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親の自立

 子育てをしていくと願いは子どもの自立にだんだんとなってきます。最初は立つだけでも嬉しかったのが、次から次にできることが増えて、成長が嬉しく眩しく見えてくるのだけれど、最終的には「親から自立して一人で生きていけるようになってね。」というところだと思うのです。

 自分が子育てしてきても思うし、教育の現場にいても思うのは、もちろん子どもの自立への願いは強いけれど、まず親自身の精神的自立が大切だなあと思うのです。自分を省みて自立していないのに、子どもに偉そうになかなか言えないところがありますよね。ただ、残念ながら大人は経済的に自立していたら精神的にもちゃんと自立していると錯覚しているところが多くて・・と思うことが多々あるのです。

 かくいう自分もその一人。自分ではできているつもりでいても、いやはや依存していたり、ごまかしたりしている部分あります。
我が子はちゃんとしっかり見ているので、時々ズバッとおっしゃるのです。「あれ、ー言われてしまったなあ。」という不意に突かれた恐ろしい一言。ほとんどの大人は見て見ぬ振りの方が楽なのでスルーするのですが、そこを一瞬立ち止まって正面からガッチリと受け止められなくとも、「?!」ぐらいに気にできるところから始めるのは悪くないと思うのです。

 私も辛い体験が多かったので、口癖が「まっいいか!」だった時期がありました。正面から受け取って感じていったら辛すぎるから、誤魔化すんですよね。恐ろしい習慣でだんだん麻痺してくる。でも現実はごまかした分だけ雪だるま式に大きくなっていって、ある日ドカーンと大きな出来事でやってきます。もう逃げることもできないほどに。

そんなことを繰り返しているとほとほと疲れてきて、やっぱり誤魔化さずにちゃんと感じていかないと・・・と気づく訳です。ずっとその繰り返し。
でも、気づいてちょっと行動を変えて、また、ちょっと気づいてちょっと行動を変えていくと、だんだん誤魔化さなくてはいけないような状況が減っていく訳です。本当に不思議です。

 そうです。それがだんだんと自立に繋がっていくみたいです。大人だから、親だからと上から目線で、自分のことを棚にあげて正論を語り出したら、どこかに盲点があります。子どもと同じ目線ではっきりと言える。大人の力を行使しないだけでまずは初めの一歩だと思います。親の前に一人の人間としてちゃんと立っていること。それが親の自立のワンステップだと感じています。ちゃんと立てていたら、子ども気持ちも自分の気持ちも感情的にならずに客観的に見ることができるようになっていきます。そうすると親子の関係性はますます心地よくなり、この家族で縁をもてて良かったとどちらもが思えると思うのです。

 子どもの自立の前にやっぱり大人の精神的自立が不可欠ですね。

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