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03.移住定住、上から見るか? 横から見るか?

 人口減少少子高齢化のトップを走る秋田県に限らず、日本中の地方が、まるで募金を呼びかける子どもたちのように、移住定住! いじゅうていじゅう! イジューテージューお願いしまーす! と声を上げているけれど、いいもわるいもダウンシフトな時代のなかで、みんながおんなじことを叫ぶことに対する違和感に、当事者のみなさんは、そろそろ気づいた方がいい。

 そんな各地方の役所の、特に人口問題対策課のみなさんにオススメなのが、「日本文化の形成」宮本常一(講談社学術文庫)

 日本列島に広く住んでいた縄文文化人が、高い文化や武力をもった大陸からの移住者のもと、どう抗い、またどう収斂されたかを知れば、いまみなさんが声高に叫ぶ「移住定住」と、宮本常一が言う「移住定住」との、言葉のスケールの差に気づいてもらえると思う。

 移住定住を同じ目線で横から見ることも大切だけど、上から俯瞰してみることで得られる気づきもきっとある。自著「魔法をかける編集」(インプレス)にも書いているけれど、減るからこその豊かさについて、そろそろみんなで知恵出しあいましょ。




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