ、買いません」と返されたらどうしよう。そんな不安が頭をよぎってしまうと、外堀を埋めるような情報提供に逃げてしまう。

でも、相手にやって欲しいことを明確にお願いしていないのに、相手が自分の期待通りに動いてくれる可能性は低い。相手がテレパシーを使えるわけはないのだから、買って欲しいなら買って欲しいと言わなくてはならないのだ。