コペンハーゲン式デザイン思考を学ぶ_1dayワークショップ_ページ_01

【参加レポート&後日振り返り】コペンハーゲン式デザイン思考を学ぶ!1dayワークショップ

8月4日、Studio Optさん主催のワークショップに参加しました!講師は、コペンハーゲンのデザインスクールCIID出身の木浦さんはじめ、同じくCIID出身の神谷さん、デンマークのDesign School Kolding出身の平野さん、ロンドンのRpyal College of Art出身の田端さんです。

テーマは、旅行サービス。当日は、参加者同士で3 - 4人のチームとなり、その後は各グループでアイディア出し、ユーザーインタビューを行い、コンセプト作成とペーパープロトタイプまで実施しました。People Centred Designのプロセスはどういうものなのか、一連の流れを体験できるようになっています。

最初は、Assumption Mappingからスタートです。「旅行」という言葉から思いつく言葉をポストイットに書き出してシェアしていきます。

旅行のイメージが、平日か休日、国内か海外などその人の頭の中にあるシチュエーションによって異なるようでした。また、旅行というとポジティブな言葉ばかりかと思いましたが、荷物・調整・孤独・事件など、非日常だからこそ直面しやすいキーワードも並びました。

次に、リサーチテーマを設定し、ユーザーインタビューを行います。今回は、旅マエ・旅ナカ・旅アトを意識して、

・過去の旅行で楽しかったこと、つらかったこと
・その計画をどうやって決めたのか
・他の人に旅行をオススメする時のアドバイス

を中心にインタビューしました。

一人旅行でも集団旅行でも共通していたのは、旅行に行く前の計画や準備をするのにストレスを感じているということ。インタビュイーの方が言っていた「荷造りが嫌いだから現地調達で良いという気持ちで行く」の部分には共感。特に、海外旅行の場合は日本でしか買えないあれもこれも入れて・・・忘れもの・・・ないよね・・・と神経質になりがちでよね(女性というか私だけ?)。そういう時は「最悪、現地調達!」と自分に言い聞かせるとなぜかほっとします。

また、集団旅行ではいつも幹事役が多いという方は、特別それ自体がストレスというわけではなく、むしろ他の人に任せるのは不安なので自分がやるという考えだそうです。逆に、一人旅行だと強い目的意識がないと行かないし、モチベーション維持が難しいとのこと。このような場合は、旅行自体が目的ではなく、家族や友達と同じ時間を共有することが重視されている模様です。

ほかにも、時間がなく計画を立てずにふらっと行ったばっかりに、東京とは全く違う交通の便に戸惑ってしまい、結局ストレスフルな旅行になってしまったという方もいました。おそらくこれは大半の人に言えることで、「正直、自分で計画を立てるのは面倒くさいが、当日の旅行はスムーズに楽しいものにしたい」ということのようです。(勿論、計画を立てるのが楽しいという人もいるので一概には言えませんが...)

ユーザーインタビューの時間は、各グループのメンバーが役割をローテーションするため、自分がインタビュアーになることもあればインタビュイーになることもあります。(今回は、坪田さんが非常に見やすい議事録を作成してくださりました。ありがとうございました...!)

いざ自分がインタビュイーになってみると、質問される度に「あれ、どうしてこの選択をしたんだろう?」と思う場面もあり、意外と自分の判断だと思っていたことが周囲の人の影響を受けていたり、あるいは同じ場所をリピートすることで心理的負荷を少なくしようとしていることに気が付きました。

午後はこれまでのユーザーインタビューの結果を踏まえて、リサーチの分析からスタートです。

私のチームではこの時点で、

・もっと楽に自分に最適化された情報を手に入れたい
・自分では計画したくないが、当日の旅行は良い体験にしたい

というインサイトがあるのではと考えました。

次に、Opportunityを考えます。

前述のインサイトからOpportunityとなるものを取り上げ、
・どうすれば盛り上がった(旅行の)内容をモチベーションを落とさず、具体化できるか?
・どうすれば旅先で別行動しても一緒に行ってる感を出せるか?
という二点に決めました。

次に、RAPID IDEATIONです。ファシリテーターが自分のチームのOpportunityを他チームの人にアイディアを説明し、5分ブレストして3分でシェアするという文字通りの高速アイディア出しです。
大事な点は、

・質より量!
・アイディアの良し悪しを判断しない
・突拍子もないアイディア大歓迎!
・スケッチ!

というもので、みなさん生き生きとアイディアを出していたように思います。というのも、ファシリテーターは前後の文脈を全く知らない他チームの人にOpportunityを一言二言で簡単に説明し、それを元に全員がスケッチで意見を出し合うのです。そのチームの中だけでは思いつかなかった斬新なアイディアも出てきて刺激を受けました。

最後は、Concept Mapping(アイディア絞り込み&プレゼン資料作成)の時間です。直前のRAPID IDEATIONのおかげでたくさんのアイディアの中から絞り込むことができました。

私のチームが考えたサービスはGroove Trip。ターゲットは、10代後半の卒業旅行シーズンの学生、20代の会社の同期旅行が多い社会人です。まずはグループ名を決めて、一緒に行く人を決めて、旅行先を選択肢の中から投票、とサクサク進められるのが特長です。タイムラインにはグループ内で旅行の写真が投稿され、おそろいのTシャツやアルバムでメンバーの思い出を可視化、より一体感を強めます。元々は、「なるべく計画を立てないで楽しい旅行にしたい」というインサイトから端を発して、最終的には、「グループでゆるっと旅行に行っても満足感がある」というニーズを満たすサービスに着地しました。例えば、Facebookにあるようなチェックイン機能も、グループ内のクローズドな空間であればより共有しやすいのではないかと思います。また、デジタルで大半のものが完結してしまう今の時代、「おそろいのTシャツを作る・思い出の写真が手元に残る」というリアルな体験は、若い人たちにこそ需要がありそうだと感じました。

8月4日のワークショップから2週間近くが経った今、レポートを書いているわけですが(すみません)、この時の体験はその後の仕事でも活きています!たとえば、あるプロジェクトでデザインを考えて提案するのは自分一人という状況でも、プロトタイプをいち早く作ってメンバーに見てもらうことで、実物イメージがない状態で議論していた時と比べて明らかにディスカッションが活発になりました。People Centred DesignのLearning by Doing, Build Test Repeatはこういう場面で大切なのだと実感。とりあえずやってみて知る、考えるというのは決して時間や労力の無駄ではなく、それによって新たな気付きがある必要なプロセスなのだと思います。

運営のみなさま、ありがとうございました!また次回の企画も楽しみにしております^^

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?