見出し画像

【レポート】Diversity Drinks 第4弾「LGBT×障がい」

こんにちは。ReBitにボランティアスタッフとして参加している、あこと申します。昨年11月に開催されて大好評だったDiversity Drinks第3弾に引き続き、今年最初のDiversity Drinksである、第4弾「LGBT×障がい」に参加してきました。
前回同様、今回もとても学びの多い内容だったので、イベントの様子を私の感想と合わせてご紹介させていただきます!

「Diversity Drinks」とは?

それぞれの立場や課題を横断して、「誰もが働きやすい職場」についてワークショップ形式で考えるイベントです。
お酒やソフトドリンクを飲みながら、登壇者と参加者が一緒になって、ダイバーシティ&インクルージョンについて学べる空間になっています。
恵比寿のamuというオシャレなスペースで開催され、ちょっとした非日常感も味わえます。

第4弾の今回は、デプサポ代表の牧野友香子さんをお招きして、「LGBT×障がい」というテーマで開催されました。

知らないところで誰かが悩んでいる

まず冒頭に、登壇者の薬師さんと牧野さんから、LGBTや障がい者の方々の現状についてのご紹介がありました。
牧野さんは、ご自身も重度難聴の障がいをお持ちで、そのご経験を踏まえたエピソードなどもお聞きすることが出来ました。

LGBTも難聴も、いわゆる一般の人との「違い」が一見しただけでは分からないのですが、日々の生活や仕事をしていく中では、大小の困難が所々で発生します。

<LGBTの方々の場合(例)>
・更衣室や宿泊研修の部屋はどうすればいいだろう。
・大切なパートナーの看病のために休暇が欲しいけど、家族じゃないから言い出せない。
<難聴の方々の場合(例)>
・みんなが雑談の中でなんとなく理解し合っている前提が分からない。
・字幕のない、音声のみの説明ビデオなどの内容が分からない。

ちょっと分かってもらえるだけで楽になれるかもしれないけど、周囲に言えず一人で抱えたまま、我慢して諦めてしてしまう、そんな苦しさが伝わってきます。
でも、こういう苦しさって、LGBTや障がいのある人達に限った悩みなのかな…?どんな人でも、少なからず思い当たることがあるんじゃないか…?
お二人のお話を聞いているうちに、そんなことに気づかされました。

「想像すること」から生まれる力

次に、Diversity Drinksの醍醐味であるグループワークに移ります。

「月2回くらい必ず遅刻してくる同僚がいます。どんな理由が考えられるでしょう?」

というお題から、様々なディスカッションを進めていきました。
グループワークのチームの人達と想像力を広げて考えてみると、実に様々な可能性が思いつきます。
たとえば、身体・体調の問題、モチベーションやスタンスの問題、家族やパートナーの事情、交通網の事情などが考えられます。
遅刻という「事象」だけに注目して見ていると、「この人は時間を守れないダメなやつだ!」と思えてイライラしてしまうかもしれませんが、理由や背景次第では、まったく見え方が変わってきます。
少しの想像力で、自分の心の持ち方も変わりますし、相手の息苦しさも緩和されるかもしれません。
身近な人の言動に、違和感や疑問を感じる、ということは、誰にでも経験があると思います。そんな時に、少しだけ自分の想像力を使ってみると、何かが変わるのではないでしょうか。

「言ってほしい」と「聞いてほしい」

こうして改めて、「想像すること」の大切さを実感したわけですが…。
では、その同僚が遅刻してくる本当の理由は何だったのでしょうか?
その理由を踏まえた上で、同僚はあなたにどんな対応を望んでいるのでしょうか?
そう、どれだけ想像しても、結局真実が何なのかは、本人に聞かないと分からないんです。

どうしたら同僚の本当の気持ちを知れるでしょうか。
あなたは、同僚から「言ってほしい」と思うかもしれないけれど、同僚は、あなたに「聞いてほしい」と思っているかもしれません。
さらには、同僚がどの程度まで深掘りして聞いてほしいと思っているのか、というのも大切な問題です。

こういったコミュニケーションの「さじ加減」は、一定の信頼関係が成り立っていないと上手く測れません。
困った時に、お互いに「実は…」と伝えられる関係性を、意図的に作っていくことが重要なのだと思いました。

はじめのうちは、定例で「雑談の時間」を作ってみるのもいいかもしれない。
まずは自分から、「実は…」を言ってみる勇気も必要。
想像力を使って相手の立場を理解し、頭ごなしに否定しないようにしたい。

グループワークの中でも、沢山のアイディアが出てきました。

誰もが過ごしやすい環境は、身近な10人を理解することから始まる

LGBTって、どういう人達のことなの?
聴覚障がいの人はどんなことに困っているの?

そういった知識を勉強して得ることは、とても重要なことです。
​なぜなら、相手を思いやるための想像力の幅が、大きく広がるから。
しかし一方で、LGBTであれ障がい者であれ、その他の「普通の人」であれ、具体的にどんなことに悩んでいてどうして欲しいかは、一人ひとり違います。それは、「LGBTとは」とか、「障がい者とは」といった大きな枠組みではなく、その人「個人」と対話しないと理解できません。

「個人」に焦点を当てて理解するというのは、一人で行うには数に限界があります。でも、みんながそれぞれ、自分の近くにいる10人の「個人」と理解し合って、お互いが気持ちよく過ごせる環境を作る努力ができれば、世界が少しずつ良くなっていくんじゃないだろうか。

そんなことを考えさせてもらえた、Diversity Drinks 第4弾でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?