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国産ギターの隠れた銘品"Tokai"

国産ギターの隠れた銘品"Tokai"

エレキギターといってまず思い出されるメーカー名は、
アメリカの”Fender”と”Gibson”ですね。このメーカーのギターはロック史上に名を連ねるギタリストに愛用され数々の名演を残してきました。
一方の日本でも1960年代の終わり頃から複数のメーカーがエレキギターの
製作を開始しました。製作開始当初はアメリカ製ギターのコピー製品でしたが1970年代の中ごろからは本家をしのぐほどの銘器を世に送り出します。
その代表的なメーカーは”Greco”、“Yamaha”、”Fernanndes”などが思い浮かびますが、その中に”Tokai”というメーカーがあります。

<Tokaiギターってどんなメーカー?>
Tokaiギターは正式には、東海楽器製造株式会社が製造したギターです。
このメーカーは静岡県浜松市にあり現在でも優れた逸品を製造しています。一部の楽器マニアの方には小学校の音楽教材で有名な「ピアニカ」を発明したメーカーとして記憶されているでしょう。
「楽器の町・浜松」という土地柄、メーカーとしての優れた木工技術を駆使したギターは数多くのミュージシャンに愛用され続けています。
1947年の創業時は、ピアノとハーモニカを製造するメーカーでしたが1965年からはクラシックギターの製造に乗り出しました。
エレキギターはメーカーとしてのクラシックギター発売から10数年の時を経た1978年に”LSシリーズ”として販売が開始されます。

<東海楽器のアコースティックギター>
東海楽器のエレキギターを見る前にアコースティックギターについて少し考察をしてみます。1965年より自社ブランドでクラシックギターの製造を開始していた東海楽器は、1972年にアメリカのアコースティックギターの老舗「C.Fマーチン社」と日本総代理店契約を結びます。この契約以前にも日本国内にはC.Fマーチンギターは細々と売られていましたが、この時から楽器マニアあこがれのC.Fマーチンギターが正規輸入品として日本国内市場に豊富に流通します。C.Fマーチンギターの日本国内における販売権を取得した東海楽器は、同時に、日本国内向けアコースティックギター製造のOEM提携も結びます。このOEM提携によりC.Fマーチンギターの技術が注がれたギターが製造されました。この流れは1975年になって”Cat’s Eyes”ブランドとして確立し多くのミュージシャンに愛用されます。

<東海のエレキギター>
東海楽器のエレキギターは現在でも静岡県浜松市にある工場で製造されています。
現在日本国内市場で販売されているギターの多くは海外生産が多い中これは特筆すべきことでしょう。「楽器の町・浜松」で長年にわたり受け継がれてきた卓越したクラフトマンシップが製品すべてに注ぎ込まれています。ここでは東海楽器のエレキギターの代表的モデルを見てゆきましょう。

  1. Premium Series

このシリーズは”Gibson”社系ギターのコピーモデルです。コピーモデルといっても
木材選定・製造前に施されるシーズニング・加工技術・仕上げ技術・取りつけられるパーツ、すべてにおいて最高の技術と製品が施されています。価格は少々高価には成りますがMade in Japanのクラフトマンシップに支えられる「入魂の一本」といっても過言ではないでしょう。

Vintage Series

このシリーズでは”Gibson”社系のコピーモデルに加え”Fender”社系の製品がラインアップされています。日本の音楽シーンは今も活況を示していますが、今よりもう少し前1980年代から1990年代後半白熱した時代がありました。このシリーズはその白熱した時代のクラフトマンシップが息づいている製品となります。価格も手ごろな製品から高級な製品までバリエーションに富んでいます。

Talbo Series

このTalbo Seriesギターは、「ギターは木工製品である」という概念を覆した製品です。
その秘密はボディにアルミニュウム合金を用いています。
また、そのボディーシェイプも独特なデザインでアイキャッチ効果にも優れています。ボディの革新さはもとよりエレキギター本来の音質にも優れています。
製品のHPには、
「透き通るようなノイズレスサウンド、圧倒的パワー、信じられないほどのダイナミクス」と謳われています。
このギターはGLAYのHISASHI氏がや平沢進氏が愛用しています。
現在は、神田商会、池部楽器によってOEM展開がなされています。

SEB Model

このギターは、東海楽器の「木工加工技術が結集された」製品です。
長い間木工メーカーとしてギター製造にかかわった歴史から木の材料特性に着目しボディー構造を根本的に見直し独特な方法を用いています。
木材の種類には柾目と縦目がありますが、縦目の材料をボディーの中間に用い、表裏に用いられた柾目の板とサンドイッチ構造にしています。
この構造で得られる特徴は従来の柾目の材料だけでつくられたギターと比べると独特な振動特性が得られます。
この振動特性は
「素早い音の立ち上がりとレスポンス。抜けのよいクリアーなサウンド、
ロングサスティーン、広がりのあるダイナミックレンジ」
が得られるとメーカーは推奨しています。

*終わりに(まとめ)*
いかがでしたか?日本製のエレキギターにもこのように魅力に富んだ製品があるんです。
Tokai Guitarは日本全国の楽器店でも販売されています。ギター購入の際は”BIG NAME”にも気がひかれますが、純国産のTokai Guitarも検討リストに加えてみませんか?


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