シン仮面ライダー感想(ネタバレあり)

見た。見ている最中はいろいろ言いたくなるのに、見終わった後は良かったと言える、不思議な手触りの映画だった。
ニチアサを感じる。

グリッドとカメラワークと感情

見ている最中ドラマシーンのカメラワークの設計が気になった。

X軸:1/2、1/3、1/5、1/8
おそらくこれくらいのグリッドを敷いて、伝えたい感情に合わせて切り替えてるように見えた。

中央:まっすぐに意思を伝える
1/3:会話。信用できる会話
1/5:不安。セリフではそう言っているが確信をもっていない、もしくは嘘。不穏さ。
1/8:客観。印象付けたいシーン。

Y軸:1/2、1/3
1/2:ここに目線を置くとかなり印象的なカットになる。
煽りで対話している時など特殊なカットのみに使用。
1/3:上から1/3の位置に目線を置くのがデフォ。

シンゴジラと比べてかなり緩いレイアウトだと感じた。
例えばX1/8のレイアウトは、シンゴジラでは画面端ギリギリにするのに拘っていた気がする。
画面レイアウトの緊張感は、そのまま気持ちの緊張感と誘集中につながる。
その意味ではシンゴジラと比べてかなり気軽に見れる印象だったと思う。
これは、ゴジラが映画作品なのに対して、仮面ライダーはテレビ作品であり、その印象を引き継ごうとした結果なんじゃないか。
とはいえ、ここはキメたいというようなカットはカッコ良さ最優先でバチバチにレイアウトが決まっており、演出の意図によってどっちも選べる強さを感じた。
アクションシーンも、なんかめちゃめちゃやってるけど何が起きてるかよくわからないシーンから、バチバチに決まっているシーンまで多様で、
「めちゃめちゃやってるなあ(笑)」と「ウオーかっけー!」と多様で楽しい映画だった。

それで見終わると「ウオーかっけえ!」というシーンしか残ってない。これが最初の手触りの不思議さの一端を作ってるんじゃないだろうか。



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