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僕の目には写ルンです

昨日7月1日は、写ルンですの日だったらしい。ちなみにこの写真は、随分前に富士フイルムさんと一緒に作ってみた、『NATURA CLASSICA』風に変身する紙カバー装着『写ルンです』。

さて、いつまでこの『写ルンです』って言葉が通じるんだろう? と、びくびくしだして早や5年、いまでもコンビニに行けばちゃんと置いてあるんだから、たいした商品だなあと感動する。僕の知らないところできちんと需要があるのだ。きっと。

『写ルンです』が生まれたのは1986年。当時は環境への意識も低かったはずだから、誰が言い出したのか、90年代にかけて使い捨てカメラという呼び方が定着してしまった。いまとなっては、どうしようもない呼び方だけど、当時の時代の空気のなかで、人々はそこにとてもワクワクしたんだと思う。だから僕は決して悪い呼び方だとは思わない。それどころか、実際はそこまで使い捨てじゃなかったものを「使い捨て」と呼ばせたその戦略は、なかなかに的を射たものだったとさえ思う。

しかし時代の変化にうまくチェンジ出来なかった『写ルンです』は、実は「使い捨てカメラ」ではなく、世界一、循環生産システムが成功しているエコなカメラであり、正式名称は「レンズ付きフィルム」なのだということを、うまく説明出来ないままここまでやってきてしまった。なのにまだコンビニにきちんとあるというこの事実。

子供に持たせてもすぐに使い方を理解できるし、カメラが手許にのこらないゆえの気軽さもあるし、ぶっちゃけ仕組みがシンプルだから壊れないし、『写ルンです』の良さは沢山あるけれど、それをいまここで声高に叫ぶのも違うような気がしてきた。

ちなみにそういうことを伝えなきゃと必死になってた頃もありました。こんな記事つくったり↓

http://fotonoma.jp/kotoba/vol02/index.html

そして僕は今朝、久しぶりに『写ルンです』を買いました。だって、コンビニの最下段に並ぶ『写ルンです』が、「フィルムが好きで、写真が好きでこの会社に入ったんだ俺たちは!」っていう富士フイルムのベテラン社員さんたちの力強い「売ルンです!」に僕の目には『写ルンです』。

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