札幌記念2

北九州記念・札幌記念のまとめ

北九州記念コース特性(小倉芝1200m)

1周1615mという距離は、福島競馬場に次ぐ小ささ。293mの直線に坂は設けられていない。小倉競馬場は平坦、小回りで典型的なローカル競馬場といえる。ゴール前の直線は平坦だが芝コースの高低差は3mある。芝1200mは2コーナー奥のポケット地点からスタートを切る、2段階の下り勾配を経て平坦な直線に向く。スタートからゴールまで、上り勾配がない。そして勝負どころの3~4コーナーはスピードを持続して回れるスパイラルカーブになっている。スタートからゴールまで2回の下り勾配、スパイラルカーブ、激しい先行争いからハイペースになりがち。直線は短いが差し馬の追い込みが決まることが多い。ハイペースを先行して押し切るにはマイル寄りの適性が求められる。差し馬は絶対的なスピードに加え、コーナリングでの機動力が要求される。

<北九州記念情報>

【3アレスバローズ】
昨年の夏CBC賞と北九州記念を連勝。今年も同じローテーションCBC賞2着からの参戦になる。暑い夏場に調子を上げてくるタイプ前走CBC賞2着でも34秒4のメンバー中最速上がりの末脚を使っていることから上昇気配であることが推測される。

【5ディアンドル】
2歳未勝利から前走葵S(G)まで芝1200mで一気の5連勝中の上がり馬。先行して直線でも瞬発力があるスプリント資質が相当高い馬。古馬対決重賞でも3歳牝馬の軽い斤量をいかせれば勝機あり。高速馬場でも時計の掛かる馬場でも関係なく力を出せる能力はG1でも勝ち負けできるようになると思われる。

【8ファンタジスト】
芝1200mと芝1400mでデビュー3連勝を飾り、内重賞2連勝。スピード能力に優れている。クラシック路線を目指しマイル以上のレースに参戦したが、明らかに距離が長すぎた。適性が低いマイルから2000mを使われたことで馬がズブくなっていないか慎重な見極めが必要だ。

【11アンヴァル】
昨年の北九州記念を3歳牝馬で果敢に古馬とのスプリント対決に挑むも、クラシック参戦の疲労が残っていたことが影響して10着に敗れた。マイルは桜花賞一戦のみで、あとはスプリントレースを使われいたので、ズブくならなくてすんだ。今年は時計の掛かる馬場で善戦を続けているが、本来スピードを活かせる高速馬場の方が合っている。馬場を問わない脚質が安定した走りに繋がっている。

【13モズスーパーフレア】
夕刊フジオーシャンS(中山芝1200m)を逃げ切って重賞初制覇。前走の高松宮記念は2番人気の支持されて果敢に逃げたがハイペースで体力消耗、直線では見せ場なく失速して15着。休み明け夏場は暑く湿度が高い九州で力を出せるか懸念は残る。

【15シャドウノエル】
テレビユー福島賞(3勝クラス・福島芝1200m)を2番手先行から抜け出して勝ちオープン入りした。昨年8月に小倉芝1200mで未勝利を勝っており、コース適性と暑さに懸念はなさそうだ。

【17カラクレナイ】
前走バーデンバーデンC(福島芝1200m)は、フルゲートの大外枠から中団を追走。勝負所で外から上がっていき直線でも維持してを持続して抜け出し、時計の掛かる馬場を克服して快勝、芝1200mでの初勝利となった。

【18ミラアイトーン】
芝1200mの布院特別、紫川特別、淀屋橋S、鞍馬Sを一気の4連勝で1000万下からオープンまで勝ち上がってきた上り馬。芝1200mへ路線変更して一気に資質が開花、適性距離のレースを使うことがいかに重要であるかを示した。半兄に鳴尾記念をコースレコードで勝ったストロングタイタンいる。

【18ミラアイトーン】
由布院特別(小倉芝1200m)、紫川特別(小倉芝1200m)、淀屋橋S(阪神芝1200m)、鞍馬(京都芝1200m)を4連勝している上昇馬。先行しても差しでも高いポテンシャルを発揮発揮できる潜在能力が高い馬。530キロの大きな馬体から繰り出す瞬発力は迫力満点。


札幌記念コース特性(札幌芝2000m)

芝コースの全長は1640m9。高低差が0.7mほぼ平坦で4コーナーからゴールまでの直線距離は266m。JRA全10場のなかで直線が中京の次の2番目に短い。コース全体がまるっこく4つのコーナーの半径が大きい緩やかなカーブでコーナー部分の占める割合が多く直線部分が短くなっている。緩やかで大きなカーブのため外を回れば回るほど距離ロスが大きくなるので先行力と内ラチを器用に走れる機動力に加えて騎手の手腕も需要な要素になってくる。

<札幌記念情報>

【1ブラストワンピース】
昨年は有馬記念を強い競馬で制覇して、凱旋門賞を勝てる器と絶賛されたが、大阪杯6着、目黒記念8着と1番人気を裏切ってしまっている。有馬記念を勝った、時計の掛かる馬場で直線が短いコースがポイント。距離に違いはあるが小回りでゴール前直線距離は266m、洋芝と関連性が高い。高速馬場が苦手で、時計の掛かる馬場を得意にしている本馬は札幌記念で復活する可能性が大いにある。川田騎手との新コンビ結成。

【2クルーガー】
豪州のクイーンエリザベスSでは、歴史的名馬ウィンクスと1.5馬身差の2着に大健闘、世界でも通用する実力があることを示した。7歳になっても衰えはなく、実力健在だ。力の要るダートや不良馬場で差せる馬力と瞬発力・操縦性の高さ、距離の融通性がある。札幌2000m洋芝のパワーが求められる馬場は合っている。既に招待されている豪州G1コックスプレートに参戦することが決定。G1馬4頭の強豪馬が相手になるが豪州G1制覇するには、前哨戦でも負けられない一戦になる。

【3ステイフーリッシュ】
2018年12月以降は重賞で6戦2着2回・3着3回、着外はG1大阪杯だった。中距離のG2・G3での安定感は抜群。高速決着になると分が悪い。時計の掛かる馬場の内回り・小回りコースで高い潜在能力を発揮できることから、札幌芝2000mへの適性は高いことが推測される。重賞で1勝・2着2回・3着4回の実績がありながら、一線級のG1馬が4頭も参戦することで全く人気にならない。勝ち負けするには少し実力不足は否めないが、3着で穴をあける実力はある。

【6ランフォザローゼス】
97、98年の札幌記念を連覇したエアグルーヴを祖母に持つ良血馬で、ドゥラメンテ、ルーラーシップなど数多くの一流馬をだしている名牝系。キングカメハメハとの血統的相性も抜群に良い。ただ3歳時にG1馬が4頭競合する札幌記念に駒を進めてきたということは、自信の表れなのか。ここで一線級古馬を撃破できるようなら、菊花賞、ジャパンカップ、有馬記念でも勝ち負けになるだろう。注目の3歳良血馬だ。

【7エイシンティンクル】
全兄に海外G1を2勝したエイシンヒカリがいる。重賞では昨年の関屋記念の3着が最高順位。芝2000mでの勝利はあるが、2016年12月ジングルベル賞以来、久々の芝2000mになる。ここ12戦は芝1400mから芝1800mへ参戦していた。2000mの距離感をつかむには今回、相手が強すぎる。血統的魅力があり、期待感は大きい。馬がズブくならないよう慎重にレースを選択する必要があると思われる。

【9フィエールマン】
菊花賞、天皇賞(春)を休み明けのぶっつけ本番でG1制覇。凱旋門賞参戦を予定しており、札幌記念は6分程度の仕上がり具合での参戦が推測される。札幌記念を選択した理由は、欧州の馬場を想定した、力のいる洋芝への適性を確認して、力の要る馬場を経験させることにある。凱旋門賞を勝つには、6分程度の仕上がりでも圧勝する実力が求められ、一気の距離短縮でも絶対に負けられない一戦になる。

【10サングレーザー】
昨年は安田記念5着から札幌記念を優勝。今年も同じローテーションで連覇に挑戦する。札幌は3戦3勝と抜群のコース適性を誇る。昨年の天皇賞(秋)2着した実力は本物だ。その後は香港Cを4着。今年初戦の大阪杯では12着と大敗を喫したものの安田記念は5着とG1で好走している。夏場の7月から9月にかけても5戦して4勝を挙げている夏場に強い馬で今年も昨年以上のパフォーマンス見せてくれることを期待したい。

【11ペルシアンナイト】
3歳時のマイルチャンピオンシップを勝ちG1制覇.G1では2017年皐月賞、2018年大阪杯、マイルチャンピオンシップと、3度の2着がある実力馬。近2走は不利を受けて2桁着順に甘んじている。しかし、G1制覇の舞台は直線平坦で時計のかかる馬場だったように、直線ほぼ平坦で、力の要る洋芝の札幌コースへの適性は高く、巻き返して復活するには絶好の舞台。ラフな走りで日本人騎手からの風当たりが強くなってきた主戦のM.デムーロ騎手。今年は重賞を勝つのは容易でない状況になりつつある。

【12ワグネリアン】
昨年のダービーを、絶対的不利なフルゲートの17番枠を難なく克服して制覇。同世代では圧倒的に実力が抜けていたことをダービー制覇でその力を示した。阪神外回りの神戸新聞杯は快勝、大阪杯は3着に苦戦した。馬券圏内を外したのは皐月賞のみで、もともとコーナーで加速する脚質ではなく小回りで苦戦を強いられている。全体のコーナー部分の占める割合が多く4コーナーからゴールまでの直線距離は266m。JRA全10場のなかで直線が中京の次の2番目に短い特殊な札幌コースで実力を出すのは難しいかもしれない。ただ広く直線の長いコースへは抜群の適性があり、天皇賞(秋)、ジャパンカップ制覇への期待は大きい。

【14クロコスミア】
エリザベス女王杯は2年連続2着、前走の ヴィクトリアマイルは、11番人気の低評価を覆してJRAレコード決着の3着とG1で3度の馬券圏内に好走している実力は本物だ。札幌コースも乗りなれており、同じ舞台を勝利実績もある。札幌記念を使うことで、エリザベス女王杯まで2回使えるベストのローテーション。悲願のエリザベス女王杯制覇するために、ここは恥ずかしいレースは出来ない。


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