見出し画像

直感を信じる

 生きていく中で選択に困ったり、どうしたらいいかわからなくなった時は、頭で考えることを一度手放します。考えれば考えるほど、堂々巡りの迷路に迷い込むことがわかっているので、思考から離れることにしています。そして、自然の中を楽しんだり、プールで泳いだり、ご飯を作ったりして、頭を使うところから違うところを使えるようにしています。

 学校で子どもたちに最初に教えていることの一つに「五感」があります。これは教育者となってから、ずっとずっと何年も言い続けていることです。やっと時代が感性とか感覚を大切にする方向へ向いてきたので、頭だけではない感覚を使う大切さに共感してもらえるようになってきています。「五感」はご存知の通り五つの感覚。視覚・聴覚・臭覚・味覚(口感覚)触覚(皮膚感覚)です。ビジュアルで物事を取られる視覚感覚は、現代っ子のとても得意な分野です。TVからYouTube、映像での理解は大好きなところです。今流行りのポジティブイメージするというのも視覚をおおいに使っていると思います。聴覚は聞く感覚。耳からの感覚で、これも音楽大好きな人が多く携帯等の発達で片時も話さず聞いている人も多い世界です。臭覚は鼻感覚。美味しそうに見える料理も鼻を塞ぐと味がよくわからなくなるというぐらい感覚の鋭いところです。味覚は食べ物の味に特化していますが、言葉を話すことも感覚の一つに入っているような気もしています。最後の触覚。身体全体の皮膚感覚。特に手の感覚が優っていますが、全身どこでも皮膚は感じていると思います。

 この五つの五感をしっかりと使えていると、感覚理解が高まってくると思うのです。よく子どもたちに言っていたのは、作文を書くときに、見たこと、聞いたこと、嗅いだこと、食べたこと、触ったことが具体的に書かれているとそれだけで素晴らしい作品になるし、そこへ感覚から感じたことを書いたら素敵な作品になると教えていました。大人になってもこの五つの感覚をしっかりと日々使えていたらとても感性の豊かな人になると思うのです。

 そして、五感をしっかりと使えるようになったら感性の豊かさの次の段階として、五から六へといく、第六感になると思うのです。そうです。第六感は虫の知らせと言われたり、直感と言われたりするものです。直感を働かせたかったら、まずは五感から。そして自分自身の感覚を信じられるようにだんだんなってきたら、第六感、直感の感覚が研ぎ澄まされてくると思うのです。

 ただ、直感も多分最初から全て正しい訳ではなくて、何回も何回も直感を使っているうちにそれが自分にとって信頼に値するかがわかってくるような気がしています。自分の直感の声や感覚が自分自身で信じられるまで、磨き続けることが大切なのだと思うのです。

 小さな子どものころは、きっとそんなことも意識しなくてもごく自然に自分の直感の感覚に自由に従っていたのだと思うのです。そこへ成長の段階で、親や周りは良かれとしてのことだけれど、自分の感覚とは違うことがよしとされてだんだん上書きされて自分感覚が鈍くなって大人になってしまったのだと思うのです。

 自分の直感を信じるに値する自分でいたい。なんとなく行きたくない。なんとなくこれがしたい。なんとなく今はここだ。こんななんとなくな理由をはっきりと言えないけれど、自分の中から沸き起こってくる感覚を今は一番大切にしたい時期だと思うのです。自分を信じるところからはじめの一歩です。

ありがとうございます。サポートいただいたお金はワークショップ開催等の費用に充てさせていただきます。