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漆器どんぶり生活 はじめに

はじめに

おかず一品につきひと皿、そして取り皿、たれを付ける小皿、お新香の皿、お茶碗、汁椀.......

母は、決まってたくさんのお皿を用い、それなりに盛り付けをして食事を出してくれた。

いくつもの器に収まった料理はどれも美味しく、見た目も美味しく魅せる秘訣である。見習いたいと心がけて来たものだ。

さて、実家を出て一人暮らしを始めたとき、母を真似て器を駆使し、なるべくおかず一品をひと皿に盛るを意識した。

.......が、仕事してくたくたになって帰っておかずを作って盛り付けて食べ、たくさんのお皿を洗って、片付けて、そして明日のお弁当の算段と仕込みをして、早起きしてお弁当を作り、朝食も盛り付け.......

ある日、糸が切れた。

それは当時の仕事が辛くて辛くて、辞めるかどうか真剣に悩んでいた時分、結婚を意識していた彼に唐突に別れを告げられたときだ。

もういい。

たくさんのお皿に盛り付けるのも、洗うのも、片付けるのも、それが幸せだと思ってして来たけれど、満足して自分を大事にするつもりでやっていたけれど、研究家でもプロでもないのに、時間を使ってそれを毎日毎日するのが、辛い。

そうだ、元々焼肉のときも餃子のときも、結局ご飯に直のせして食べてしまって、それも美味しいと感じるわたしじゃないか。

お皿を美しく使う日本文化もあれば、おかずとご飯が一緒になった丼物だって、日本文化の真骨頂のひとつじゃないか。

崩壊した現実と共に、張り詰めていた気持ちも崩れてしまい、そんなこんなで、わたしの丼メシ生活が徐々に始まった。

やってみると、わたしにはとても楽で、尚且つ幸せだった。

これは、丼の可能性をひたすらに開拓する、自分のための記録である。

そして、毎日丼を無理に使ってますと言う話でもない。お茶碗と汁椀とお新香用の小皿や、おつまみの皿を楽しむ日だってある。

それから、栄養がどうとか、盛り付けがどうとか、カロリーが、糖分が、炭水化物が、グルテンフリーが、などと言ったことにこだわらず(そういうことや断食などはしたいときに勝手にしている故)、女子のメシかよと突っ込まれるかも知れないが、そういうことはよそで求めて頂ければありがたい。

わたしがここでログりたいことは一点、丼を使ったメシが美味かったということのみだ。

そして、次回はわたしのパートナーである丼、マイ丼の紹介をする。

もしもこのマガジンを読んで、あなたもあなたのマイ丼を持とうかな、と思ってくれたら幸いである。

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