見出し画像

続・ノーカーズハイ。

徒然に綴るブログ、今回は「収穫」についての続きを。

前回、いわゆる「ランナーズハイ」ならぬ「ノーカーズハイ」になるランキングも3位を紹介しましたが、今回は残りの2位と1位を!

まずは、2位!時期もまさに真っただ中ということもあります、「梨」です!やはり上位にランクイン。「梨」は、当園のメイン作目のひとつでもあり、栽培面積や作業量に占める割合がとても高いので、思い入れもひとしおです。

梨の収穫は、早生・中生・晩生など品種によって時期がずれていて、一品種1~2週間程度の食べごろのタイミングを見計らいながら収穫し、それが8月末から11月初めまでの約2か月間続きます。

収獲の目安として、わかりやすいところでいうと「色」や「手触り」がポイントとなります。また、品種によっては「香り」とか「特定の部位の変化」などを目安にしたりもします。その辺は、各農家によってさまざまだと思うので一概には言えませんが、結局のところ、「美味しそうなやつを、食べてみて、実際美味しかったやつ」というのが基準になって、それを各農家個人ごとにインプットし、蓄積・分析して、各々が判断しているのだと思います。

農家7年生の自分も、社長(父)や会長(祖父)の教えや、自らの経験をもとに、ベストなタイミングを見極めて、毎年収獲作業に取り掛かっています。どの品種もそうですが、1本の樹になっている梨が、すべて同時に熟すわけではないので、特に収穫開始初期は、色や大きさ、手触りを確かめながら1個ずつ慎重に収穫していきます。これがまたなかなか難しくて、日差しの強さとも関連しますが、いい色かと思ってもいでみたら意外とまだ青味がかっていたり、採ったと思ったら手を滑らせて地面に落としてしまったり、もいでみたら間違えてまだもぐ予定ではない品種の梨だったり…。この辺はまだまだ技術や経験が不足している証拠ですが、がっかりしてしまうわけです。とはいえ、それでもやはり旬の時期になってくると、一気にたくさん収穫できるようになってきます。
そのなかで、形も大きさも色味もいい、いわゆる「良い梨」がどんどん採れると、テンションもどんどん上がっていき、「ノーカーズハイ」へと突入していくわけですが、一瞬にしてバチっと切り替わる瞬間があります。例えば、「特大サイズを見つけた時」。品種による差もありますが、だいたい300~400gくらいの梨が多いですが、たまに600~800gくらいの、そしてごくごくまれにですが、1個で1kgを超える梨が収穫できることもあります。そんな「特大梨」を見つけると、テンションが一気に上がります。いわゆる「大きさ」と「味」の関係性については、店頭でもよく聞かれるし、いろんな意見もありますが、とりあえずそういうことは別として、春先に咲いた小さな白い花が、夏を越えて、秋を迎え、こんなにも大きく育ったのか!という、シンプルな感動がそこにあります。

同様に、「べっぴんな梨」もそう。特大梨とはまた違い、大きさもほどほどで、形も端正で美しく、傷ももちろんなく表面もつるんとすべすべ、光沢さえ感じ、色合いも青くもなく赤くもなく、絶妙な黄色。そういう梨に、これもまたごくまれに出会うことがあります。これこそ品種ごと差があって、きれいな丸みが出る品種やゴツゴツ感がある品種もあるので、一概に基準は設けられませんが、収穫作業中に、思わず手を止めて見とれてしまう、不思議なオーラを感じるような、そんな梨の「べっぴん」さん。彼女と出会った瞬間もまた、「ノーカーズハイ」へ突入し、農家の喜びを心置きなくかみしることができます。売るためにもいでいるはずなのに、もはや「売るのがもったいない」と思ってしまうような梨を探し、畑をさまよい歩く日々です。

…と、1位までいくつもりでしたがまた長くなってしまったので続きはそのうちに。よろしくどーぞー!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?