52 入りたくなる店の条件 53 入りたくなる飲食店の条件 54 「自分ひとりくらい・・・」

◆ 52 入りたくなる店の条件
「プロパー」で買い物を楽しむお客様が「入りたくなる」店の条件をまとめます。
1.きちんと感がある
・時計、宝石、BAGなどに見られるように、高級感がある
・エステ、美容などは、安心感が求められます
・品揃えの間口が狭い場合には、商品の豊富さが信頼や専門性につながります
2.季節感(話題性)がある
・基本的に、「買い物」は楽しさを体験するものです。季節ごとの「旬」感を演出している店が好まれます。他店との違いが大切です
3.カラー印象で惹きつける
・色が伝えるメッセージは強烈なものがあります。赤は強さ、黄色は元気、紫は特別感などです。店が、こういった「色」のメッセージを活用すれば、記憶に残る店としてブランディングされます
4.潜在意識に働きかける
・とくに女性は、目的買いとは違い、「買い物」している時間そのものを楽しみます。ですから、「なんとなく、なにかが欲しいなぁ」という気分があります。その潜在意識に働きかけるものがある店は記憶に残ります。ハンカチーフなどの小物類、雑貨などはまさにこのジャンルです。
5.おもちゃ箱をひっくり返した楽しさ
・若者に人気のドンキホーテなどは、整然と整理整頓された売場ではなく、計算された雑然さがあります。迷路をあるく楽しさにも通じます。ヴィレッジバンガードも同様の魅力を持っています。

◆ 53 入りたくなる飲食店の条件
飲食店も競合が多いのですが、繁盛する店に共通する条件があります。
1.繁盛しやすいロケーション
・飲食店に関しては、やはり立地という条件が大きく売上に影響します。
2.名物メニューがある
・売りにしているメニューがあるか、どうかも大切な条件です。メニューはたくさんあるが、記憶にのこるものがないと繁盛はむずかしい
3.サプライズがある
・他の店とは違うなにかがある。たとえば器が大きくて、量が多いなど、なにか一つ、他の店とは違う特徴が欲しい。これが名物メニューになっていくこともしばしばです
4.高いリピーター率
・飲食に関しては、はやり最終的には「味」が決め手になります。「美味しい」から、また利用するというとてもシンプルなことを実現できるか、どうかです
5.ほどよい混雑感
・繁盛店ですから、「混んでいる」わけですが、いつもいつも混雑状態だと、実は徐々に足が遠のく場合があります。かといって、客がまばらな店は味がいまひとつということです。一番難しいのですがほどよい混雑感が維持されるのが望ましい

◆ 54 「自分ひとりくらい・・・」
ある村では、豊穣を祈願する祭りで大きな酒樽を割って、みんなで分かち呑む行事がありました。その年、村は不作貧乏に見舞われ、酒樽を買うお金がなく困っていました。
長老の一人が、「そうだ、1人ひとりが茶椀一杯の酒を持ちより、樽に詰めよう」と言い出し、全員が大賛成。
祭りの当日、酒樽には十分な酒が集まりました。これでいつものように祭りができると、長老たちは胸をなでおろし、村民たちに酒をふるまい始めました。
豊穣を祈って、酒を口にした瞬間、みんなの口から、驚きの一言が飛び出します。
「なんだ、これは酒じゃねえ」
「ただの水だ!」
「水だぞ!」
そして、シーンと静まり返った祭り。
長老の一言に賛成したにもかかわらず、自分ひとりくらいはいいだろう、わからないだろうと、酒ではなく水を注いだものがいた。しかも、村民、全員がそうだったという寓話です。
同じようなものに、綱引きの話があります。そう、運動会の綱引き。みんな懸命に力を振り絞っているように見えます。けれど、測定をすると、引く力×人数分の総和にはならないという実験結果がでています。つまり、だれかが手を抜いているということです。これも、自分1人くらいという甘え。
この小さな甘えが、誰の心にもあるのです。人間とは、そういうもの。誰もが目標を持ち、強く生きられるものではないということです。それを受け止めて、どのように働きかけるか?そこに仕事の知恵が生まれます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?