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土壌改良に「種土を作る」という選択はどうだろう。

リフォレスターは畑向きではないけど、応用はできる。

ここまで腐葉土の謎に迫って来ましたが、
ここからは、畑の土壌改良について私見を述べたいと思います。

まず、リフォレスターは
「中低層の主にマンションに特化した新感覚の土の再生方式」
としていますが、
リフォレスターとは結局何なん?と問われた時、
一言でキャッチーな表現ができず、
こんな感じの言い回しになってしまっているのです。

なぜって、腐葉土を作るものでもないし、
コンポストのように野菜くずを肥料化するものでもないし、
土の質自体を変えるためのものと言うには、
改良作業としてはほぼ最初だけ。
では、「土づくりをするもの」と表現すると、
それはそうなんだけれども、
場所の関係で入れるものを制限しているのに
それでも「土づくり」と言っていいのかと言われると、考えてしまいます。
(「土づくり」であってそうな気もするけど…)

なにせ、リフォレスターは新感覚の土再生方式ですから、
パッと見は土に野菜くずを混ぜ込んだだけで、
そんなの邪道ですからね。

そんな表現し難いリフォレスターですが、
この土の再生方式の、「方式」部分だけ応用すれば、
地面の畑でも、
かなりの短時間で有用な土壌菌を増やすことができる可能性がある
ことに気がつきました。

今回はその方法について書かせていただこうと思います。

種菌ならぬ「種土」を作るという考え方

奇跡のリンゴの木村さんが考える土壌改良が自然の力に戻す土作り
なのであれば、
私が考える土作りは料理や、調味料からヒントを得た
「自然の土にできるだけ近づける土作り」と言えると思います。

目指すところはきっと同じだけれど、
私の場合はもっとゆるいし、ハードルも結構下げる。
すでに出来上がってしまっているものも
否定しないで活用したい。
それは、一度人がいじった土は
人間の寿命くらいの時間では自然に戻すことは難しいし
作物を育てている以上は自然になり得ない。
だから、現代農業よりは
自然に近い土質を目指す土づくりの考え方になると思います。

ポケモンでいうところの野生化したミューツーを目指すって感じ。

それを実現するのが私が考える「種土方式」

「種土方式」とは、栄養と微生物が詰まった
「微生物濃縮土」を作り、それを畑に漉き込むことで
効果的かつ、効率的に畑の土の微生物を増やすことを目指す方法です。

まぁ、ピンと来ませんよね。

実はこの種土方式を語る上で、
どうしても書かなければならなかったのが腐葉土のお話なんです。
そもそも完熟腐葉土の有用性は
野菜の吸収されやすい形に分解された養分と、
腐葉土内にいる分解微生物を畑に入れることにあります。

けれど、この「腐葉土に含まれる微生物」は
果たしてそもそも土の中を住処にしている微生物なんでしょうか。

腐葉土は人間から見たら土に近いところにあるものですが、
土の側から見たら土の外側にあるものなんですよね。
そもそも土の外側にいる微生物を
いきなり土の下に入れて、ちゃんと働いてくれるのか?
いままで葉っぱを食べて来たのに、葉っぱのない環境で生きていけるのか?
もっと言えば、それまで植物に囲まれていたものが、
全く素性の異なる無機物の中に入ってそれまで通り生きて
活動することができるのか。
そこの部分が疑問でしかありません。

もちろんこれまでの実績から、
ある程度の微生物は土の中でも活動しているようですが、
もしかして、人が考えるほどの量の微生物は入らないんじゃないかと。

だとすれば、
もっと効率的に土の中の微生物を増やす方法を
考えた方が良いのではないかと思うのです。

やっぱりヒントは身近にあった

親の仕事とは結構大変なもので、
特に1番頭を使うのが食生活なんですよね。
毎日の献立を考えるのは若いうちは経験も少ないので苦行に近い。

けれど、家事の中で1番評価がわかりやすいのも食事で、
美味しいと言われれば嬉しくなるので、料理の腕を上げようと頑張ります。
子供たちが成長するのに従って、季節のイベントに時期が来ると
パンを作ったり、お菓子を焼くこともあったりします。
経験が重なって、できることが増えれば
自分自身が食べたいものも自分自身作ってみたいと
方法を調べることも増えてきます。

そんな日常の料理の世界に効率の良い土を作るヒントはありました。

わかりやすいところで、
種菌から作るヨーグルト。もしくはパン作り。
どちらも、スタート時には少ない菌を一旦濃縮状態で増殖させて
その後何倍もの範囲に一気に菌を繁殖させ
効率的に発酵する方法をとります。

どちらも最初から広範囲に混ぜ込むのでは、
短時間で効率的な発酵はできません。

もしかして、土の微生物も同じことが言えるのかもしれない。
そう考えたのです。

パンで言えば、
イースト:農業用微生物資材
砂糖、塩:植物素材(落ち葉、雑草、枝など)
ぬるま湯またはミルク:水
小麦:土
と言ったところでしょうか。

考え方として、
イースト、砂糖、塩、ぬるま湯はワンセットで
微生物を増殖させるものですが、
ここでのポイントは、
増殖する微生物を小麦の役割となる「それなりの量の土」に混ぜ込み
馴染ませた中で、さらに増殖を促すことにあります。

あらかじめ微生物を土に馴染ませ増殖させることで
畑の土に混ぜ込んでも限りなく違和感を抑えて
増殖活動を継続できるようにすることで、
短時間で広範囲の土に効率的に微生物を増やすことができる
のではないでしょうか。

リフォレスターでも再生していない多肉植物の土に
リフォレストした土を種土として加える実験をして、
めざましい成果が出ているので、
この方式は畑でも結構いけると思います。

微生物の選定は土にあったものを探すべき

この種土方式では、
方式自体は汎用性がありますが、
種土用の土は実際に野菜を植えている畑の土を使い、
微生物資材の種類や植物素材はその土にあったものを
探す必要があるように思います。
何度も書いているように、カルスNC-Rにも土の好みがあったり
土壌菌は苦手なようなので、
畑ではリフォレスターほど顕著な効果は期待できないと思います。
畑で使う場合は、他の微生物資材とも組み合わせる方が
良い結果が出る気がします。

また、種土を作る際は、
適切な資材を見極めるまでは地面から離した場所で試した方が
良いと思います。

量としては、入れている腐葉土の容量に対して
畑の土は10分の1くらい。
そこに微生物資材と、普段入れている動物の糞系完熟肥料を混ぜ込んで、
腐葉土の植物片がほぼなくなって全体が土化すれば種土の出来上がり。

微生物資材は気持ち多めの方が良いし、
糞系は完熟である必要があります。

日照が十分な畑で収量を考えるのであれば
鶏糞では弱いかもしれません。
微生物の種類を増やす目的であれば
畑なら鳥のふんはいつでも落ちてくるから
わざわざ鶏糞にこだわらなくとも良いような気もします。

畑に漉き込むタイミングは、
種土がほぼ土化していて、キノコの匂いもしない状態であれば
遅くとも植え付けの直前に畑に混ぜ込んでも問題はないと思います。

腐葉土ではなく、植物残渣を使いたい場合

腐葉土ではなく、育てた野菜の残渣や
雑草などの植物残渣を使いたい場合は
コツさえ掴めばやれないこともないと思いますが、
それだけでは質の良い種土はできないと考えるべきで、
対処方法として私が勧める材料は認められない人の方が
多いかもしれません。

都市部で捨てられてしまう落ち葉は別として
基本的に私は樹木の落ち葉は樹木に使い、
畑を優先するのはすすめたくはないのです。

なので、使う植物のうち樹木の落ち葉や小枝は
全体の2割くらいと考えて、
残り8割の植物素材について考えます。

キモは甘いか酸っぱいか

種土に入れる植物については、
その植物の「甘さ」と「酸っぱさ」のバランスをとることを
意識することが大切になると思います。

リフォレスター実験でわかっているのは、
夏野菜と冬野菜の野菜くずで土質が変わることや、
野菜の茎や葉といった残渣によっても土質が変わることです。

ナス科やウリ科の多い夏に比べ、
大根やにんじん、油菜科でも
複雑な形状のキャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、
かぼちゃ、芋類などは野菜くずであってもふかふかで
甘い香りの土、つまり栄養価の高い土になります。

これを甘さと酸っぱさで表すと、
夏野菜は甘味が少なく酸味がやや多く、
冬野菜は酸味より甘味が多い。
この甘さは分解スピードにも少なからず影響し、
甘いものほど分解は早い傾向があります。
とうもろこしは酸っぱい系。

また、食べられない茎や葉などの野菜の残渣のうち、
さつまいもの蔓や葉以外は
概ね「酸っぱい」ものだと考えて良いと思います。

甘さや酸っぱさについては、腐るスピードからも推測できます。
腐りやすい残渣は「甘い」傾向があり、
なかなか腐らない残渣は「酸っぱい」傾向があります。

これらを踏まえて、
甘い系のものと、酸っぱい系のもののバランスが同じくらいになるように
種土に入れる植物素材の選定や配合を行えば良いのです。

良いのですけど、この程度の説明では
具体的なことはわかりませんよね。
ですので、続きは次回に。


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