今年を振り返ろうと思ったら10年振り返っちゃったはなし。

 大晦日だし、今年の振り返りエントリーを書くぞ、といろいろ思いを巡らせていたら、終わる平成ムードのせいか、バカみたく2009年まで振り返ってしまった。まあ、どんな事象も因果応報だけれど、今年の僕は、2009年からのはじまりの一つの帰結点なのかもしれないと思っている。

 2009年ってのは僕が雑誌Re:Sをやめた年で、そのとき僕がはじめたのがtwitterだった。2009年まで振り返ったってのは、単純にツイログで過去のツイートを見返したということだ。

 そこにあったのは紙の雑誌をめぐる、古い考え方や、仕組みをすっかり変えてくれるだろうデジタルへの期待と、テクノロジーの進化に対するワクワクした気持ちだった。

 2010年8月16日20時51分。
 きっとフォロワーも数百人くらいだったであろう僕は、なにかのはじまりの喧騒にまみれて、こんなツイートをしている。

「熊本のみなさーん! いま現在 阿蘇山方面にむかってくるまをはしらせている本渡市内あたりの Re:Sチームです。 どなたか 今晩泊めてくださる方おられませんかねぇ」

 そして2時間半後の23時15分、一枚の写真とともにこうつぶやいている。

「平田さん家 到着! そしていきなり グリーンラベル! 幸福すぎるー!」

 無論、平田さんというのは、まったく初対面の人だ。そのときのやりとりのスクショを。

 僕はいつから、こうやってテクノロジーに体を預けることから身を引いちゃったんだろう。Re:Sをやめて、ジャニーズのお仕事したりして(ご存知の通りゴリゴリにネットリテラシー低いからね)、さらに今度はその対極にあるような、泥まみれアナログ取材な『のんびり』をやっていたことも大きいかもしれない。

 だけどいろいろあって、2016年に僕はウェブマガジンの『なんも大学』をはじめた。

 そんなときに僕はこいつらに出会った。

 ヒラク柿次郎この二人については、以前こんなエントリーを書いているので、それを読んでもらえると嬉しい。

 自身のblogをガンガン活用して、次々にあたらしい世界を拓いていくヒラクと、『ジモコロ』に『BAMP』に、新しいネットメディアを次々カタチにしていく柿次郎。とにかく僕は彼らに出会って、久しぶりにインターネットに、SNSに、向き合うことをはじめた。

 だから僕にとって今年は、それを加速させた一年だった。

 ふつうの歩みじゃない編集者という自覚はあるものの、それでもなんだかんだで紙媒体で生きてきたので、僕はネットリテラシーみたいなものが、世代的な問題も含めて、低いと自覚してきた。いやもちろん職業柄、まわりの同年代よりはリテラシーがあるとは思うけれど、それって一番勘違いしやすいというか、実際諸先輩方が紙媒体編集の切れ味自慢みたいなのを、ネットでやってるのみて結構辟易してるので(我ながら言い過ぎ)、僕も下手すると「おいどうだ、この刀いいだろ?」って言い出しかねない不安がつきまとっていたゆえ、僕はもうほんとガチでピッカピカの一年生になりたいと思ってた。

 それで今年(2018年)のはじめに、柿次郎を秋田に呼んだ。それは、僕が引き受けておきながら、完全に秋田チームにその運営を任していた『なんも大学』に自分自身がライターとして参加すると決意したからだ。

 逆によくぞ二年間一文字も書かなかったもんだ。でもそれくらい僕は「オイラがやっちゃダメだ」と思ってた。そこで柿次郎にいろいろと教わった。さらには、『ジモコロ』でも書かせてとお願いして、ジモコロライターデビューもした。柿次郎のさらに後輩の鳥井弘文くんが運営する『灯台もと暮らし』にも寄稿させてもらったりもした。もう学び以外なかった。

 とにかくぼくは今年、結構ネットメディアに立ち向かったと思う(あくまで自分のなかでだけど)。


 ということで、なんだか前段が長かったけれど、ここから『なんも大学』で書いた僕の記事をまとめてみる。ほんとはこれがやりたかったの。はい、ちょっとテンション変えるよ。

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 まずはつらつらと書いた今年の僕の決意みたいな記事がこれ。自身が編集長を務めながら一文字も書いてこなかった僕が、いよいよ自ら記事を書いたやつ。ぶっちゃけ柿次郎から学んだことを全部ぶちこんだよ。

 おかげさまでこれが大反響だった。それもこれもネイガー自身がフォロワー9万人と、SNSをうまく活用している代表格だったので、取材とかこつけて僕はさらに、学んでやろうと思っていたのだ。

 そして次に書いた記事は、とあるフレンチレストランシェフと居酒屋大将の記事。これは一昨日のnote記事「関係人口の次」にも書いたけれど、ローカルで本質的に未来を考えれば考えるほど、異端児になっちゃう現状をメディアの力で打破できないか? と思って書いた記事だ。

 お二人のチカラになれたかどうかわからないけれど、大尊敬する鳥取県智頭町のパン屋タルマーリーさんなど、じゅうぶんやれているように見えるローカルのスター飲食店さんからも、嬉しい反応をたくさんいただいた。ちなみに、この「地元の理解者不足問題」は、デジタルの進化でこれからどんどん解決していくと個人的に思っている。

 つづいての記事は僕のというか『なんも大学』今年一番のヒット記事だ。

 いわずもがなの金農フィーバー便乗エントリー。しかしここに吉田輝星くんはでてこない。このフィーバーを機に、農業高校というスタンダードについて知ってもらいたいと思って書いた記事だ。世の中が、吉田くん!吉田くん!と言ってる隙に、野球部にほぼ触れない記事をつくった。これがありがたいことに予想を超える反響で、最終的にはなんと紙媒体化されて配られるという、なんとも不思議な状況にまで発展した。

 そして今年最後に書いたのがこの記事。

 実は日本酒絡みのエントリーっていうのは、これだけ日本酒ブームとかいわれても、他のジャンルと比べるとあまり反響がよろしくない。けれど僕個人としては今年一番学びの多かった記事で、実際これは日本酒の造りの話ではなく、これから僕たちどうやって生きてく? っていうドストレートに未来をみた記事だから、ほんと読んで欲しいんだよなあ。これはその一つの回答になってると自負しています。

 とまあ、今年はぼくなりにとてもチャレンジングな年でした。とはいえ、来年は力み過ぎずに、のんびり、楽しんでいこうと思います。あぁ、終わっちゃいますね、今年も。あらためて、みなさんお世話になりました。noteの定期購読いただいている方も本当にありがとうございます。みなさんなんというか、対価がどうというよりも、応援してくださっている気持ちを、定期購読としてあらわしてくれているんだなあと、日々感謝しています。
僕もそうありたいと思います。

 ここからは定期購読をいただいているみなさんに、感謝をこめてプレゼント企画です。福袋ならぬ、福封筒というのを用意しました。僕が旅の途中に撮った写真プリントや、ワークショップ参加者だけに渡している特製ZINE。そして僕がかつて作っていたフリーペーパーなどを込めた封筒です。以下のフォームから住所などお送りください!

 みなさん良いお年を〜!

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藤本智士(Re:S)

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Re:S note(りすノート)

2006年に創刊した雑誌「Re:S(りす)」編集長の藤本智士が、いまあらためてお届けする、あたらしい“ふつう”のnote「Re:S」。 日々のこと。旅のこと。地方のこと。編集のこと。 記事アップは月4回以上かなぁ。
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