友の耳、母たちの耳(人と人を繋ぐもの)

「楽生超寿」(シニア層向けに、人生後半戦は楽しみを追いかけながら
気が付けばいつの間にか百寿(100歳)を超えてなお止まずの自分を見つめる姿勢)を世に問うて1年が過ぎた。
百寿山登りも7合目くらいだろうか、ここで一息入れこれからを展望するのも悪くないだろう。
「健康で長生きトリセツ」には、三浦雄一郎氏の御父上の敬三さんの主張する健康極意を最大限参考にしている。
その極意の1番目は舌と咽喉の運動(昔から言われたホムンクルス法である「舌・咽喉の刺激イコール脳活性化」に繋がるペンフィールド・ホムンクルス脳地図が示すもの)
2つ目は首の運動-朝起きて直後、首を回す運動、これは私自身気にする頸動脈にあるプラーク・サイズの管理(血流、血行促進)に合うものという気がする。
3つ目以降は放置状態。ちなみに3番目は鼻を通じた香り活用による「聴力改善」策だった。

聴力改善のための「香り呼吸法」。
右脳刺激の為、右の小鼻を手で押さえて、左の鼻で香りを深く吸い込む、鼓膜にまで香りがいき渡るように数秒息を止めて、口から息を吐く。
これを25回繰り返す。
私自身振り返ると、過去2回の人間ドックで聴力は4000ヘルツより高い範囲が聴きとれていない(へッドフォンを通して圧は感じるが「音」としてキャッチ出来ない)

銀行時代の10年先輩で今は兄貴のような感じでお付き合いをしている
S さんに触れる。
私が65-69歳までパキスタンのODAプロジェクト関与、事業終了報告をJICA本社に提示したと報告にいくと、彼はやんわり自分もモンゴルでODAプロジェクトに参加も突然難聴に襲われ、会議の話が分からなくなった。70歳の時だったがビジネスの現場から去ることを余儀なくされたと悔しそうに話してくれた。
もう御一方、T さんにも触れる。14年上の石油業界の方、銀行時代に3年出向した経産省系の財団勤務時の上司。この方は親父さんを65歳で亡くしており健康管理には人一倍気を使った。今も健康そのもの。
ゴルフ好きの方であるが驚いたのはTV聴く音量は12だという、
自分の家を見てみると20のレベル。60-70代前半の話であったと思うが我耳の衰えを言われたようで、心に残っていた。

難聴をググれば、どうしてもヘレンケラーの話が出て来る。
努力の天才の人であったが、時代の幸運も作用した。
金持ちの父親が全米の難聴に詳しいドクターを探し続け、なんと電話発明家グラハム・ベルと出会う。知らなかったが、ベルは母親の難聴対策を
父親と共同で進め「視話法」を開発。難聴者のための学校運営し、難聴者救済事業のパイオニアであった。彼の妻はこの学校の生徒であった。
ベルは多忙さから彼のお弟子さんの一人、サリバン女史をケラー家に派遣してからの物語は、映画「奇跡の人」(アン・バンクロフト、パテイ・デューク)で皆さんよくご存じのところ。
ヘレンケラーは、3重苦の中では、「聴力喪失」が一番大変であったと記録している。視覚障害は、主として「人と物」、聴覚障害は「人と人」の繋がりにとっての障害であったと。

時代は遡り、ベートーヴェンの難聴に触れる。大型のラッパ型補聴器を使いながら20代から始まる聴力低下の病と闘っていた。
聞けば人が音を聴くときには、外耳から鼓膜への伝音(気導)、中耳からリンパ液の振動にかえ脳までの感音のルートという複雑な構造を耳にお願いしている由。
ベートヴェンが、口に指揮棒を銜えて得意のピアノ鍵盤を叩きながら、あの名曲の数々を生み出した、骨導(頭蓋骨から中耳へとつなぐ)を活用していたという話だ。
ヒト族の難聴との止まない戦いがあったことにある種の感動を覚える。

さて、「百寿山」登りのほうだ。
SさんのODA途中リタイア話もあるが、自分自身2019年9月にパキスタンODAプロジェクト終了し帰国の際は、ONE MORE CHANCE(もう一回ODA案件にチャレンジし、出来ればアフリカ大陸の人材育成に捧げたい)と思っていたが、ご承知のCOVID19に遮られての不完全燃焼にある。
SさんのODA途中リタイアの無念を晴らし、且つ私自身の夢実行のため
健康長寿を実践し、百寿なる歳までに再度ODA挑戦、アフリカ大陸へ行こうと勝手に心で決めている。

Sさんには、日本の優れた医療技術革新で何とか補聴器革新が実現し、より
高性能の人口耳を使えるようになってほしいと願う。
彼曰く高価な補聴器を使用しているが、実態はといえば
仲間内の対面会も10人の場になると正直皆の会話を聴きとれていない、
相手が2-3人がいいところだと教えてくれた。
ヒト族は今や改めて月に人類を運ぶ時が来ている。人と人をつなぐ大事なツールの補聴器の技術革新も何とか推し進めてもらいたい。

ホムンクルス脳地図では、舌と指のことは有名だが、耳と脳の関係はあまり語られていない、しかし
今や聴力と認知症の関係は明らかだ。
94歳でなくなった義母。おしゃれ志向で補聴器を最後まで使わなかった。
ワイフ曰く、それで認知症が早まった由。
また実母には東北の田舎のこともあったのか、補聴器利用等考えになかった時代。80過ぎて認知症になる前には相手の会話が聞こえていなかったシーンが度々あったこと思い出す。
今、85歳までに二人に一人は発症する認知症だが、その確率は女性が40%台、男性が30%台とデータが教えている。

聴力検査で高音部分が聞き取れていないと認識した自分としては、
「健康超寿」師匠の三浦敬三氏の教えである「香り呼吸法」を早々に
実践すべく、
2019年帰国時パキスタン土産としてもらい家で放置したままの
EDGE(EAU DE PARFUME)」の瓶を取り出し、
敬三師匠伝、教え聞かずに申し訳ないと呟きながら、毎朝パキスタン製の香り25回かぐことを、朝のルーチンとしたところである。
効果があるようなら又いつかご報告させていただく。


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