自分のモノサシ もってますか?

 多様性が叫ばれ、さまざまな価値観に気づくことができる世の中は大歓迎だけれど、そういう時代で楽しく生きるために、いよいよ必要になってくるのは、自分のモノサシだ。それがたとえマイノリティであったとしても、自分の確固たる価値観を持っていれば、他人のことも認め合えるはず。自分のものさしは、あくまでも自分だけのものだから、自分のものさしで5cmなものが、他人のものさしでは10cmかもしれない。そもそもメモリの基準が違うのだ。

 それを「こっちが正しい!」「いや、君こそ間違っている!」と議論するのは不毛。「そっちはそうなの?! こっちではこうだよ!」「違うって面白いねー」ってなれば、もう平和しかないよね。

 けれどそれは、あくまでも自分のものさしがあっての話だ。なければ、他人のものさしに合わせるしかないから、いろんな人のいろんなものさしに翻弄されて「あの人は5cmなのに、この人は8cm?」「あーわけがわかんねー!!!」ってパニクるに違いない。でも、そんな世の中にすでにもうチェンジしてる。

 だからいま、一番カッコ悪い言葉は「そんなことも知らないの?」だ。でもまわりにはそんなおじさんがまだいっぱいいる。参った。だからこそ自分のものさしをもって言ってやろう。「それは先輩のものさしであって、わたしのものさしはまた別なんです」と。

 でも待って! そのものさしは、定規じゃないほうがいい。定規は大抵、ものを測るより、線を引くために使われる。こんな世の中でやたらとまっすぐ線引きするのは横暴すぎる。もはやパワハラだ。それよりも心のものさしは、もっと柔軟なメジャーがいい。真っ直ぐだってのびるけど、ときに、カーブにも寄り添えるメジャーがいい。

 心のものさしは、言い換えれば美意識だ。その人それぞれの美意識。ビジュアル系バンドが好きな女の子たちは、バンギャとしての美意識を持っているし、築地の目利きたちはそれぞれの美意識のもとで魚を選ぶし、ZOZOTOWNの前澤さんの100万円プレゼントに手を挙げるも挙げないも、それぞれの美意識だ。

 もしあなたが、そういった美意識の象徴としてのものさしを持ちたいと思うなら、こういうものさしがいい。人間の技と自然が共生する美しい伝統工芸のメジャー。例えばこんなもの。

 秋田が誇る工芸品、樺細工のメジャー。3,996円。

 びっくりした? これはステマ。「藤本さん、やっぱり良いこと言いはるなぁ〜」みたいな気持ちを誘いながら、最終的にモノを売ろうとしてる。

 だけど! だけど僕は本気だし、嘘は書いてない。実は原価率が高すぎて残念ながらもう生産していないこの樺細工のメジャー。20個ほどあった在庫を全部僕が買い取った。それもこれもこの価値観をわかってくれる人に買ってもらいたいと思ったから。

 だからこんなことになっちゃった。

 良かったらこちらも読んでね。この記事の冒頭に出てくるのがこのメジャーです。

 ほんとオススメです。



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やばい、うれしい……
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藤本智士(Re:S)

編集者。1974年兵庫県在住。『Re:S』『のんびり』編集長。著書に『風と土の秋田』『ほんとうのニッポンに出会う旅』共にリトルモア、『魔法をかける編集』インプレス。『ニッポンの嵐』『るろうにほん 熊本へ』など手掛けた書籍多数。

Re:Standard goods

旅する編集者、藤本智士がお勧めするモノたち。
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