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2024 ヘグモ式浦和レッズ考察

少しだけヘグモ率いるヘッケンの試合を見たので新生浦和レッズの2024を展望してみようと思います。

♦️ヘグモ式ヘッケン

基本フォーメーション:433(攻撃時逆三角形/守備時フラット型)

vs IFK Norrköping (4-1)

・ビルドアップはGKから足元に繋いでスタート。長短おり混ぜた攻撃。そのリズムの中心にいるのは浦和が狙ってる報道があった11番のグスタフソン。SBとWGの両方が大外レーンを使うのが特徴的。故に真ん中には良くも悪くも広大なスペースあり。

タッチラインを背負うSBとWG

・敵陣ファイナルサードでの攻撃のやり直しは少ない。PA内でのシュートチャンス割合は中央でのパス交換からの崩しもあるが、基本はクロスやWGが仕掛けてからのフィニッシュが多い。

2023 ヘッケンのゴール集(69ゴール)はこちらから

・プレッシング時は中間ポジション意識。人よりもスペースを埋めてそこからボールが出た人にあたりに行くイメージ。奪い方は人から奪うより出されたボールを奪う割合が高い。

スペースを埋めるプレッシング

・ブロック守備は451(4141)。自陣ファイナルサードでは大外の守備はSB任せ。センターレーンはCB。ハーフレーンを埋めるのはIHになる。

451守備ブロック

・セットプレーの守備時は基本的にはゾーン。場合によってはマンツーとのミックスも併用。

♦️今年の浦和と比較してみる

・GKの役割
ビルドアップや守備時に求められることなど今年と大差なし。前から奪いにいくという前評判も聞いていたので裏ケアの負担が増えるかと思いきや、そんなにか?

・CBの役割
守備時の役割はあまり変化せず?特に流れたFWの受け渡しについては今年通りでよさそうなのが継続性があって良いポイント。ラインコントロールについては今年より難しい判断を問われそう。中にスペースがあるので割り切って下げて後ろで回収するかチャレンジしてコンパクトにするか。その選択によってGKのタスクも変わってくるだろう。ただ攻撃時は今年と求められるものが変わりそう。ボールの持ち運びより長短のパスが求められるかも。まずはSBが幅を目一杯とってるためそこへの強いパスが必要。この点においては岩波が課題を抱えているので厳しいか。加えて逆サイドWGへの長いパスが要求されるかも。マリウスは何本か今年もチャレンジしてたが精度は…?ショルツについてはあまりイメージがないので蓋を開けるまでわからず。ショルツがアジャストするか、ヘグモがアジャストするか。前評判だと後者になりそうだが。

・SBの役割
今年と比較すると攻撃参加のタイミングがより要求されそう。ここら辺は組むWGのキャラクターにも左右されると思うが。SBからWGへの縦ラインが1つの生命線になるとしたら荻原右SBなどの逆足SB起用は少なくなるか。守備時は今年よりもインターセプトの意識が必要になるか。見る守備より予測して奪う守備。

・ボランチ(アンカー)の役割
現時点では岩尾が適任か。今年も攻撃時は岩尾アンカーの役割だったので思ってるほど変化は大きくないか。今年のように柔軟に1を2にしたりという中盤構成の試合中の変化はなさそう。守備時にはどしっと構えてディレイさせられるタスクも負うため、(2ボランチ前提に構成されている今のスカッドでは)やや枚数的に物足りなさもある。カモン、グスタフソン。

・IHの役割
このチームの要。Box to Boxで攻守に顔を出しながら前と後ろを繋ぐ役割。「守れて攻めれる」そんな選手が理想。守備時はプレッシング時に前に出ていきながら、ブロック時にはSBが大外に食いついてあけたハーフスペースの穴埋めも行う。フォーメーションの組み合わせだけで「中島翔哉置いておけばいいでしょ」は通用しなそう。そこで救世主佳穂の誕生が現実的か。基本的には敦樹、佳穂、安居、柴戸、(武田)で回すことになるのかな。パン屋さんはこのポジションどうだろう。個人的にはあまり合わない気がするが。

・サイドアタッカーの役割
今年はビルドアップ時にハーフレーンに立つことがあったこのポジションだが、来年は無さそう。攻撃時は「ザ・サイドアタッカー」の役割が求められる。今年よりSBのピン留めと突破が重視されるようになり、ボールに絡む量より質を求められるのではないか。おそらく、佳穂サイドハーフはなくなるだろう。守備時は今年と同じようにペナ前まで戻らなきゃいけないのは継続性がある。この点ではレンタルで出されたモーベルグが仮に戻ってきたとしても厳しいか。プレッシング時は今年よりも「ポジショニング」と「連動性」、「推進力」が求められるだろう。

・センターFWの役割
ポストプレーからの動き出しが重要そう。ヘッケンでは中央スペースが広かったのでポストプレー自体はそこまで難しいタスクでは無さそうだったがJリーグではどうか。全盛期の興梠が正しくジャストフィット。リンセンはお得にワンタッチフリックじゃなくてキープして時間を作るプレーへのチャレンジを求められるのではないか。主観では噂にあがっているキーセ・テリン(マルメFF)はこのプレーモデルに合わないと思うが、どうなるか。

【チームとして:ボール保持】
ヘッケンを見る限りでは、ボール保持率70%みたいなサッカーにはならなそう。今年のチームでは敵陣ファイナルサードに押し込んでもクロスやシュートなどに行けずに作り直す場面が多かったが、そのようなむずむずした展開からは解放されるのではないかという期待もある。ただしそこら辺はスコルジャも名言してたのにも関わらずチームとしての振る舞いは変わらなかったのでヘグモがこだわれるかどうかは1つの大きなターニングポイントになる。

【チームとして:ボール非保持】
基本のコンセプトは今年からの継続性もあるので選手としては困らないのではないか。ただし新監督というのは得てして最初は前から奪いにいく姿勢を見せることが多いのでそれを貫くか否かが最初のポイント。日本人は行けと言われたら愚直に従ってしまうからそこをどう伝えるか。ヘグモとしては全部が全部追って欲しいわけじゃないと思うので誰がその舵取りをするのかは未知数。前の選手主導のPULL型か後ろの選手主導のPUSH型か…。
451ブロックは今年とは違う路線になるので1トップが上手く戦術にアジャストできるかが次のポイント。リンセンには荷が重い気がするがそれは欲張りか。

【チームとして:トランジション】
ボール奪取時の前に追い越す動きは今年よりも増えるだろう。ボールを奪われた際の切り替えは今年の方がヘッケンより早かった気がするのでどうなるか。ヘグモとしてシステムを崩さないための敢(あ)えてなのか、選手の質的にできなかったのか。後者だとしたら継続路線か。

【チームとして:セットプレー】
ヘッケンのゴール集を見るとセットプレーからの得点が多い。浦和としては今シーズン、セットプレーの工夫は見えても中々数字として現れることがなかったので「良いプレースキッカー」の獲得はポイント。できなかったとしても解決しなきゃならない伸び代。コーナーキックの守備は今年同様ゾーンorミックスなのでここら辺も戸惑いなくスムーズに対応できそう。

♦️参考動画(試合は前半しか見てません)

BK Häcken - IFK Norrköping (4-1) Hela matchen Allsvenskan 2023
Aberdeen FC - BK Häcken (1-3) // Hela matchen // UEFA Europa League
BK Häcken - Malmö FF (2-1) Allsvenskan 2022 Hela matchen
ALLA BK HÄCKENS 69 MÅL | Allsvenskan 2023

♦️最後に

・分析の精度についてはご容赦ください。
・伝わる前提の表現、画像選定なのでわかりづらい場合には聞いてください。
・ここまで読んでいただきありがとうございました。

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