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クリスマスの奇跡とベランダデスバレーに降り立つストレンジグリーン

土再生までの軌跡は、クリスマスの奇跡から始まったと言えなくない。


コロナ大乱元年の春。
緊急事態宣言を受け自宅待機を余儀なくされていたていた4月から5月は、
1年で最も美しい、草木が芽吹く頃。

この時の私は、
コロナ以外にもあまり外に出にくい事情を抱えていました。

コロナウィルスが静かに日本に迫っていた前年12月のクリスマスの日。
長年抱えていた大きめの病巣を取り除く手術を受けており、
人生3度目になる勝手知ったる黄泉の道に片足をかけていたのに
今度もまたこの世に引き戻されてしまうという経験をしていて、
思いがけず生還して最初に思ったのが、
キムタクさん主演のドラマ「グランメゾン東京」の最終回が見れる。
でした。

人生をほとんど諦めて病と共に人生を終えようとしていた私が、
それでもきっと生きたいと心の底では思っていて
あの時期そんな私の心の僅かな希望を繋ぎ止めていたのが
「グランメゾン東京」だったのだと思います。
再放送されなのが本当に残念。

さて、手術は当初24日予定だったのが、
入院直後に1日延期となって25日の昼頃になったのですが、
クリスマスの奇跡なのか、病巣はガン化しておらず
死にかけたわりには術後3日目に起き上がれてからは、
痛みは厳しくてもどこか体は軽い感じで動くので、
ナースの皆さんがドン引くほど、といっても大したことはできないけれど、
ともかく目覚ましい回復を果たします。

会社にもひと月ほどでぼちぼち復帰させてもらましたが、
傷の具合も後遺症も
正直に言えば、結構辛かった。

緊急事態宣言はそんな中で発せられたので
不謹慎ながら私には有り難くもありました。
病院へ通院できないことを除けば。

室内の風を捕まえたい

もともと活発な私でしたが病巣が拡大していく間は
体自体がそこまで無理もできない感じだったので
どこかに行けない事ははなから諦めていて、
諦めると決めてしまえばそこまで苦でもなかったのです。

しかし、病は消え、思いがけず寿命が延びてしまうと
外に出たい欲求と、緑に触れたい欲求が戻ってきて、心がざわつきます。

でも、まだ傷が癒えていない体でウィルスが蔓延している
外を歩き回るのは剣呑だし、そもそも体力も全然回復していない。
でも、なんかやりたい。
なんかやってないと落ち着かない。

あれこれ悩み考えて、
まずは、コロナにかからないように部屋の室内環境、
特に換気がちゃんとでるようにしよう!と思い立ちます。
ニュースで換気が大切と言われていましたからね。

でも、換気のための風の流れってどうやったらわかるんだろう?

時はおりしも端午の節句前。
コロナ禍でもたなびく鯉のぼり。

「そっか!」
用意したのはテッシュペーパーとマスキングテープ。
ティッシュペーパーは2枚重ねなので、剥がして1枚にして
1㎝くらいの短冊に割きます。
片側にマスキングテープを付け、それを
ドア、鴨居、柱、天井などあらゆるところに貼って準備OK。

テッシュペーパーの短冊は弱い風でも揺れるため
室内の風の流れが手に取るようにわかります。

ドアの角度、窓の開き具合で外気からの風の流れは微妙に変化する。
これはこれで、役に立つしなかなか面白い。

多肉植物を知る

同じ頃、緑が恋しくて園芸植物の画像を眺めていて出会ったのが
エアプランツと多肉植物。
水がいらない?枯れにくい?
もしかしてこれならベランダにおいても枯れないかもしれない。
サボテンの仲間というけれど、棘がなければまあいいか。
思ってる緑とは違うけど、ひとつ購入してみるか!

近所にある園芸店は緊急事態宣言の中でも営業していて、
確かに吹き抜けがほとんどなので換気はバッチリなので、
営業していても問題ないのかなと。
それより身近で植物を眺められるだけでも憩えるので
本当にありがた方のですが、
そこにひと鉢150円の多肉植物が売られていました。

ひと鉢はデイジーの花1枝ほどの大きさで、
色形は見たことのない奇抜なものばかり。

早速10種10鉢ほど購入して帰り、あっさり絶望します。
我が家のベランダデスバレーには小さな植物を置く場所がない。


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