23 ソマティック・マーカー 24 ミラーニューロン

◆ 23 ソマティック・マーカー
ソマティック・マーカー仮説というのは、アントニト・ダマシオというアメリカの脳神経学者が提唱している、心とからだの関係性についての仮説です。
詳しいことは省略しますが、「驚いたから身体が硬直するのではなく、身体を硬直する反応が起きたときに、過去のマーカー(栞)から記憶を探り、驚きとして認識する」という考え方です。
ここでは、学説云々ではなく、この仮説の考え方を接客・マネジメントに活用することを提案します。
人の脳は、超超高性能コンピューターで演算速度は素晴らしいものです。処理しているすべてのデータを記憶していたら、きっと疲れ果ててしまうでしょう。ですから、私たちの脳は、「忘れる」という自動処理をしています。大切でないこと、関心の低いこと、すぐに必要ではないことは、記憶から削除していきます。ただし、デスクトップから削除されるだけで、脳本体のデータは消えていません。これが、マーカー(栞)によって呼び出されるのです。
人は、事実に出会ったときに、「感情」がゆらぎ、「思考」が働き、「行動」を選択するという手順をとります。でも、もとをただせば、「感情」をゆらす「データ」が、「身体」の反応記録として記憶されているということになります。事実にたいして身体が示した反応をマーカーが呼び出している!
お客様が、「このスタッフは自分にとって心地がよい」「相性がいい」という記憶を残すマーカーを作れば、ファンになってもらえるということです!!!
誰かを好きになるのは、性格や経歴などの後付けの理由ではなく、ある行為、所作をみた瞬間に身体が反応するということです。この脳のしくみを活用しましょう!
お客様の心を揺さぶる、記憶に残る「一瞬」をつくる!


◆ 24 ミラーニューロン
霊長類などの高等動物の脳内で、自ら行動するときと、他の個体が行動するのを見ている状態の、両方で活動する脳細胞のこと。
他の個体の行動を見て、まるで自分が同じ行動をとっているかのように、鏡のような反応を起こすことから名づけられました。
1992年に、イタリアのジャコモ・リッツォラッティのチームが発見しました。
他人がしていることを見て、我がことのように感じる、共感(エンパシー)能力のことです。
あくびがうつる。
泣いている人を見ると、哀しくなる。
赤ちゃんを見ていると、元気になる。
料理番組を観ていると、おなかがすいてくる。
みんなミラーニューロンにしわざです。他人の感情を自分のことのように感じることができるのです。
相手のしぐさを真似ているうちに、相手が心を開いてくるのも、これが理由。
夢を語ることで、夢への想いが強くなるのは、自分の声を聞くことで、脳が追体験をするからです。
接客でお客様を相手にするときも、マネジメントでスタッフと向かい合うときも、ミラーニューロンをフルに活用しましょう。
成功したければ、できるだけ成功した人と一緒にいる時間を増やしましょう。接客が上手になりたければ、上手なスタッフの傍にいる。
反対に、愚痴ばかり言う人と付き合っていると、いつのまにか自分も不平、不満が増えますから気をつけましょう。
自分の気分がよくなることに目を向ける、心を寄せるのがポイントです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?