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マウントアダプターは秘密道具??

デジカメの普及で
誰でも簡単に写真を楽しめるようになりました。
でも、ちょっとの工夫でいつものデジカメでは
撮影できないような違う一枚を撮影できるんです。
 
その方法とは、、、??
 
レンズ交換が可能なデジカメを持っている方は、
マウントアダプターという秘密道具を使えば
デジカメとセットで購入したレンズ以外にも
フィルム時代の昔のレンズが使えるようになります。
昔のレンズは今のレンズとは違う、独特の雰囲気の写真を表現できます。
ちょっと魅力的ですね?
 
マウント?アダプター??
いったい何のこと?
ですよね、いきなり、謎の言葉ですね。
ここでは、そのあたりの謎を紐解いてみましょうね。
 
 マウントってなんだろう?
 
マウントというのは、カメラとレンズを組み合わせるための仕組みです。
簡単に言ってしまえばネジのようなものですね。
ネジには「ねじ込む側」と、「ねじ込まれる側」があります。
カメラとレンズにも同じような仕組みがあり、
カメラメーカーごとに規格の違いがあります。
 
NikonのカメラにはNikonの規格が、
CanonのカメラにはCanonの規格があります。
ということは、Nikonのカメラに、Canonのレンズは取り付けられません。
カメラとレンズを取り付けやすく、取り外しやすく
各メーカーが独自の規格を開発しました。
 
カメラとレンズの組み合わせには各メーカーの独自マウントだけではなく、
フランジバックという別の規格もあります。
 
レンズにはレンズマウント面から被写体がピントを結ぶ撮影素子
(フィルム)までの距離が決まっています。
この距離をフランジバックといいます。
例えば、
Nikonの一眼レフ用レンズは、46.5mm.
Canonの一眼レフ用レンズは、42mmです。
同様に、
Pentaxなどに採用されていてユニバーサルマウントと言われる、
M42スクリューは、45.5mm。
各社での規格差をお判りいただけましたか?
 
 マウントアダプターとデジカメの組み合わせは?
 
では実際に、デジタルカメラと昔のレンズの組み合わせ方を考えてみます。
 
ここで使用するデジタルカメラは
レンズ交換が可能な「ミラーレスカメラ」をお勧めします。
ミラーレスカメラの多くは、フランジバックが短く設計されています。
フランジバックが短いということは、
レンズ本来のフランジバックまで「下駄をはかせれば」正確にピント
をむすぶので撮影が可能になります。
短いフランジバックのカメラは、はかせる下駄の種類が増えます。
この「下駄をはかせる道具」がマウントアダプターです。
 
マウントアダプターは、カメラ側にはカメラ専用の規格が、
レンズ側にはレンズ専用の規格が組み込まれています。
ですので、カメラとレンズの規格に合致したマウントアダプターを用いれば
デジカメと昔のレンズでの撮影が可能になります。
 
 特に、ミラーレスカメラはフランジバックの短さから、
マウントアダプターを介して多くの昔のレンズを
使用することが可能となります。
 
文章にするとややこしいですね、では実際に数字で検証しましょう。
 
前回オールドレンズ紹介で取り上げました
Super Takumar 55mm F1.8を例にしてみます。
このレンズのフランジバックは45.5mm.。
フルサイズミラーレス機の代表格Sonyα7
(SONY Eマウント)のフランジバックは18mmです。
この45.5mm-18mm=27.5mmの差を簡単に言えば
マウントアダプターを介し「下駄をはかせることにより」
フランジバックがレンズ本来の45.5mmとなり、
Sonyα7での撮影が可能となります。
 
ご参考までにですが、
マウントアダプターにはカメラ側のフランジバックより
短いレンズを装着可能にする製品もあります。
これらの製品は、
ピント合わせを可能にするため、アダプター内に
逆望遠型の光学(レンズ)が介在します。
このレンズが介在することによりピント合わせは可能になりますが、
レンズとは別の逆望遠型の光学が介在することで
レンズ本来の味に影響が出るのであまりお勧めできません。
 
Sonyα7は「フルサイズミラーレス機」と申し上げましたが、
フルサイズとは撮影素子が昔のフィルムと同じ24mm×36mmに設計されています。ミラーレス一カメラにはSonyα7のようなフルサイズ機のほかに
撮影素子が、
・15.8mm×23.6mmのAPS-Cサイズ(NikonではDXと表記)、
・13.0mm×17.3mmのマイクロフォーサードサイズがあります。
 
 撮影素子サイズが小さくなるにつれ、
装着するレンズの焦点距離も変化します。
1,フルサイズでは等倍(1倍)、
2,APS-Cサイズでは1.5倍、
3,マイクロフォーサードサイズでは2倍になります。
 
これをSuper Takumar 55mm F1.8で換算してみましょう。
1,フルサイズ機=55mm×1=55mm
2、APS-Cサイズ機=55mm×1.5=82.5mm
3、マイクロフォーサードサイズ機=55mm×2=110mm
上記のようにレンズ自体の焦点距離が大きくなります。
 
APS-Cサイズやマイクロフォーサーズサイズのカメラでは、
標準レンズが、中望遠レンズに変化するということですね。
ただしレンズ本来の設計値である最短撮影距離は変化しませんので、
普通の中望遠レンズとは違う「被写体に寄った」一枚が撮影できます。
 
このように、デジタルカメラとマウントアダプターを組み合わせれば、
国産・舶来とわず世界中のオールドレンズの味を楽しめますよ。


 

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