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多肉植物の居場所を作るためにデッキを作ったら、「デス」が消えた。

ベランダデスバレーのデス渓谷問題

コロナ下であまりに緑が恋しくて
小さな多肉植物の苗を10鉢も買ってしまったものの、
鉢を置けるところがエアコンの室外機の上しかないことに気づいた私。

慌ててベランダに植物用棚を置くことを考えました。
しかし、そこは「ベランダデスバレー」環境が厳しいだけじゃない。

我ベランダは雨水が溜まらないように?
窓に向かって左側の全体の1/4程度が極端に下がったデザインになっていて、
その深さは実に窓枠から23㎝も下がっている。
まさにデス渓谷。
浅いところが15㎝なので、その差は8㎝!
普通の棚を置いたとしても一番下の23㎝は使えない。
そう言えば、この窓からベランダに出るのは高低差がきつくて
長く使ってなかったんだっけ。
でも、棚を置くならこのデス渓谷しかない。

「どうしよう。」
それまでは洗濯物が干せて、
その洗濯物がちゃんと乾けばそれだけでも良しと考えていて、
さらにデス渓谷は洗濯物を干すためにさえ使っていなかった。
今のままではいつか湿気で多肉植物が枯れるのは目に見えている。

「そんな事は多肉植物を買うときに気づけよ!」
と自分にツッコミを入れるけど、買ってしまった今となってはもう遅い。

絶望感を噛み締めつつ室内からベランダを眺めていて、
ふと気づく。
あれは….なんだっけ?

窓に貼り付けた1枚のティッシュペーパーが起こす2つ目の奇跡

デス渓谷前の窓枠でふわふわと浮かぶように揺れているそれは
室内の風の流れを見える化するために貼り付けたティッシュペーパー。
(気になる方は「クリスマスの奇跡とベランダデスバレーに降り立つストレンジグリーン」をご覧くださいませ。)

「そうよ!ベランダが乾燥する仕組みが作れれば
 多肉植物を心置きなく置けるじゃない!」

思い立ったら即行動あるのみ。

デス渓谷は
6畳の洋間の半分、幅120㎝の窓の前にあり、
正面は高さ110㎝のコンクリートの板壁で
続くベランダよりも20㎝狭い奥行き80㎝幅110㎝の窪んだコの時の箱型で、
特に南風の吹く雨の日は湿気が溜まり、滞留しやすい構造だという事は
以前からなんとなくわかっていました。

それを「テッシュで風の見える化方式」で見てみると
晴れた日でも風は入ってくるものの、
その風が壁に当たって上下に分散し、
下に回った風は滞留して抜けにくい事がわかりました。
見える化って大事!

やはり最低でも数十センチは高さを上げないとダメかもなぁ。
一軒家だったら屋外デッキを増設とか、できるんだろうけど…..。
いや、まてよ。
デス渓谷は隣の部屋と繋がってるわけじゃないから
構築物を置いても消防法に引っかからないんじゃない?
それに、デッキといっても自分が乗っかる訳じゃないから
それほどの強度も要らなくない?

スノコが起こす3つ目の奇跡

強度が要らないことで真っ先に考えたのがスノコを置くこと。
コロナ対策で完全防備をして、ホームセンターが開いていることを確認して
長さ90㎝、幅70㎝の木製スノコを購入してくると、
寸法を見てお察しの通り「帯に短し、襷に長し」
長さ90㎝だと縦置きでは10㎝長すぎ、横置きだと70㎝で10㎝足りない。
「そりゃそうよね。」と笑っていて、
ここでまたふと思いつきます。

長さを10㎝切り取れば室内の床と同じ高さのデッキにできるんじゃない?

早速スノコを切ってデス渓谷に仮置きしてみると、
思いの外景色がいい!
しかも、仮置きした状態でデス渓谷の風の動きに大きな変化が!
それまで渓谷に吹き込む風は壁に当たって上下方向に分かれていたけれど
スノコの隙間を風が通るようになったことで、
全ての風が上向きに流れるように!
この流れは想定外で、
理論的には風は隙間を通る時に風速が上がるというもので、
身近なところではビル風が強くなりがちなのと同じ原理に当たるそう。
隙間を吹き抜ける風の風速が上がることで、後ろの風も引っ張られるので
ベランダデス渓谷のような狭い範囲なら
風の向きは常に上向に誘導する事ができるようになるという
スノコ優秀!画期的!

後ろでウズウズしてるやつ

ただスノコを壁に引っ掛けて仮置きしただけのデッキを見て
テンションを上げていたのは私だけではなかったようで
2匹の猫たちが
私の隙を見てふわふわの足をデッキに乗っけた時には寿命が縮まりました。

猫も楽しみにしているなら、もはや私を止めるものはありません。
用心のため角材で9箇所の足を作り、
コンクリの床が傷まないように足の下はゴム材をかませ
その上にスノコを置いて簡易デッキの出来上がり。

ただ、スノコの隙間から噴き上がってくる風は
猫にはやや強く感じられるようだったので、
100均で角材を買いスノコの隙間に置きました。
スノコの隙間と角材がジャストフィットだったのも嬉しい誤算です。

角材の配置を工夫して、風抜け穴を壁の2方と窓側の1方に設け、
デッキの中心は床にしたことで、
窓側は常にエアカーテンのようになり、冬は結露がしにくくなり、
壁側2方の風の流れと合わさると軽い竜巻効果も生まれて、
デス渓谷に吹く風は常に下から上に吹上げ、そのまま外に吹き抜ける。
少なくとも多肉植物が好むとされる乾燥した環境になりました。

そして、床の色を白く塗ったことで明るくなり、
ちょっとだけ温度も上がって
猫たちは格好のお昼寝場を手に入れることになりました。

しかし、猫が寝るなら、多肉植物は平置きできない。
このままでは領地(床)を巡る猫と多肉植物の争いが勃発しかねない。

どうする、私。


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