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ベトナムで1年間働いて来て今思う事

まだ1年だが、長かったような早かったような。

仕事で来ているので、会社を任されている個人的な意見としては1年で多くの事が身についたし、ビジネスの幅も広がってきたと思う。

この地で働くという事は、ベトナム人と働くという事だ。

つまりは、ここが1番難しい所ではないかと思う。

私は未だにベトナム人を表面的な印象でしか理解していないだろう。

勿論、文化や言語も違うし、同じ時を生きていても時代が違うと思う。

例えるなら、今のベトナムは日本の高度経済成長期があてはまるのではないだろうか。

日本の高度経済成長期1955年~1973年がそれにあたる。

その頃の日本は経済成長率が10%を超え、大いに活気がる成長市場であっただろう。

戦後の復興で多くのビジネス、多くのサービスや製品が生まれ、人口も増えて行き、日に日に国が豊かになってゆく感じだったのだと思う。

今のベトナムがそんな感じではないだろうか。

勿論、成長のきっかけや市場規模の違いは多々あるが、国民感情的には近しいと推測する。

だが、現在を生きる日本人とベトナム人では平均生産能力には大きな差があるのは間違いないだろう。

ASEANの成長は基本的には先進国の投資による急激な成長であり、自国のリソースで育っていない為、国民(民度)がある意味経済成長スピードに全く追いついていない。

特にベトナムの教育レベルの低さは深刻な問題だと思われる。

いうなれば、マラソンでアメリカや日本が自分たちの脚力でトップに上り詰めたのに対して、ベトナムは第3者に無理やり手を引っ張られてトップに追いつこうと無理やり走っている感がある。

当然、そのせいで足の縺れやギャップが出てくるのだ。

私は、とある会社のPRでタイとベトナムで同じイベントに出店をした。

そこで、来場者の行動観察や多くの定性データを取るうちに、タイ人とベトナム人を比べても大きな差があると感じた。

ベトナムはタイより20年遅れている。これはアジアでビジネスをしているとよく聞くが、まさにその通りだと思う。

例えば、タイ人は効率やクオリティを求めるフェーズになっているのに対して、ベトナム人は安いか無料サービスが重要である。

タイ人はある程度列に並ぶが、ベトナム人は絶対並ばない。とかも見ていて思う。

いわゆるFIT層と呼ばれる、個人旅行者もタイは多いが、ベトナム人はまだまだ団体旅行で安いLCCでいかに多くの観光地を弾丸で回ってこれるかが訴求ポイントとなる。

今後、もっと市場と国民が成長してくればタイのように優先順位が変わってくるのだろう。


では、ベトナム人と働くという事はどういう事か。

私の会社のように小規模だと1人あたりのスタッフが最低限マルチタスクでないと務まらない。生産能力の低さは比べても仕方がないのだが、ベトナム人は記憶力が低いと感じる。

それは、この国で割と優秀な人材での話である。

私の友人のフランス人弁護士はこの地のアメリカ資本大手弁護士事務所で働いており、多くのベトナム人弁護士と日々業務をこなしているが、話を聞くと2000ドル~4000ドルを貰う高給取りスタッフでも、複数の事が重なると頭で処理できずにパニくってしまうのだと言う。

そして、彼らは予測という対処が全く出来ないのも大きな特徴だ。

もし、ベトナムで現地従業員をマネジメントする、もしくは一緒に働く事があれば、貴方が予想している事もベトナム人も予想しているだろうとは絶対に思わない方が良い。多少ウザがられても、何度かリマインドしてあげると良いだろう。

東南アジアで、事業規模に対して、従業員が多いのは単純に生産能力が低いあである。

例えば、フイリピンのスーパーではレジに3人居る事が多いのだが、1人は商品をバーコードで読み取り、1人は商品を袋に詰めて、もう1人はキャッキャッ笑っているか、どちらかのサポートをしている。

これで、日本の1人でこなすレジの3倍は遅いのだ。


私はフイリピン、タイ、ベトナムと赴任当初は現地スタッフに育ってもらいたい気持ちもあり、色々と教えながら日々の業務をこなしてきたのだが、ある程度覚えてきた頃には辞めて行くので、最近では人材に会社のリソースを注ぐことや、人材で会社のサービスが賄うようなシステムを極力作らないようにしている。

つまり、いつスタッフが辞めても困らない状態を作っていく事が非常に重要である。

ベトナム人からすると、ジョブホッピングは普通のなので、すぐに辞めるしバックレるのであるが、これは文化なので割り切るしかない。

となれば、責任者がいかに会計処理やら現地の総務的な動きや、サプライヤー・パートナー開拓をしてゆくことが重要となる。私の場合は1年で、仮にスタッフが辞めて1人となってもそこまで困らない状況は作れている。

この状況を作れるようになるまでにはある程度時間がかかるが、私の様にベトナム語が全く話せなくても、1年でここまでは出来る。困るのは、プリンターの点検や書類を届けに来た配達員等が何を言っているか全く分からない事や、急にローカルの事業者に連絡を取るとき位であるが、いざとなれば助けてくれる英語か日本語が出来るベトナム人を何人か知っておくと良い。

都合が合えば、バイト代でスポットで手伝ってくれたりする。

また、若い世代のベトナム人の尊敬できる事もある。

例えば、起業精神が強かったり、とりあえずスモールビジネスを始めてみたり、投資してみたり、仮に失敗しても大して気にしなかったり。ここは、日本の若者にはなかなか無い精神ではないだろうか。日本は起業で失敗するとマイナス評価だが、海外では起業で失敗しても逆にプラスの評価になったりする点も大きいだろう。

失敗したっていいじゃん!とりあえず、やってみよーぜ!的な精神は非常に尊敬できる。


それと、もしベトナムで本気でビジネスを考えていたり、長く就労するのであれば、ベトナム語は話せると非常に強い

なぜなら、この国ではコネがあれば何でも出来るのだ。

政府関係者や警察関係者と繋がると大きな強みとなる。

本来できない事が出来るのだ。本来は許可が下りない事も出来たり、輸入出来ないものが出来たり、長い時間がかかる申請がすぐ通ったり、そのメリットは非常に大きい。

例えば、私のアシスタントのお父さん(元警察)が口利きしてくれるおかげで、私はベトナムで大型バイク免許が取れたりする。

ベトナムも深く入り込めると、面白い部分が色々あるが、日々のストレスもまだまだ大きい。


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