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デザイナーを目指しているなら知っておきたい。今、注目が集まるUIデザイナー・UXデザイナーという職業 vol.1

UIデザイナー、もしくはUXデザイナーという職業を耳にしたことはあるでしょうか。IT業界に限らず各業界で求められているこの職業は、みなさんが思っている以上に身近なものです。

今回は、UIデザイナー・UXデザイナーがなぜ求められているのか。そして、UIデザイナー・UXデザイナーが何をしているのかを知っていただきたいと思います。

1.なぜ必要とされているのか

あらゆる製品やサービスに溢れた現代は、従来のように「ものを作れば売れる」という時代ではなくなりました。消費者を観察し、本質的なニーズに沿ったものを作ることで、初めて手にとってもらえる時代において重視されているのが「体験」です。

消費者はスペックや価格だけではなく「どんな体験を与えてくれたか」という部分で優劣をつけるようになってきています。そういった時代背景がある中で、サービスを通して得られる“体験”をどのようなものにするか、またどう作り出すかという点を重要視する企業が増えてきています。

この“体験”をデザインするために欠かせない存在となっているのが、UXデザイナーやUIデザイナーと呼ばれる人たちです。
では、「UI」「UX」とは一体何なのでしょうか。

UI

UIはユーザーインターフェース(User Interface)の略称です。ユーザーインターフェースとは「ユーザーと製品・サービスの接点となるもの」のことを指しています。よく分かりやすい例として「ユーザーとアプリケーションの接点」であるスマートフォンに表示される画面が紹介されますが、UIは本来もっと広い範囲のものとして捉えることができます。

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「ユーザーと製品・サービスの接点となるもの」ですから、もちろんデジタル化されたものに限りません。例えばユーザーとポテトチップスという製品の接点となるものは何でしょう。パッケージや置かれている棚、地元のコンビニ等、実はこれらすべてがUIなのです。

UX

UIがユーザーと製品・サービスの接点となるものである一方で、UXは概念です。
その概念とは、ユーザー体験(User Experience)と呼ばれる「利用者が製品やサービスを利用する前から利用後までに体験することすべて」のことを指します。

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ある飲食店予約サービスを使って自分の目的にあったお店を見つけることができたユーザーが「参考になる口コミや写真が多く、予約が早くて便利だ」と感じたとします。
これも立派なUXですが、このサービスが提供しているUXはもっとたくさんあるはずです。みなさんは飲食店の予約をした際に以下のような経験をしたことはありませんか?

・予約サイトへのログインが手間に感じる
・写真と実際の来店時の雰囲気が一致していなくてびっくりした
・サイトのメニューに注意書きがなかったのに目当ての料理がディナータイムでは注文できないことを来店してから知り、がっかりした

UXとは「利用者が製品やサービスを利用する前から利用後までに体験することすべて」のことですから「サイトに訪問して、予約をする」ということの前後に起こる、上記のような出来事、そしてその時に何か感じたという体験すべて含めて、このサービスが提供するUXなのです。

2.具体的な作業内容の例

正直なところUIデザイナー・UXデザイナーが行う作業の範囲やその方法は、画一的に決められてはいません。というのも、UIはUXを提供する1つの手段に過ぎないので、UIデザイナー・UXデザイナーがデザインするものはすべて、最終的に提供したいUXを実現するためにデザインされていると言うことができるため、はっきりと担当箇所を線引きすることは難しいのです。

しかし、今回に限ってはUIデザイナー・UXデザイナーが行う作業を大まかに掴んでいただくため、一例としてスマートフォンアプリケーションの開発に関わるUIデザイナー・UXデザイナーの作業内容を紹介していきたいと思います。

UIデザイナーの場合

アプリケーション内で操作される情報の構造設計から、実際の画面に表示されるグラフィカルなデザインまでを行います。

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この時、理想的なUXを提供するUIのため、あらゆる場面で使いやすさ(=ユーザビリティ)を考慮したデザインを求められます。

UXデザイナーの場合

アプリケーションが提供したいユーザー体験がどのようなものであるかを定義し、それを実現する機能やシステムを設計していきます。

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↑カスタマージャーニーマップの例

そして同時に、想定したサービスそのものや機能・システムによって提供され体験がユーザーにが本当に求めているものであるかを常に検証し、精度を高めることが求められます。

3.どんな人がなれるのか

冒頭の通りUI、そしてUXは様々な人にとって身近であると言えます。UIに接したことがない人はいないし、UXを体感したことがない人も、またいないはずです。
つまり「どのようなユーザー体験が好ましいのか」「ユーザビリティを感じられるのはどのような状態を指すのか」といったUIデザイナー・UXデザイナーに必要な感性はすべての人が持っていると言っても過言ではありません。

こうした感性に敏感であることに加えて、UIデザイナーであれば「ものを作ることにこだわりを持ち楽しさを感じられる人」、UXデザイナーであれば「人に対して好奇心を持つことができる人」が向いていると言えるでしょう。

4.さいごに

今回はUIデザイナー・UXデザイナーという職業がどのようなものであるかをご紹介しました。近年では美術系ではない学部を卒業された後に、UIデザイナー・UXデザイナーとして活躍している方も増えてきています。みなさんそれぞれのきっかけでUI、UXに対する興味が深まった結果、そうしたキャリアを歩まれています。

とはいえ「興味があってもUIデザイナー・UXデザイナーになるために具体的に何をしたら良いのか」「本当に美術系の大学に在学していなくてもUIデザイナー・UXデザイナーとして就職できるのか」と不安に感じる方は多いと思います。

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