見出し画像

じゃぁコンポストの肥料で植物が育っている理由は何なのさ。

リフォレスターとコンポスト、キエーロの違いについては
こちらを読んでいただければとおもいます。

今回はリフォレスターもキエーロも結局は微生物を使って
土を育てているのだけれど、
植物にとって微生物を使う最大のメリットって何なのさについて
お話します。

むしろ耕しているのは虫やキノコ系の菌やミミズだけではない?

世間一般の常識では
ミミズや虫やキノコ菌なんかが落ち葉を分解して、
残った植物片が土の中に物理的な空間を作るので
土がフカフカになるとされています。
しかし、実際は物理的な空気の層だけでは植物にとって
良い土とは言い切れません。
この土の構造を超拡大して目に見えるものに置き換えると
それは松林の松葉の堆積構造と良くにています。
松葉でなくても、針葉樹の根本の落ち葉構造も同じ感じ。

物理的空気の層が植物の成長に有用であれば、
針葉樹の根本にも多くの雑草が茂っても良さそうなものですが、
実際はあまり見かけることはありません。
もちろん成分的なものもあるでしょうが、
もっと簡単に、空間が多すぎて根が張れない、
あるいは根が踏ん張れないからなんです。

それと、ミミズや虫やキノコ菌なんかは
たしかに土作りの功労者ではありますが、
農作物にとっては好ましくない場合もありますし、
何より、分解者の労働力としてはそれほど優秀とは言い切れません。
一言で言えば、「高性能だがコスパはいまいち」って感じ。

「いやいや働いてるでしょ」という声が聞こえますが、
働いてはいますが、土全体の労働力としては絶対数が足りないのです。
なぜなら、彼らは目に見える食物連鎖の中にいるからです。

目には見えない、目視しにくいものが世界を動かしている

人間は目に見えるものが世界の全てと思いがちですが、
実際に世界を動かしているのは目には見えないものの方が
圧倒的に多い。

宗教とか思想の話ではないです。

例えば、人の体もそうです。
人が認識しているのは目に見えて認識しやすい「人のかたち」
ですが、実際は数え切れないほどの細胞で構成された器の中で
赤血球やリンパ球、マクロファージ、骨芽細胞、ニューロンなんて
顕微鏡でなければ確認できないほど小さな生き物たちが活動していて、
更に、腸には乳酸菌系のもの、肌には常在菌と呼ばれる防衛軍も
雇っていて、それらがすべて揃って人は人として成り立っています。
「はたらく細胞」みたいになっちゃったな。

この考えをもとに土を見るとき、
ミミズや虫やキノコ菌なんか防衛軍みたいなもので、
顕微鏡でなければ確認できないほど小さな生き物たちが
何億種類もいると言われている微生物。

土自体は人の体と同じく複合体で成り立つので、
ミズや虫やキノコ菌なんかも、鳥や動物も、草木も
虫も、微生物もどれも必要なんだけど、
一番の働き者はなにかといえば、それが微生物たちなんだと思うというか、
微生物ですわ。

良い畑の土は呼吸する

特に晩秋から初春にかけて、主に日の出の頃に
良い畑の土、良い大地の土では
微生物の活動の一端を見ることができます。
それが、土からゆらゆらと立ち上る湯気のような水蒸気。

リフォレスターでは、特に米ぬかを入れたときに起こる
発熱現象で微生物の呼吸を確認することができます。

実際には呼吸ではなくて微生物が土の中の不純物を分解する際に
生成するバイオガスなんですが、
このバイオガスこそが土をフカフカにすると言うか、
フカフカにしているからくりだったんです。

微生物だけで完結できるのは容器の中だけ

私が「微生物の呼吸」と呼ぶ理由は、
バイオガスは外へ排出されるもので、
排出して空いた空間には空気が引き込まれるので、
吐いて吸う呼吸と同じと考えて「微生物の呼吸」としています。

植物にとって、この「微生物の呼吸」のメリットは、
・土の中の温度が必要以上に上がることを防ぎ、
 同時に必要以上に下がらないこと
・寒い時期では地表すれすれに温かい空気の層ができること
・バイオガスの通り道は微細なので根を傷つけないこと
・植物自体が発生させるガスも排出してくれること
・分解された植物片は植物が吸収しやすい養分となること
それから、微生物が多い土では、虫や菌、病気が繁殖しにくいという
おまけまで付いてきます。

実際、リフォレスター4年目にして、
リフォレスターの中や土の中に昆虫は発生していませんし、
きのこも生えてきません。

コンポストでは主にEM菌と呼ばれる微生物を使っていますが、
EM菌も微生物には違いがないので、
生成された肥料に含まれる微生物が畑やリフォレスターと同様に
プランターの土の中で呼吸していると考えても不思議はありません。

なので、
「じゃぁコンポストの肥料で植物が育っている理由は何なのさ」
の答えは、
「肥料の中に含まれるEM菌がプランターの土の中で呼吸しているから」
というのが今回の記事の答えになります。

肥料分に関しては、土成分とは関係しますが、
土質とは直接関係しないと考えています。
この考えのヒントをくれたのはこちらの話。

コンポストもリフォレスターも
どちらが正解でどちらが優秀かというものではなく、
着地点は同じで、方法が異なるものだと思います。
コンポストは肥料を育て、
リフォレスターは土を育てる。
という感じでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?