レビューのキキメが大きい4つ | ソフトウェアテストシンポジウム 2019 新潟 JaSST'19 Niigata 参加レポート

7月19日に行われた、JaSST'19 Niigataに参加してきました。http://jasst.jp/symposium/jasst19niigata.html

2000字超えちゃいそうだったので、
「レビューのキキメ ~あなたのレビューは何のため?」安達 賢二 氏(HBA)
だけにフォーカスしてします。
また、私なりに発表を受けて持ち帰りたかったので、発表順でなかったり、項目はまとめ直しています。

ココだけは読んで!:私にとってレビューの「キキメ」が大きかった4つ

私にとって「キキメ」が大きい部分を4つに厳選します。

1. 成果物を斜め読みをして、指摘レベルの低い箇所が多い場合は差し戻す
質が低い成果物をレビューしても意味がないです。

2. 成果物に記載がないことを説明した場合には、作成者がその場で赤入れする
成果物に記載がないことは、レビューに参加していない人が認識できません。
さらに、成果物の作成者がレビューを終えると、チーム全体に共有したと勘違いします。

3. レビューの問題地図を眺めて、ROIが高い問題を最初に改善する
レビューの問題地図を眺めると自プロダクトにどこに問題があるか?問題を解決するとどれだけ効果があるか?を割り出せると思います。
(自社だと「成果物がレビューするに値しない状態」ですかね…)

※1 ブログ・SNSはOKとお聞きしましたが、レビューの問題地図は載せて良いのかな…?

4. 人間特性を理解して、ROIが高いレビューをする
人間の短期記憶の容量は7個です。
(最近だと4個になったかもしれません)
http://www.scholarpedia.org/article/Working_memory
レビューチェックリストが大量にある場合には、今回のレビューではチェックリストを7に絞る!など目的を決めましょう。

レビューの目的とは認識の統一である

「欠陥」の検出が目的となってませんか?

「理解」や「認識の統一」の背景があってこそ「欠陥」の検出ができます。
レビュー前後で以下の状態となることが目的です。

レビュー前:関係者の認識が似てる
レビュー後:関係者の認識が統一する


レビュー指摘には「目的(観点)」がある

「欠陥」を検出後に、欠陥の振り返りはしていますか?

1.  "欠陥" を検出した
2. どのような "レビュー" で "欠陥" を検出できたか?
3. どのような "観点" で "レビュー"をしたのか?
4. どのような "目的達成" のために "観点" を作成したのか?

上記のようなナレッジは共有すると、質の良いレビューができます。
観点リーバスと言われていましたね、その言葉使わせてもらいます!

レビューの質が悪くなる「要因」は2つある

1. レビュー依頼されてからのフィードバックが遅い
レビュー依頼された後に、リードタイムを少なくフィードバックしていますか?

レビュー依頼者も作成してから時間が経つと忘れてしまいます。

2. レビュー対象の質が悪い
質の悪い成果物をレビューしていませんか?

斜め読みして、指摘レベルが低い箇所が多い場合は差し戻しましょう。


ソフトウェアを作るのは「人間」であるので、「人間」を理解する


1. 人間特性を理解する
レビュー時にすべての観点でレビューしていませんか?

人間の短期記憶の容量は7個です。
レビューチェックリストが大量にある場合には、今回のレビューではチェックリストを7に絞る!など目的を決めましょう。

2. 認知バイアスを理解する
レビュー依頼者の背景に関わらず、チームメンバに対して同じようなレビューしていませんか?

作成者の背景、性格から成果物の特徴が出てきます。
そこから想定される欠陥を予測することが重要です。

例えば、「誤字脱字が多いけど、論理組み立ては間違っていないから、誤字脱字は一旦置いていこう」や「深夜遅くまでやっていたな…ちょっと注意深くレビューしよう」などです。

レビュー改善は、「ROI」を意識する

1. レビューに力を入れるべき箇所は均一ではない
プロダクトのリスクを考えないで、レビューしていませんか?

プロダクトリスクから重点レビューをする場所を決めましょう。

例えば、
1. 湯沸しポットで一番リスクがあるのは火傷と決定した
2. 火傷を発生する要因を重点的にレビューする

2. レビューの問題地図から改善点を洗い出す
レビューの問題点見つけたら、手がつけやすいものから改善していませんか?

小さい工数で大きい効果がある問題点を改善しましょう。
1つの問題点を解決すると他の問題点も連鎖的に解決することも多いです。

あとがき

私自身に「グサっと」刺さる指摘が多々ありました。
しかし「グサッと」痛みがあるということは「キキメ」の効果が大きいものです。
これらの「キキメ」は自社にフィードバックしていきます。

懇親会も新潟の美味しい日本酒やお魚を肴に大変に盛り上がりました。
楽しすぎて終電逃して満喫泊まって、次の朝に帰りました。

そして、JaSST Niigata実行委員会に立候補してみて、実際に進みそうなので頑張ります!

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