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【デッキガイド】ボロスソプター【ヒストリック】(2023/05環境)

 こんにちは。皆さん今月のアリーナ予選はいかがでしたか?私は予選ウィークエンド1日目5-2で終了でした。2日目行きたかった……

 本記事では私が半年ほど使い込んでいるヒストリックのボロスソプターについて解説します。これを使って毎月ミシック1200位以内に入っており、最高戦績として2022/11予選ウィークエンド2日目4-2まで行くことができました。
 私が2日目まで行けた当時とは環境が変わっていますが、今でも十分戦えるデッキです!

1.デッキ解説

 ボロスソプターはアーティファクトシナジー、特に飛行機械シナジーを活用して速やかに相手を殴りきるアグロデッキです。
 相棒ルールスを使用する関係上、2マナ以下のパーマネントしか使えませんが、それらがシナジーすることで相手の3マナ4マナにも力負けせずに戦っていけます。

 また、単純なアグロのように見えますが、様々な勝ちパターンがあることも特徴です。

  • 1tから4/4を量産してビートダウン

  • 飛行機械を《魅知子の真理の支配》でパンプして空から一撃必殺

  • 複数の《改良式鋳造所》で盤面を固めて圧殺

  • 除去で相手の攻め手を挫いてから悠々と殴る

 場の状況を見て向かうべき勝ちパターンを選択することで、相手の妨害をかわして勝利を手にしましょう!!

 ちなみに、2022/10時点の記事ですが、下記サイトはボロスソプターの理解に非常に役立ちます。
 私はこれを読んでボロスソプターを始めました。

2.カード解説

2.1 メイン

《改良式鋳造所》

このデッキのキーカード

 これ1枚では3ターンかけて計3マナで4/4を作り出す悠長なカードですが、飛行機械を用意できる場合は4番目の能力でマナなしで4/4を作り出すことができます。
 このリストには飛行機械を生み出すカードが計12枚入っていますので、これで毎ターン4/4を繰り出して速やかに殴りきるのが基本プランです。

 また、チャンプブロックしたトークンを生け贄に捧げることで、こちらへの被害はゼロでアタックを耐えることができます。相手を減速させてロングゲームに持ち込むことも可能です。

《羽ばたき飛行機械》

飛行機械その1

 単品では0/2飛行でまったく打点に貢献しませんが、《改良式鋳造所》により、1tに4/4を出すことが可能になります。

 ほかにも様々なカードと下記のようなシナジーがありますので、これをうまく使い倒せるかどうかが重要になってきます。

  • 《魅知子の真理の支配》で空から大ダメージ

  • 2tに《巧妙な鍛冶》をパンプアップ

  • 2tに出した《ヨーティアの宣戦布告》の第2章の打点を上げる

  • 《夢の巣のルールス》で0マナで墓地から唱えて《改良式鋳造所》で毎ターン4/4生成

《ヨーティアの宣戦布告》

飛行機械その2

 第1章で《羽ばたき飛行機械》生成、第2章で除去、第3章で4/4の一時的アタッカー作成とすべてが強いこのデッキ2番目のキーカードです。
 先読により使う能力を選択できることが特徴で、どうしても除去したいクリーチャーがいるときは第2章から、リーサルできるときは第3章から入ります。
 特にいきなり第3章から入れば、クリーチャーがいない場面でも急に打点が4増えますので、油断してタップアウトした相手を咎めることができます。

 メインに赤のカードはこれだけですが、タッチする価値は十分にあります。これ使うためだけに一般的なアゾリウスではなくボロスを選択しています。

《逆刺の棘》

飛行機械その3

 2マナ2/1飛行の時点でぎりぎり及第点ですが、さらにアーティファクトカウントが2枚分増える、《改良式鋳造所》で4/4にもできるとメリットが豊富です。
 
 特に《ヨーティアの宣戦布告》と相性が良く、第2章のダメージを2点分上げたり、第3章を《逆刺の針》本体に使うことで合計5点分のパワーで攻撃できます。

《模範的な造り手》

このデッキにおけるデルバー

 このデッキには2t目に出せるアーティファクトが28枚入っているので、1t目に出せばほぼ確実に2t目に3/2として殴りに行けます。

 パワー3が偉く、ウィザード達や《波の巨人、クルシアス》が立っていても殴りに行けるのでかなりダメージを稼いでくれます。

 毎ゲーム毎回序盤から《改良式鋳造所》で4/4生成できるわけではありませんので、追加の打点としてとても頼りになります。

《エスパーの歩哨》

ヒストリックの白系アグロの常連

 相手の展開を阻害し、アーティファクトカウントも稼ぎ、たまに《ヨーティアの宣戦布告》第3章で4/4になってダメージも稼いでくれます。

 ただ、単体では打点が低いのであくまでサポートといった立ち位置になります。相手がもたもたしている間に他のクリーチャーで速やかに殴りきりましょう。

《ポータブル・ホール》

ヒストリックだと除去したい2マナ以下は結構多い

 序盤はできるだけマナを使い切ってクリーチャーの展開を優先したいですが、これは1マナと軽く展開を阻害しないのがありがたいです。
 大抵は下記のものを追放します。

  • 《ラノワールのエルフ》などのマナエルフ

  • 《ランドヴェルトの大群率い》などのゴブリン

  • 《戦慄衆の秘儀術師》などのウィザード

  • 《調和の神童》などのシャーマン

  • 《アトランティスの王》などのマーフォーク

  • 《縄張り持ちのカヴー》や《タルモゴイフ》などの4/4を止められる生物

  • ベルチャーや不屈の独創力の宝物トークン

《影槍》

伝説なので1枚

 +1/+1、トランプル、魂絆のそれぞれが下記のとおりいい働きをします。特に下2つが《魅知子の真理の支配》との相性が非常に良いです。

  • +1/+1:4/4に装備することで《黙示録、シェオルドレッド》などのタフネス5を乗り越える

  • トランプル:チャンプブロックでの時間稼ぎをさせない

  • 絆魂:アグロとのダメージレースを崩壊させる

《巧妙な鍛冶》

このデッキでアドをとれる確率はだいもんじ以上じゃれつく以下

 1番目の能力でアドをとれますが、このデッキのアーティファクト・カードは24枚で、単純計算すると成功率は87.9%です。まあまあ外します。

 2番目の能力で毎ターン1ずつサイズアップできます。これは相手ターンにも誘発しますので、《改良式鋳造所》を相手ターンに起動すればさらにサイズアップできます。たまに相打ち上等のアタックやダメージ除去をシャクれます。

 どちらの能力も長期戦で役立つ能力で、序盤のビートに失敗したときはこのカードが頼りになります。

《魅知子の真理の支配》《魅知子の肖像》

アーティファクトカウントを稼ぐのはこれのため

 第1章第2章でアーティファクトカウント分パンプアップでき、このデッキであれば大体+5/+5程度、うまくいけば+10/+10も狙えます。
 序盤は地上の4/4でライフを削り、盤面が膠着してきたところで今まで0/2でフワフワ浮かんでいただけの《羽ばたき飛行機械》をパンプして空からとどめを刺すのがよくある勝ちパターンの1つです。

 第1章での奇襲はよく決まりますが、第2章は警戒されて除去を当てられてしまいますので、可能であれば第1章だけでとどめを刺しましょう。2枚の《魅知子の真理の支配》で第1章を重ねられれば理想です。

《ゴバカーンへの侵攻》《光盾の陣列》

頼れる新顔

 相手の手札を見て1枚を追放しコストを2増やします。時間がたって土地が並べば唱えられてしまいますが、それまでに相手を倒せば問題ありません。

 守備値が3というのもありがたく、4/4だけではなく《模範的な造り手》でもワンパンで裏返せます。

 《光盾の陣列》は飛行機械と相性が良く、毎ターンサイズアップが狙えます。起動型能力も《兄弟仲の終焉》や《至高の評決》対策になります。

 また、自力で墓地に行けるため、《夢の巣のルールス》がいれば唱えなおせます。これを使いまわすことができれば相手の心を折るには十分でしょう。

《平地》《聖なる鋳造所》《感動的な眺望所》《戦場の鍛冶場》《針縁の小道》

色マナ源は15枚

 2tに《ヨーティアの宣戦布告》を出したいことも多いので、赤マナ源は多くとっています。
 また、序盤のタップインは許容できませんので、これらの土地を採用しています。

《ダークスティールの城塞》

初出は2004年

 《ヨーティアの宣戦布告》と相性が良く、第2章でタップしてダメージ上昇、第3章で4/4破壊不能としてアタックできます。
 《兄弟仲の終焉》では破壊されませんが、《神聖な粛清》では追放されます。

 メリットは多いですが無色しか出ず起動型能力もないので3枚採用にとどめています。

《ちらつき蛾の生息地》

これも初出は2004年

 起動すると1/1飛行のアーティファクトクリーチャーになれます。普段はただの土地ですのでソーサリー除去は当たらず、全体除去で更地にされた返しに《魅知子の真理の支配》の力を借りて相手を殴り倒すことがよくあります。

 しっかり召喚酔いしますので、殴るつもりがあるのであれば早めに出しておきましょう。

《マイコシンスの庭》

マナフィルター能力はあまり使わない

 ほぼほぼ5,6枚目の《改良式鋳造所》としての採用です。長期戦の場合は《改良式鋳造所》の枚数が勝利に直結しますのでこれで水増ししましょう。

 《ポータブル・ホール》をコピーしても新たに戦場に出るわけではないので能力は誘発しません。注意しましょう。

 以上で土地22枚中無色土地は7枚です。若干多いですが、どれも有用な土地ですのでこの枚数としています。ただ、無色しか出ずマリガンを強要されることもあるので(今回の予選はこれで負けました)、無色土地の枚数は要調整です。

2.2 サイド

相棒《夢の巣のルールス》

場に出すまでトータル6マナの価値がある

 消耗戦になった時の心強い「相棒」です。主に以下の使い方をします。

  • 《羽ばたき飛行機械》を毎ターン戻して4/4生成

  • 《ヨーティアの宣戦布告》を戻して第2章から入って毎ターン除去&一時的な4/4生成

  • チャンプブロックorアタックした《巧妙な鍛冶》を戻してアド稼ぎ

  • 除去回避のために生け贄にささげた《光盾の陣列》を再利用

 また、効果的に使うために以下の点に気を付けましょう。

  • できるだけほかのクリーチャーに除去を使わせてから出す

  • 《思考囲い》《コジレックの審問》で抜かれるのを防ぐため、唱えるタイミングが来るまでは手札に入れない

  • インスタントで割り込まれて除去されると呪文を唱えるタイミングがないので、場に出したら優先権を渡さずに墓地から呪文を唱える

  • 相手が《皇国の地、永岩城》を構えている可能性がある場合は攻撃しない

《トーモッドの墓所》《魂標ランタン》

定番の墓地対策

 定番の墓地対策ですが、それぞれ良さがあるので1枚ずつ散らして採用しています。

《真髄の針》

これも定番のサイドカード

 主にベルチャーやゴブリン(《ゴブリンの損壊名手》《群衆の親分、クレンコ》対策)、ケシスコンボに投入します。たまにアゾコンにも入れます。

 ミラーで《改良式鋳造所》を指定すると自分も起動できなくなるので注意しましょう。

《ガラスの棺》

除去もアーティファクトを採用

 追加の除去が欲しいときや《ポータブル・ホール》で除去できない3マナクリーチャーを除去したいときに入れます。
 ちなみにこちらはクリーチャーしか対象にとれません。

 除去したい3マナクリーチャーは大体以下のとおりです。

  • ジャンドミッドレンジの《波の巨人、クルシアス》《暗黒時代の後継、ジャーシル》《キキジキの鏡像》

  • マーフォークの《海と空のシヴィエルン》《メロウの騎兵》

  • アゾリウス親和の《練達飛行機械職人、サイ》《湖に潜む者、エムリー》

追加《ゴバカーンへの侵攻》

 3マナ以降に脅威が出てくるようなミッドレンジやコントロールに対して追加します。

《静寂をもたらすもの》

対ゴブリン・人間最終兵器

 ゴブリンや人間など、ETBに頼っているデッキ相手に投入します。ちゃっかり絆魂がついていますので、殴り合いになった場合でも《魅知子の真理の支配》の力を借りてダメージレースを崩壊させます。

 《巧妙な鍛冶》とはディスシナジーですので気を付けてください。2番目の能力も非クリーチャーでないと誘発しなくなります。

《血の裏切り》

ナーフ前は《衝撃的な悪戯》でした

 パクト系はいろいろありますがアーティファクトカウントが増えるこれを採用しています。不屈な独創力デッキでデカブツを出された際の返しで奪って殴ることを想定しています。が、今まで決まったことはありません。
 プロテクション(クリーチャー)の《セラの使者》を奪って全軍攻撃とかしたいですけどね。

《力ずく》

赤マナ1つがえらい

 自軍に被害が出ない複数アーティファクト除去であり、同型やアゾリウス親和に対して入れます。これらのデッキはあまり当たりませんが、これ1枚でかなり有利になりますので枠をとっています。

2.3 惜しくも選外

《ギラプールの希望》

追加の飛行機械

 5枚目の《羽ばたき飛行機械》であり、自身を生け贄にささげることで《沈黙》系の妨害ができます。《夢の巣のルールス》で使いまわしもできます。

 ですが、攻撃が通らないと効果を発揮できず、その効果も1ターン限定ですので、似たような役割ですぐ効果を発揮し持続性のある《ゴバカーンへの侵攻》を優先しています。

《マナの税収》

白い《魔力の乱れ》

 これで全体除去を弾ければほぼ勝ちですが、《至高の評決》には無力なこと、《兄弟仲の終焉》や《神聖な粛清》といった3マナ全体除去は1マナ浮かすことが容易なこと、常に1マナ立てているとバレることから非採用としています。
 ちなみに《エスパーの歩哨》とは相性が良く、相手が歩哨税を払ってフルタップした際に追加で課税して打ち消すことができます。

《邪悪を打ち砕く》

《ガラスの棺》に入らないデカブツに

 主なあて先は《黙示録、シェオルドレッド》《偉大なる統一者、アトラクサ》《セラの使者》《悪斬の天使》《一時的封鎖》ですが、そもそも出される前に《ゴバカーンへの侵攻》で追放したほうが良いので選外です。
 後から引いても使えるのはメリットですが、あくまで受けのカードというのもデッキにあっていないように感じます。

3.プレイの指針

3.1 基本プランとサブプラン

 基本はアグロであり、序盤から最高打点をたたき出すことを目指します。
1tから4/4を継続的に出せばそうそう止まりません。パワフルなボディで相手を圧倒しましょう。相手に対処を迫り続ければフルタップの隙が生まれ、《魅知子の真理の支配》での重い一撃が決まりやすくなります。

 マリガン判断は厳しくはないですが、初手と相手を見てどのようなプランで勝利を目指すかを判断する必要があります。再掲すると下記のとおりです。

  • 1tから4/4を量産してビートダウン

  • 飛行機械を《魅知子の真理の支配》でパンプして空から一撃必殺

  • 複数の《改良式鋳造所》で盤面を固めて圧殺

  • 除去で相手の攻め手を挫いてから悠々と殴る

 上記の1番目が基本プラン、2番目が基本プランの派生形、3番目は基本プランとサブプランの中間、4番目がサブプランです。大きく括れば1,2番目は短期決戦、3,4番目は長期戦です。
 そのため、各ゲームで短期決戦か長期戦かを決める必要があります。

3.2 Who's the Beatdown?

 ここで大事なのが「Who's the Beatdown?」という考え方です。

 私が説明するより上記記事を読んでもらったほうがわかりやすいと思うのでまだ読んだことがない人は読んでみてください。簡単に言えば、相手のデッキに合わせて攻める(ビートダウン)か受ける(コントロール)かを考えましょう、ということです。

 基本的には、自分より遅いデッキ(アゾコン、5Cドメイン)にはビートダウン、自分より早くクリーチャー除去が効くデッキ(エルフ、ウィザード、ゴブリン)にはコントロール、ミッドレンジ(ラクドス、ジャンド)には手札に応じて立ち回りを変えることになります。

 ただ、このデッキは本来アグロですので、コントロール的立ち回りをしていたとしても、相手が事故ってそうであったりリーサルへの道筋が見えてきたりしていたら方針転換して速やかに殴りきるようにしたほうが勝率はいいです。

3.3 キープ or マリガン?

 それでは下記の手札についてみていきましょう。

手札1

キープ

 上のような手札が理想で、1,2tでの4/4生成が確定しています。1t《改良式鋳造所》《羽ばたき飛行機械》、2t《ヨーティアの宣戦布告》、3t《巧妙な鍛冶》で後続を呼びつつビートダウンしましょう。

手札2

キープ

 《改良式鋳造所》はありませんが、これなら十分ビートダウンできます。1t《模範的な造り手》、2t《模範的な造り手》《エスパーの歩哨》、3t《ポータブル・ホール》でブロッカーをどかして《魅知子の真理の支配》で重いパンチをお見舞いしましょう。

手札3

キープ

 このような序盤から殴れない手札が来た場合は長期戦を想定します。
1t《改良式鋳造所》、2t《巧妙な鍛冶》、3t《巧妙な鍛冶》《影槍》で《巧妙な鍛冶》を育てつつ、盤面に合わせて《ポータブル・ホール》か飛行機械を探しに行きます。
 《マイコシンスの庭》で《改良式鋳造所》をコピーできれば、自分と相手のターンで《巧妙な鍛冶》を育てられるようになります。

手札4

相手によりキープ

 手札3以上に打点がありませんが、相手に相棒ルールスが見えていたり、2ゲーム目以降で相手がウィザード等の序盤から展開するデッキだとわかっていればキープします。
 除去で相手を減速させつつ頑張って《改良式鋳造所》を引き込みましょう。

手札5

これはマリガン

 打点が全くなく、除去1枚でコントロールプランも取れそうにないのでマリガンします。

手札6

相手によりキープ

 土地1でしかも無色しか出ませんが、1t2t連続して4/4が出せます。また、色土地が1枚くればさらに4/4を展開できます。
 しかし、先手2tに色土地を出せる確率は約30%、後手2tの場合は約50%です。ただ、2t目は《改良式鋳造所》で2枚目の《羽ばたき飛行機械》を改良できることを考えると、3tまでに色土地を引ければよさそうです。この場合、色土地を引く確率は先手は約50%、後手は約65%となります。
 約50%以上でほぼ勝ちの手札ですので、期待を込めてキープします。ただし、1tに《改良式鋳造所》を置くことが大前提ですので、相手が先手で《思考囲い》や《コジレックの審問》が来る可能性がある場合は泣く泣くマリガンします。

3.3 tips

以下にはここまでに書ききれなかったtipsを書いていきます。

  • 《改良式鋳造所》の生け贄はコストです。そのため、追加効果付きの除去(《溶鉄の衝撃》、《砕骨の巨人》出来事の《踏みつけ》等)をフィズらせることができます。

  • 英雄譚は第1メインフェイズ開始時に誘発しますが、アリーナではチェックを入れておかなければアップキープ、ドロー、第1メインフェイズまで止まりません。《ちらつき蛾の生息地》に《ヨーティアの宣戦布告》第3章や《魅知子の真理の支配》第2章を使いたい場合はアップキープにチェックを入れておく必要があります。

  • 英雄譚は同時に誘発してその時点で対象を取らなければならないので、《ダークスティールの城塞》を《ヨーティアの宣戦布告》第3章で4/4にして《魅知子の真理の支配》第2章でさらにパンプアップすることはできません。

  • アップキープに《ちらつき蛾の生息地》や《改良式鋳造所》の2番目の能力、《マイコシンスの庭》のコピー能力を起動しておくと《魅知子の真理の支配》でのパンプアップが1増えます。

  • 《エスパーの歩哨》のドローは強制です。自分のライフが残り少なく、相手の場に《黙示録、シェオルドレッド》がいるときに問題になります。

4.各マッチアップとサイドボーディング

ラクドスミッドレンジ:メイン有利 サイド後微不利
out
4 《ポータブル・ホール》
2 《逆刺の針》
in
1 《ゴバカーンへの侵攻》
1 《トーモッドの墓所》
1 《魂標ランタン》
3 《ガラスの棺》

 兄弟戦争前までは相性の良い相手でしたが、《兄弟仲の終焉》のせいでサイド後は少し不利になってしまいました。

スタック上でどちらのモードかわからないのもつらい

 以前は消耗戦にして《改良式鋳造所》のトークン生成能力で押しつぶすのが勝ちパターンでしたが、今ではモタモタしていると《兄弟仲の終焉》を引かれて壊滅してしまいますので早めに殴り切るようにしましょう。《黙示録、シェオルドレッド》も4/4単体では乗り越えられずせっかく削ったライフをどんどん回復されるのできついです。

 このマッチアップでは《ゴバカーンへの侵攻》がかなり重宝します。手札を覗いて相手のゲームプランの確認、キーカードの追放、裏返して単体除去や《兄弟仲の終焉》対策など多くの役割があります。
 特に手札を覗けるのが強く、相手の手札に噛み合わない動きを意識しましょう。こうすると相手は無理のある動きをしなければならず隙が生まれますので、そこに《魅知子の真理の支配》で重い一撃をお見舞いしましょう。

 ちなみにラクドスミッドレンジは様々な構成がありますので(通常型、《戦慄衆の秘儀術師》型、《タルモゴイフ》《暗黒時代の後継、ジャーシル》を追加したジャンド型)、相手に合わせてサイドプランやプレイを微調整するとより戦いやすくなります。

マルドゥリアニ:有利
out
4 《ポータブル・ホール》
1 《影槍》
in
1 《ゴバカーンへの侵攻》
1 《トーモッドの墓所》
1 《魂標ランタン》
3 《ガラスの棺》
1 《血の裏切り》

 リアニメイトパッケージがある分、相手の妨害の枚数はラクドスミッドレンジより少なくなります。序盤から全速力で攻撃してリアニメイトされる前に勝ちましょう。墓地対策もラクドスミッドレンジ以上に刺さるので戦いやすいと思います。

不屈の独創力:微有利
out
2 《逆刺の棘》
1 《影槍》
in
1 《ゴバカーンへの侵攻》
1 《真髄の針》
1 《血の裏切り》

 マルドゥリアニからクリーチャーが抜けて妨害が入ってきますのでその分若干不利になります。《不屈の独創力》のタネは《ポータブル・ホール》ですぐに追放しましょう。
 もし相手の《不屈の独創力》で《偉大なる統一者、アトラクサ》や《セラの使者》が出ても諦めるのはまだ早いです。《ヨーティアの宣戦布告》で除去したり《血の裏切り》で友情コンボを決めたりできる可能性が残っています。

緑単信心:不利

out
4 《エスパーの歩哨》
1 《逆刺の棘》
1 《影槍》
in
4 《ガラスの棺》
1 《真髄の針》
1 《ゴバカーンへの侵攻》

 5/6到達の《茨の騎兵》が越えられないので、これがでてくる前に勝つ必要があります。また、《大いなる創造者、カーン》の常在型能力で《改良式鋳造所》が起動できなくなるのも非常につらいです。
 マナクリを片っ端から除去し、《老樹林のトロール》《世界を喰らう者、ポルクラノス》も棺に入れてなんとか勝てるかどうかといったところです。

イゼットウィザード:有利
out
1 《ゴバカーンへの侵攻》
3 《逆刺の棘》
in
4 《ガラスの棺》

 遂行速度は相手の方が早いので、こちらはコントロール側になります。除去を増して自分の展開より相手の展開の妨害を優先しましょう。
 相手はこちらの4/4を超えるためにはカードを1枚以上使わなければなりませんので、除去を引けなかった場合でも4/4を立たせておくだけで手札を消耗させることができます。
 最近は《表現の反復》と《瞬唱の魔道士》でアドを取る構成が流行ってきていて速度が若干落ちてますので、こちらの方が速く殴りきれそうだと判断したらすぐ切り替えて殴りにいきましょう。時間をかけすぎると除去再利用で盤面が崩壊したりドロー連打で《兄弟仲の終焉》を引き当てられてしまう可能性があります。

ゴブリン:有利
out
1 《ゴバカーンへの侵攻》
4 《エスパーの歩哨》
4 《逆刺の針》
in
4 《ガラスの棺》
4 《静寂をもたらすもの》
1 《真髄の針》

 サイド後コントロールプランに移行します。除去を増して相手の展開を妨害します。ゴブリンはETB持ちが多く、除去で《致命的な一押し》を取っていなければ《静寂をもたらすもの》だけでほぼ完封できます。
 《静寂をもたらすもの》を出した後の負け筋は《群衆の親分、クレンコ》によるトークン大量生成もしくは《ゴブリンの損壊名手》による大量アーティファクト破壊です。これらの対策のために《真髄の針》は必要です。

人間(白単、白黒など):有利
out
4 《エスパーの歩哨》
4 《逆刺の針》
in
4 《ガラスの棺》
4 《静寂をもたらすもの》

 人間デッキもETB持ちが多いので《静寂をもたらすもの》でほぼ完封です。
 《スレイベンの守護者、サリア》を出されたらこちらの展開がかなり阻害されますので優先的に除去します。

エルフ:五分
out
1 《ゴバカーンへの侵攻》
4 《エスパーの歩哨》
in
4 《ガラスの棺》
1 《真髄の針》

 こちらに対してもコントロールプランで対抗します。除去の優先順位は全体パンプ持ち>大量にマナを出せるクリーチャー>《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家》>その他です。ただ、相手にブン回られると全く間に合いません。
 4/4を出して盤面を固めようとしても、横に並べて全体パンプで圧殺されますので時間稼ぎできないのがつらいところです。除去を引けるように祈りましょう。
 《静寂をもたらすもの》は基本的に入れませんが、《再利用の賢者》や《仮面の番人》が複数見えたら投入を検討します。

アゾコン:五分
out
2 《ポータブル・ホール》
in
1 《ゴバカーンへの侵攻》
1 《真髄の針》

 全体除去がでてくる前に殴り切ることを目指します。《エスパーの歩哨》ばかりの手札は相手を妨害できて一見よさそうですが、打点が足りず相手に体制を整える猶予を与えてしまいますのでマリガンします。
 相手の全体除去は《至高の評決》《神聖な粛清》《一時的封鎖》と多数ありキツいマッチアップですが、全体除去を引けていないことも多く、意外と結局相性は五分五分といったところです。

5Cドメイン:五分
out
4 《ポータブル・ホール》
1 《影槍》
in
1 《ゴバカーンへの侵攻》
4 《ガラスの棺》

 《縄張り持ちのカヴー》の5/5のボディに止められてもたもたしていたら《偉大なる統一者、アトラクサ》が降臨する、というのが負けパターンです。
 このデッキに勝つには速度勝負になりますので、序盤から殴れる手札をキープします。相手はトライオームのタップイン処理でもたついたり無理に動くためにショックランドでダメージを受けたりしますのでそこそこ間に合います。
 《ポータブル・ホール》は《縄張り持ちのカヴー》には有効ですが《波の巨人、クルシアス》には無力ですので、両方追放できる《ガラスの棺》を優先します。

アゾリウス親和:微有利
out 
1 《ゴバカーンへの侵攻》
4 《逆刺の棘》
in
1 《力ずく》
4 《ガラスの棺》

 同じアーティファクト主体のデッキですが、アゾリウス親和は全体的にマナコストが高くアドを取る構成になっています。《思考の監視者》がブン回らない限り序盤の展開はこちらに比べて遅めですので、早めに殴り切る事を目指します。
 《イラクサ嚢胞》がブロッカーとして立ちはだかって早期のビートダウンに失敗した場合は、《改良式鋳造所》をフル回転させてトークンでチャンプブロック&生け贄にして新たなトークン生成で泥仕合に持ち込みます。
 そのあとは《金属の叱責》で打ち消されないように《夢の巣のルールス》を出して《ヨーティアの宣戦布告》を使い回せるようになればそのうち勝てます。

5.終わりに

 以上が2023/05環境でのボロスソプターのデッキガイドになります。ボロスソプターは単純なアグロに見えて実際は豊富なシナジーで戦うデッキであり、使っていて楽しいデッキです。もし興味がわきましたら是非使ってみてください。長文を読んでいただきありがとうございました。

 この記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.
 また、本記事を作成するにあたって、マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイトのカード画像を使用しています。


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