アイスクリームフィーバーを観、アイスクリームフィーバーを観たその後の女の子達のストーリーを観た感想

映画「アイスクリームフィーバー」という作品を観たのはかなり前だったので、既に私の血となり肉となっていた。つもりだった。
まだじゃん!全然、糧にしていないじゃん!忘れてたじゃん!思い出した。一気に。

そうだ、そうだった。
私たちが主役だ。
私が、私たちが。
なんて素敵な作品なんだろう。このアイスクリーム記念日を視聴した数分で思い出した。嗚呼、確かに。「アイスクリームフィーバーは女の子を応援するメッセージが沢山詰まっている映画です」というあの言葉は、本物であった。そのことを思い出せた。
違和感があったんだ。女優さんの訴えを切り抜いて、インパクトで惹き付けて、注目を集めて、沢山読ませるのが。社会の問題とか色んなキーワードに絡めて発信されている事に。

千原さんは、映画をデザインした。何年もかけて、本当にした。映画監督をやってくれだなんて、誰にも頼まれていない。といいながら。
https://note.com/chiharatetsuya/n/n6815bf98db6c
その賜物を目の当たりにしたな。面白かったな。俳優さんってすごいな。あのシーンが良かったな。ちゃんと、映画鑑賞をエンジョイした。また一つ、コンテンツを消費した。じゃこじゃこ音を立てて、キャラメルが絡んだポップコーンを食べてコーラを飲んで。汚いゲップこそしないものの、ベタベタの指先を誤魔化すようにして紙ナプキンを使った。そんな感じ!そういった事を映画館でできて気持ちがいいなぁという感覚だけが残っていた。

そんなんじゃなかったじゃん。私が観てグッときた所って。「共感してるよ」「共感できるでしょう?」の押しつけがなかった。「そんな人いるかなぁ」「ずいぶんと個性が強いんだね」「なんか、すごいね笑」登場人物の個性やキャラクタや行動はそう受け取る人が多そうな気がした。咄嗟に、気になっている人を追いかけてしまう店員さんとか。涙を溜めながら、自分かどうかだから。と啖呵を切ってしまえる大人だったりとか。行き当たりばったりな人探しに乗り出してしまう学生だったりとか。「そんな事できないよね。現実では、なかなか」そんな声が聞こえてきそうなのに。それはまあ、映画ですから。物語、お話、ですから。
それなのに「あ、私が大切にしたいことを思い出せたよ」「そうだよね。やっていいよね」「人がどう思うかじゃないよね、人生はさ」「ウチら女性、頑張ってるよね。戦ってるよね」ぼんやりとそう思えた。サラダをつついたりする姿に。ピアスをねだったり、つけたり、人を欲しがってみたり。大事な場所を守ろうとしたり。仕事で一生懸命耐えていたりするひとつひとつに応援された。

驚いた。そんな映画や、キャラクターの姿を追っていると応援されている気持ちになれるなんて。応援してばかりだから、一体全体私はいつおうえんされるのだろう。というモヤモヤが晴れた。

いつだか〝世はまさに、大共感力時代!〟といった文章を記憶しているくらいに、今は如何に「まんま、アタシの事じゃん。これ、アタシの物語じゃん!」って思わせないといけない、みたいな風潮が確かにあるから。それがほんのりと余地を残してくれているのが、このアイスクリーム記念日という短い動画の物語に当たるのかもしれない。その補完でさらに引き立ったのかもしれない。

これは女の子を応援している映画だった。


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