着ぐるみさん、聖地に通いはじめる。そして……
着ぐるみ好きと作品・キャラクター好き
着ぐるみでコスプレをする人には、2種類いるのではないかと思っています。もともと着ぐるみが好きな人と、もともとは作品やキャラクターが好きな人です。
私はというと、もともとは着ぐるみに憧れていました。ですから、朝香果林も「着ぐるみで演じてみたいキャラクター」のひとりとして見ていました。
そして、着ぐるみを持っている人がこの先、着ぐるみをどう楽しむかについても、2種類あるのではないかと思っています。
ひとつは、いろいろな作品からいろいろなキャラクターの着ぐるみ面をお迎えする方向です。「普通の」コスプレでも、今週はこのキャラ、来週はあのキャラ……といった感じでさまざまなキャラクターに挑戦するコスプレイヤーもいらっしゃいますが、着ぐるみでもそういう楽しみ方はあるということです。
ただ、「普通の」コスプレはメイクと衣装で完結して、着なくなった衣装は売ることが比較的簡単にできるのに対して、着ぐるみは、面というちょっと厄介なものがあります。趣味に使う言葉ではないかもしれませんが、着ぐるみ面を多く持つことは、いわゆる「コスパ」や「タイパ」の悪さが目立ってしまいます。さらに、私の場合ですが、多くのキャラクターを知っていくだけの「キャパシティが自分にはない」のではないか、ということも考えると、この方向は自分には厳しいとも思っています。
もうひとつは、着ぐるみをきっかけに、作品やキャラクターを好きになっていって、一体の着ぐるみをより深く・より広く・より長く楽しむという方向です。
そして、私にとって性格が似ている果林はそれができるキャラクターでした(誕生日が一番近いのは栞子なのですが……)。
2023年、虹ヶ咲が盛り上がる
私が果林を知ったのはゲーム『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルALL STARS』(スクスタ)です。このゲーム自体は残念ながら、今年の6月30日にサービス終了してしまったのですが、虹ヶ咲というコンテンツ自体は、スクスタのサ終をカバーして余りあるほどの盛り上がりが続いています。
まずはお台場の地元の電車「りんかい線」のコラボで、期間限定でヘッドマークのついた電車を走らせたり国際展示場駅の駅名看板1箇所が「虹ヶ咲学園前」に変更されたり、りんかい線の駅に同好会メンバーの等身大パネル(スタンディ)が置かれたり、OVA『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 NEXT SKY』が公開されたり、東京ラーメン国技館 舞のラーメン店全6店とコラボした『ニジガクラーメンラリー』が開催されたり。
聖地お台場に足が向く
すると、私自身の足が自然と聖地お台場に向くようになりました。
直接のきっかけは、東京ラーメン国技館 舞のラーメン店全6店とコラボした『ニジガクラーメンラリー』でした。コラボメニューのラーメンを1杯食べるとブラインド方式でメンバーがランダムに1人プリントされたカードが1枚もらえて、6杯食べるとノベルティのレンゲがもらえるというもの。結局果林のカードは引けなかったのですが、最終的にはラリーを2巡したあげく、期間限定出店のコラボレーションショップでしずく脚本でマフィアの女ボス役を割り当てられたチャイナドレス果林のアクリルスタンドを買うに至りました。
ラーメンといえばカロリー。カロリー消費といえば運動。というわけで、運動を兼ねて、東京テレポート駅と国際展示場駅の間を歩くようになりました。「こういうところを虹ヶ咲の生徒は歩いているのか」と全身で体感することもできます。
すると、東京テレポート駅前の「Cafe HOP&STEPS」にも行くようになりました。「Cafe HOP&STEPS」はニジガクと公式にコラボしているお店で、アニメ2期で来店した彼方と栞子の等身大スタンド(スタンディ)もあります。メンバー全員のりんかい線駅員姿のタペストリーも常備されていて、BGMも虹ヶ咲がエンドレス。さらに、ニジガクエリア一帯のちょうど真ん中にあるので行きやすく、さらにさらに、アイスコーヒーがおいしいのです。聖地巡礼の拠点としてはこの上ない場所です。お台場に行くときは必ず寄るようになりました。
しかも、Twitter(現X)での投稿のおかげで、Cafe HOP&STEPSのお店の方にも「果林ちゃんの着ぐるみの中の人」として顔を覚えられました。
街コスイベントに参加
お台場はコスイベも多い場所です。9月18日にはアクアシティお台場とテレコムセンターで街コス形態のコスプレイベントがあり、私は、レインボーブリッジが見えるアクアシティお台場の方に参加してきました。
「聖地」でキャラクターになりきる気分は、格別です。私自身がどれだけ果林を理解しているかがとても問われますが、それはコスプレ本来のおもしろさのひとつ。そんなに肩肘張ったつもりはないのですが、サポートのwakuさんに撮影いただいた写真を見るに、再現度は抜群だったのではないかと思います。
「好き」を広げていく世界へ
着ぐるみの楽しみ方に、いろいろな作品からいろいろなキャラクターの着ぐるみ面をお迎えする楽しみ方と、ひとつのキャラクターを起点に世界に入っていく楽しみ方の2つがあり、私は後者を選んだ、という話をしました。
どちらの楽しみ方がいいか・悪いかという話ではありませんが、私自身は後者を選ぶことで着ぐるみから楽しみを広げていき、仮に果林の着ぐるみを着ることができなくなってしまったとしても、連続した世界をいろいろな角度から柔軟に楽しむことができるようにもなったのではないか、と思っています。着ぐるみへの興味からはじまり、朝香果林というキャラクターに対する共感を経て、そこから徐々に舞台となっている地元への理解を深めていっているのがいまです。
さて、虹ヶ咲に関しては、私が片フォローしているざっかりーさんのnoteがすごい情報量なので、この方向性の話の続きは、先にそちらを読んだ方がおもしろいと思っています。
一方で、今後私も同人誌を作ろう、と考え始めています。今度の冬コミ(コミックマーケット103)には応募済みなのですが、題材は……島寿司です。そう、果林の地元の味。着ぐるみから作品を、作品から作品世界を。
すでに取材は始めていて、もし冬コミに受かれば、着ぐるみから、いや、果林から、さらに世界が広がることになるのです。大変ですが、いまいちばん楽しみにしている計画は、実はこれです。