羊宮さんの声優アワードの記事が良すぎたよって話

第十八回声優アワードで新人声優賞を受賞された、羊宮妃那さんのインタビュー記事が公開されました。
その内容が本当に胸を打たれるものであったので、溢れ出る感情が止まらずにこれを書いています。
今まで雑誌などのインタビューで語っていた内容と被っている部分もあって、今の言葉で紡がれるからこそ響いてくるものもありました。
個人的な感情のままに書いてるので、ものすごく与太話全開の駄文極まれりです。
それでもやっぱり止められなかったので、私が感じた想いをいろいろと書き記してみました。

あくまで私の感じたことに過ぎないので、ここに正しさはないことだけは頭の隅に置いておいていただけると嬉しいです。
言ってしまえば感想文と自分語りの文章なので、あたたかい目で見守っていただけますと幸いです。

1.インタビュー内容について

というわけで早速内容の話をしましょう、記事はこちらです。

インタビュー自体は授賞式後に行われているようです。
羊宮さんは授賞式ではコメントしたいことが色々あったけれど、感極まって言いたいことがあまり言えなかったそうです。
インタビュー記事が公開されて即日のTwitterで宣伝をしていたことから考えると、ある程度言いたかったことが語られていると見てもいいかもしれませんね。

まずは授賞式後の心境についての質問。

――授賞式から時間が経って、今はどんな心境になっていますか?
羊宮 うれしい気持ちと、まだ新人の身ではあるのですが、そこに甘えさせていただいてばかりじゃだめだなと、身が引き締まる気持ちがあります。今あるものも大切にさせていただきつつ、もうひとつ先のステップにも目を向け進んでいけるように頑張りたいという気持ちです。この先、役者として見据えている目標がまだまだたくさんあるので、変わらずそこに向き合いつつ、この賞に見合った人でありたいという目標も新たに増えました。

「第十八回 声優アワード」新人声優賞・羊宮妃那インタビュー 「キャラクターと向き合っている時間がいちばん楽しい」

声優になる前から掲げていた目標のひとつであった賞を受賞してなお、新人である自分の立場をしっかりと捉えて「甘え」を失くそうと自戒できるのは羊宮さんらしいです。
役者として見据えている目標がたくさんあるだけでなく、そこへ至るための道のりも見据えているからこそ、そういったストイックな姿勢を貫けるのかなと感じます。
ずっと上を向いて歩き続けていて、ただ見上げるだけじゃなく『今あるのもの大切にする』と足元も見えていることによる、一歩一歩の安定感が次へ繋がり続けているのかなとも思います。

次に授賞式で紹介MVで流れたアルスの巨獣に関する質問。

――2023年に放送された「アルスの巨獣」ではクウミ役で初の主演を務めました。
羊宮 テープオーディションで資料を拝見させていただいたとき、「この子として生きたい」と強く思いました。合格をいただいたときはとても嬉しくて、今でもクウミちゃんたちと過ごせた時間はかけがえのない宝物です。クウミちゃん以外にも演じさせていただいた子たちがいるのですが、その子たちも自分にとっては大切な子たちですし、その子たちと一緒に生きられたこともすごく嬉しかったです。きっとクウミちゃんの中でも生き続けている子たちなんだろうなと思っています。

「第十八回 声優アワード」新人声優賞・羊宮妃那インタビュー 「キャラクターと向き合っている時間がいちばん楽しい」

『この子として生きたい』という表現に、羊宮さんの役に対する想いが詰まっています
羊宮さんは「演じる」という表現よりも「一緒に生きる」「一緒に人生を歩む」という表現をよく使います。
羊宮さんにとって、キャラクターは作品の物語の中で生きる命であり、その物語の世界の中で人生を歩んでいるのだと、そう捉えているのでしょう。
その人生を尊重し、自らの人生をもって寄り添おうとする想いの顕れなのかもしれません。
なんと素敵で、なんとあたたかい愛でしょうか

また、別の記事ではこのように語っていたこともありました。

──これからのご活躍も楽しみです。まずはこの2作品ですが、これから演じてみたい役はありますか?
こんな役を演じたいというより、演じさせていただく役と一緒にいろんな世界を見たいっていう気持ちが強いんです。自分一人で表現するのは不安だけど、キャラクターと一緒だと笑顔になれるし、隣にいれば喜怒哀楽を共有できるんですよね。キャラクターに寄り添って表現していられる今の環境を大切にしつつ、いろんな役に巡り合っていけたら。

羊宮妃那「自分だけで表現するのは不安だけど、キャラクターと一緒なら笑顔になれる」【声優図鑑 by 声優グランプリ】

キャラクターの人生と羊宮さん自身の人生を対等に扱っていて、一方通行ではなく互いに手を取り合って、生かしあって支え合っているとも言えるのかもしれません。

こういった羊宮さんの向き合い方のおかげで、演じられたキャラクターに本物の感情を見いだすことが出来るのではないでしょうか。
作品はあくまで作品なので、声優が演じたところで現実を生きる命と同じではありません。
でもそれはただの作り物なんかじゃないと、中身のない偽りなんかじゃないと言ってくれているように感じるんです。
物語の中の人生を演じるだけではなく、演じることで物語を人生へと引き上げてくれるような感覚です。
そのキャラクターとして生きて、命を表現してくれるから、お芝居で表現されたモノだとしても、意図された意味のないものではないと確信させてくれる
作品に触れて感動して、心を動かされて受け取った想いは本物なんだと思えるんです。
だからこそ私は受け手として、一切の曇りもなく心の底から作品と物語を愛して感情を委ねることが出来ていると、そう感じています。

話は変わって代表作として申し分ない、僕ヤバについての質問。

――「僕の心のヤバイやつ」の山田杏奈役も話題になりましたね。
羊宮 テープオーディションを受けさせていただいたときは、私がスランプに陥っていたときでした。うまく役に入り込めなかったことが、罪悪感として残ってしまって。こんなものを原作者さんにお渡ししてしまうのはあまりにも失礼で、杏奈ちゃんにも申し訳がなくて。家に帰ってからせめてものけじめとして録り直しをしました。これが提出できなかったとしても、最後まで向き合い切りたいという思いで。そのことを寛大に受け取ってくださったマネージャーさんは、録り直しをした音源を採用してくださったんです。本当に感謝しかありませんし、録り直しをさせていただいた音源じゃなければまた結末も変わってきたのかなと……。今、杏奈ちゃんとして歩めていることがとても幸せです。

「第十八回 声優アワード」新人声優賞・羊宮妃那インタビュー 「キャラクターと向き合っている時間がいちばん楽しい

羊宮さんの頭の中には理想とする杏奈ちゃんの声があったものの、何度撮っても納得のいくものにならず悔しくて涙が溢れる程だったそうです。
そんな状況で至る考えが、思う通りに出来ない悔しさだけでなく、作品を生み出してくれた原作者さん、そして何より演じるキャラクター自体への申し訳なさがあったというのです。
スランプの中で相当に苦しい時期だったであろうに、自分の事だけではなく作品とキャラクターを慮る視点を持つことが出来ているのです。
とてもあたたかく、それでいて多角的に物事を捉えられていますね。
本心の、それも深い芯となる部分にキャラクターに寄り添おうとする信念が強く在るのでしょう。
さらにそこから起こした行動が、例え無駄になったとしても向き合い切るために撮り直しをする、だったのです。
自分のためでもあるとは思いますが、キャラクターを演じる者の責任としてもやり切ろうというのです。
意味が無くなってしまうとしても、信念を貫き通そうとする覚悟の強さに胸が震えます
そして苦戦しながらも、その感情すらも声に乗せて杏奈ちゃんのまっすぐな気持ちを表現したそうです。
結果としてその音源が今に繋がったというのですから、想いの強さを力へと昇華することが出来る技量もあるのだと感じます。

次は新人声優賞ということで、声優を目指したキッカケについての質問。

――もともと声優を目指そうと思ったきっかけは何だったんですか?
羊宮 きっかけは母の言葉でした。声優さんになるには今からじゃ遅いんじゃないかなと思っていたときに、快く背中を押してくれて。ずっと抱えていたモヤモヤとした気持ちから解放されて、そこから目指し始めました。最初の頃はいろんな声を出すことが楽しくって。そこからお芝居に触れていくたびに、声だけじゃない、その人の人生を共に生きられるということがすごく魅力的に感じられるようになって。この楽しさを知ってからは「私は声優になれなきゃ死ぬ」というくらいお芝居が大切なものになっていました。

「第十八回 声優アワード」新人声優賞・羊宮妃那インタビュー 「キャラクターと向き合っている時間がいちばん楽しい」

定番の質問なのでこのキッカケの話はいろんな場所でお話されていますね。
ポロっと声優になりたいと漏らしたところ快く後押ししてくれたそうで、お母様の親としての在り方の素敵さに感動します。
親族に声優の経験があった方が居たそうなのである程度理解はあったのだと思いますが、それでも大切な娘を声優という険しい道へ送り出すというのは覚悟のいる決断だと思います。
ファンの私としても、娘の夢を尊重してくれた素晴らしいご両親に感謝が尽きません

そして『声優になれなきゃ死ぬ』という中々にとんでもない事をおっしゃっています。
これについては、声優の道を歩きたいと思った出発点の話として、こうも語っています。

羊宮:自分として生きるのではなく、その人として生きられることが、私の人生でいちばんの喜びだなって。死んでもいいからなってやる、って思ってきました。別の誰かとして日常を歩めるなら、私自身の特徴を失くしてでもその人になりたいですし、そこまで向き合える事に出会えた事もとても幸せだなって思っています。

冬アニメ『僕ヤバ』第2期:堀江 瞬×羊宮妃那インタビュー【連載第2回】

羊宮さんはものすごく配慮される方なのであまり強い言葉を使おうとしないのですが、自分の事とはいえ「死んでも」ととんでもなく強い言葉を使っています。
他の言葉に置き換えることが出来ないほど、その必要がないほど本気でそう思っているのだと思います。
人生全てをかける覚悟で臨んで、実際にそうしてきた重みと覚悟が伝わってくるようです。

それほどの覚悟でなりたいと思ったお芝居の楽しさについては『その人の人生を共に生きられる』ことから始まり、次のように語っています。

――実際に声優として活動するようになってからは、どんなときに楽しさを感じられるようになりましたか?
羊宮 キャラクターと向き合っているときがいちばん楽しいです。お家での本読みや収録中のとき、出来上がったものを観ているとき、とにかくその子に向き合っている時間が大好きです。今まで私は声で演じることが好きなのかなと思っていたのですが、ダンスや歌、パフォーマンスでもその子として生き続けられる魅力をお仕事を通して感じてからは、お芝居が好きなのではなく、その子のことを考えて、その子として生きている時間が好きだったんだなと、改めて知ることができました。今もその楽しさがあるから頑張れています。

「第十八回 声優アワード」新人声優賞・羊宮妃那インタビュー 「キャラクターと向き合っている時間がいちばん楽しい」

キャラクターと向き合って、その子として生きている時間が好きでいちばん楽しい』のだそうです。
声のお芝居という次元を超えてキャラクターと共に居られることそのものが好きなのだと。
もはや人生そのものだと言っているのと同じような、果てしなくひたむきな真情であります。

では、なぜそれが魅力的で楽しいと感じているのでしょうか。
それはもちろん羊宮さん本人にしかわからない事ですが、私として考えた事を垂れ流してみようと思います。
お芝居というものに魅力を感じていった話として、ラジオで「普段感じているようなものを大きく表現することが大人になるにつれて薄まっていく中で、アニメの世界では色んな表現が許されて、その子と一緒に隣で歩くことが許されるというところから魅力を感じていった」とお話されていました。
作品の世界の中でキャラクターたちが、現実では薄まっていってしまうような様々な感情を表現して輝けているからこそ、その人生の一部として生きられることが幸せなのかもしれません。
その人生に携わって現実に存在させてあげられることにも意味を感じているのかもしれません。
つまり、現実ではなることが出来ない、自分じゃない存在になれるという部分が軸になっているのではないでしょうか。
そこから『自分として生きるのではなく、その子と向き合ってその子として生きられることが、私の人生でいちばんの喜び』になったのではないかと、私は考えてみます。
また、一緒に歩んでいるキャラクターの人柄を貰う事があるともおっしゃっていたので、自分の世界の彩りが増えることで、薄まっていたものが取り戻されていくように感じることも楽しさに繋がっているのかなと感じています。

とまあ与太話はともかく、インタビュー内容の話に戻しますね。
私自身の特徴を失くしてでもその人になりたい』という点については、キャラクターを演じるために普段の喋り方や声の高さも変えて、時には喉を潰す気で臨んだりもしていたそうなので、比喩表現ですらないようです。
向き合い方の強度がとてつもないですね。
どんな手段を使ってでも、キャラクターがその場で生きられるために尽くすことが出来る程の覚悟と信念であることがうかがえます。

そんなにも大きな想いをかけている、キャラクターと向き合う楽しさについて、この言葉で締めています。

――これからも楽しみが増えそうですね。
羊宮 生きがいです。本当に。私はこれからも役者でありつづけたいと思っていて。その上で、健康のことや身体づくりの大切さを知ったり。これからの目標がたくさんあるので、身体には気をつけつつ、皆さんにも安心して楽しんでいただけるように、頑張っていきたいと思っています。

「第十八回 声優アワード」新人声優賞・羊宮妃那インタビュー 「キャラクターと向き合っている時間がいちばん楽しい」

キャラクターと一緒に生きること、それこそが『生きがい』だと言うのです。
この『生きがい』という言葉。
羊宮さんがインタビューなどで変わらず言い続けている言葉なんです。
2022年の半ば頃に出版された雑誌やパンフレット、HOOOOPE!初回放送などでお話されています。
細かいニュアンスの違いなどはもちろんありますが、「キャラクターたちの人生に携わることができて、一緒に歩んで生きていくこと」が『生きがい』なのだそうです。
そしてそれはお芝居を好きになった日から変わることなく、自分の真ん中にあるものだという事は揺るがないと言っていました。
そうです、本当に変わることも揺るぐこともなかったのです。
先のインタビューでは「お芝居が好きなのではなく、その子として生きている時間が好き」だったと知ったとのことでしたが、それでも『生きがい』として在り続けているのです。
言葉だけならいくらでも取り繕えますが、羊宮さんのこういった行動・発言から信念に一片の曇りもないことが、どうしようもなく伝わってきます。

私はこれが何よりも嬉しかったのです。
羊宮さんの「キャラクターと一緒に生きる」という生きがいに感銘を受けて、演技だけではなく”羊宮妃那”という声優も応援したいと思った人間なので、ずっと変わらずに掲げ続けてくれていることが本当に嬉しいんです。
この羊宮さんの信念はきっと、心の奥深くまで届くお芝居に繋がっているのだと思っています。
だからこそ私は羊宮さんも、羊宮さんが共に歩んでいるキャラクターも心から愛せているので、ありがとうって気持ちでいっぱいになっています。

ちなみに「〇〇です。本当に。」って言い回しは羊宮さんのクセみたいなところがあります。(たぶん羊宮さんの受け答えをそのまま文字にしてると思います。)
想いが溢れてる時だったり、心から真剣に言っている時にそうなりがちなので、そこも相まってグッと来てました。

2.まとめ

ここまで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、ありがとうございます。
読みにくかったですよね、お疲れ様でした。
声優アワードの授賞式でのコメントも、公式サイト内の受賞コメントも素敵でしたが、インタビューもとっても素敵な内容でしたね。
私の感じている声優”羊宮妃那”の魅力がたっぷり詰まっていました。
そしてこういう場で言葉にして届けてくれる羊宮さんには本当に感謝ですね。
いつもたくさん考えて言葉を紡いで、想いを伝えてくれてありがとうございます。

改めてではありますが、羊宮さんの作品やキャラクターへの向き合い方であったり考え方の真摯さ、胸に宿す信念のアツさと覚悟の強さには畏敬の念を抱きます。
これほどまでの熱意をもって表現してくれるキャラクターの人生だからこそ、私も全力で愛して受け止めていきたいと思います。

それでは、ここらで。
羊宮さんがこれからも、たくさんのキャラクターたちと人生を歩めることを祈りつつ。

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