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盆栽の樹形(懸崖・半懸崖)

盆栽愛好家の皆さん、こんにちは。
今回は、前回の続きとなる盆栽の樹形「懸崖・半懸崖」についてお話したいと思います。

■懸崖・半懸崖とは
根元から立ち上がった幹が、下に屈曲して懸垂しているものを、懸崖・半懸崖と呼びます。
懸崖は、幹の枝先が鉢よりも更に下に垂れ下がっているのに対し、
半懸崖は、幹の枝先が思い切って下がらず、根元とほぼ同じくらいの線上にあるものを言います。

いずれも、厳しい自然環境の中で断崖絶壁にしっかりとしがみつき、長年の間風雪に耐え抜いてきた様子を表します。
自然の厳しさを最も表現できる樹形と言っても過言ではないでしょう。

懸崖

半懸崖

↑画像の1つ目が懸崖、2つ目が半懸崖

■どんな鉢に合わせるか
懸崖・半懸崖の盆栽は、正方や丸、輪花と言われる深めの鉢に植えられることが多く、樹種や幹の力強さによって、どの形状の鉢に入れるかを決定します。
例えば黒松の力強い懸崖ならば正方ですし、もみじの柔らかい半懸崖ならば丸や輪花といった感じです。

また、自生の姿を表現できるため、石付きなどにも良く合います。
石付きでいくつかの樹種を寄せ植えにする場合は、自生の標高を意識して合わせるとより自然に表現できるでしょう。例えば日本でいうと、比較的標高の低いところに自生するもみじや長寿梅、サツキなどを同じ鉢に寄せ植えする、といった感じです。

■樹造りのポイント
樹作りのポイントとしては、主幹の流れと落ち枝のバランスが重要になってきます。
味のある落ち枝は、よく見えるようにひとつの棚(葉のかたまり)として作ってえあげると良いかと思います。

落ち枝1

↑画像の①が主幹、②が落ち枝

自然の厳しさを表現できる懸崖・半懸崖。
ぜひ皆さんも、お手持ちの盆栽でチャレンジしてみてください。

植物再生工房ReBonsai

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