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電子通信の海技士試験の案内を見てもよく分からない、という方へ

こんにちは、徒然です。船舶の現役の通信士のわたしが無線関係のnoteを作成しています。今回はわたしも実際非常にわからなくて困った、『電子通信の海技士を受ける時の案内がよく意味がわからない』ということについて、実際の案内を見ながら説明していきたいと思います。(トップの表は無線従事者免許がどの海技士資格に対応しているのかの表です、Rが通信/Reが電子通信、数字が級です。1総通は強いなー😦)

まず、電子通信に必要な無線従事者資格の説明はわたしの以前のnote、『船舶の通信士のなる為には一体何をどうしたらいいのか』シリーズ①ー⑤をご覧ください🤗。(とりあえず3海通を取れると良いですね、↓リンクです)

そして、各海通などの無線従事者免許と海技士(電子通信)はどう違うの?というのはこれまたわたしのnote、『無線従事者資格と無線系の海技士の違いとはどこにあるのか?』をご覧ください。(↓リンクです🤗)

⛴まずはわたしの実体験から。わたしは最初に取った3海通の後は2陸技(陸上無線技術士:通信の技術操作の分野の免許)を取り、3海通→2海通の全科目免除、その後1海通、1陸技、1総通を取得しました(一番難しかったのは2陸技です)。最初の3海通を取って最後の1総通を取るまで丸2年、その間に4級海技士(航海)も取得しました。よくあんなに勉強できたな…と思うものの、今無線従事者の試験問題を見ると全く解けそうもなく🥵あれななんだったのか???と不思議に思うばかりです。(申し訳ないですが、試験問題やその対策が今の仕事の知識にはあまり活かされてはいないですね、残念ながらそういうもんです😰)

当時わたしが4級航海を運輸局に申請しに行き、海技士が出来上がるまで少し時間があったので海技士の試験案内を眺めていた時のことです。(海技士に通信とか電子通信とかあるな−…これなんなんだろう、わたしの1海通とどう違うんだろ?)と思うも、全くわからないので運輸局にいた職員に聞いてみました。

👩‍⚖️『あのー、この電子通信でどういったものなんでしょうか??』
💁🏻‍♂️『ああこれ?無線従事者は総務省の免許。これは電子通信は国土交通省の免許!はいこれあなたの海技士出来ました!』
(????全然意味わからんね〜…それでどう違うの?????)、これで終わり。まあそもそもそんなことも知らないでよくも1海通取る気になったよな、というのは非常におっしゃる通りではありますがこの説明もかなり何も知らない人には相当厳しい。。。結局その後当時の会社に行き、外航時代に局長経験されていた嘱託の初老の男性に詳しく教えていただきました(その方は乗船時代は局長、その後例の大手の信号所勤務、定年後地元に戻ってきて外国船バンカーのエージェントが必要な時に来てもらうといった、英語ペラペラの方でした)。

というわけで今後、電子通信の海技士を取得する人が(まぁあまりいないかもしれないけど…)案内を見て、全然意味わからない、なんかよくわからないからそのままにしておく…ということがないようにきちんと案内の説明をしたいと思います。

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↑はこの2月に行われた海技士試験の日程表です(関東運輸局の案内)。まず海技士の各級ごとに試験日程が違うのですが、通信/電子通信は初日のAMです。これはほぼ決まっています、今後もおそらくそうでしょう。
試験前ですが、運輸局の海技資格課にて対応の無線従事者資格、船舶局無線従事者証明書の確認が行われます。記憶では申請の時に無線従事者免許のコピーを添付したような気がしますが、当日までに一度無線従事者免許の確認が必要です(当日でもOK、わたしは当日の試験前の確認でした)。
その後、試験前に試験官の前での『身体検査』。これは屈伸したり腕を回したり…、検査官の指示に従い体を動かします(これは何も難しい指示はありません、バク転しなさいとかはないw)。海技士試験を受ける際には事前に所定の身体検査を受けることが必要ですが、その事前の身体検査とは別に、当日もう一度身体検査があります。骨折など怪我して指示の動きが出来なかったらどうなるんでしょうね?(多分、不合格になるだけでしょう、そういう時はまた次回受けたらいいですよ🤗)
5級航海以上がある方はここで実際の『航海一般』の筆記試験は免除になるのでここで終了(わたしもそうでした🙂)、筆記試験ある方はこれらがあってから試験開始となります。

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↑次にこちら、とある海技士系のサイトにあったものです。
『2.海技士(通信)及び海技士(電子通信)の学科試験は筆記のみです。』これは以前のnoteで説明した通り、通信/電子通信の海技士試験には海技士でお馴染みの口述試験はありません。その分無線従事者資格の資格ないと受けれませんよ、です。
『4.海技士(通信)及び海技士(電子通信)の学科試験は、身体検査に合格しなければ受験できません。』これは、先ほど述べた通りです。当日の筆記試験前に身体検査をしてから筆記試験です。
『6.海技士(通信)及び海技士(電子通信)の資格についても、規定に応じて筆記試験の免除を受けることができます。』通信/電子通信の筆記試験の免除は5級航海以上です。筆記免除は確かにありがたいですが、はっきり言って2海通以上の無線従事者試験の方が圧倒的に難しいです。海技士試験を受けるということは無線従事者資格を合格しているということなので(あれに比べたらこれくらい合格できて当たり前だ😶)くらいの気持ちでいきましょう。

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↑続いてこちらです。
『(1)受験年齢:海技士(通信/電子通信)は17歳9ヶ月以上に達していなければ受験できません。』とあります。そもそも海技士免状を取得できるのは18歳以上からです、17歳9ヶ月とあるのはよく分かりませんが、、、
(2)は通信/電子通信の資格は合格すると海技士資格保有者になります。航海/機関は筆記試験に合格しても必要な講習や乗船履歴を付けて、口述試験に合格しないと海技士資格になりませんが、通信/電子通信の筆記試験はこの口述試験と同じように講習、履歴をつけてないと受けることができません。
航海/機関と筆記試験と同じように、通信/電子通信に必要な無線従事者資格は年齢制限はありません。
(3)には受験には船舶局無線従事者証明書が必要ですよ、と書いてあります。これも無線系の海技士に必要なので海技士講習の1つと言えます。他にも受験には消火講習、救命講習が必要です。(5級海技士以上お持ちの方は、この消火/救命講習は受講しているはずなので再度受ける必要はありません)

というわけで、通信/電子通信に必要な資格要件のおさらいです。
必要な3海通などの無線従事者資格+6ヶ月の乗船履歴(部署は指定なし)+船舶局無線従事者証明書(講習です)+消火講習、救命講習。はい以上です(年齢は17歳9ヶ月以上)
5級航海以上をお持ちの方は筆記試験は免除です、もちろん当日は試験会場まで来て身体検査をパスできるくらいの健康な状態で来ないといけませんので注意してください😥

というわけで今回は案内をもとに海技士試験の詳細を説明しました。通信/電子通信の海技士試験は現役の航海士の方でも必要がなければあまり知られていないような内容であり、非常にわかりづらくできています。知らないとなんとなく怖いですよね(わたしもそうでした)、無線従事者免許を海技士にしたい方は参考にしてください。

TKS BIBI OUT

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