見出し画像

[実録]神仏との対峙 - エピソードトゥエルヴ 神の妙技

前回の続きです。

前回の記事で、天界で神(以下、龍神)がやらかした事象が下に伝わってきて自然災害となるというお話を書きましたが、逆にいうと災害を止めることもできるんだ?と思った話を書きます。

師匠はよく「私が目の黒いうちは私たちが住んでる地域で大きな地震を起こさないように天界の奴らに言ってある。」と言っていました。

そういえば、師匠とやりとりするようになってから、地震にあまり遭わなくなったなぁとは思っていました。

そしてある日、え?と思う事態が発生します。

家でお昼時にテレビをつけたら、画面一杯に震度6強の地震が起きたと映し出されました。どのチャンネルを変えても地震速報になっていました。

地震が起きた地域をよくよく見てハッとしました。なんと震源地が師匠が住んでいる地域のすぐ横・・・師匠の地域は震度6弱と出ている。

とはいえ師匠は大丈夫な気がすると思いつつも、急いで電話しました。

そしたら案の定、いつもと変わらない調子の師匠が電話に出ました。

「地震、大丈夫でしたか!?」

と聞いたら、「あぁ、それがさ、変だったよ。」

「変?」

「確かにうちの地域は、震度6弱揺れたようなんだけどね。それが、家にいたら急にビーーーーーンって小刻みに家が共振するような音が聞こえて、それで終わった。」

え?

「空のペットボトルすら1本も倒れなかった。」

師匠は続けます。

「こんな器用なことできるのは、妙見お前だろ?」

話しかけられて、おじいちゃんが私の体に降りてきて話し始めました。

「やった」と。

「お前、うっかり地震起こしてしまってやばいと思ったんだろ?逆の方向から同じだけの強い振動を起こして揺れを相殺したな?」

おじいちゃん、コクリとうなずく。

「お前、器用だねぇ。」

褒められて、おじいちゃんニヤリと笑う。

師匠は私に向かって

「妙見は地龍だよ。地面の担当。妙見がコケたりしただけで地震が起こる。妙見が日本からいなくなったら地震が減る。」

・・・

なんだか信じられない話ではあります。

地震を相殺するという器用な芸当を披露したおじいちゃんに、珍しく感心する師匠。おじいちゃんはすかさず、自分は一生懸命やったんだと主張。電話越しだから意味もないのに身振り手振りで必死に揺れを相殺した時の状況を語っていました。「ちょちょーーーと、ちょちょーーーと波を起こして。」とそのようなことを言ってました。そして一通り語り終えたあと、

「一生懸命やった。だから栗。」

と師匠にまさかの報酬を要求!

「は?元はお前がやらかしたんだろうが!」

「でも努力した。」

「努力しても報われるとは限らない。」

「おかしい。努力したら報われると言ってた。」

「誰が?」

「人間が。」

「お前、人間から学ぶなよ。」

ここでわたしの腹筋は崩壊しました(笑)

息を吸う様に漫才をするおじいちゃんと師匠。名コンビです。

結局、師匠によると、震度6弱の地震が起こったにもかかわらず、その地域で起こった被害はお地蔵さんが1体倒れただけで終わったそうです。

俄には信じられなかったのですが、私もこの後、全く同じ現象に遭遇しました。

ある日の朝、家で寝ていたら携帯から緊急地震速報が鳴り響きました。大きな揺れに警戒してください、というガイダンスにパニックになった私は、咄嗟に妙見に向かって「おじいちゃん、助けて!!」と叫びました。

すると次の瞬間、ビーーーーーンと部屋の窓ガラスが共振のように小刻みに揺れる音がして、結局大きく揺れることなく事態がおさまりました。音がおさまった後もしばらくガッチガッチに固まってた私でしたが、数秒たってハッとして顔をあげたところ、目の前におじいちゃんが立っていました。目と目が合った次の瞬間

「ウニ」

と好物を要求されました。

あまりのことに放心状態…これは現実?

妙見はウニと栗と鰻が好きです。でもいまウニって言った…?

我に帰ったわたしは、同じ区画に住む両親の家に向かいました。台所にいた母に、緊急地震速報びっくりしたね!と声をかけたら、「食器棚からビーーーーーンてすごい小刻みに振動している音がしたけど、それ以外なんにもなかったね。こんなのはじめて。」と言ってました。

やっぱり私の幻覚じゃなかった。そのあと震度を確認したところ3でした。

おじいちゃんに頼まなくても大したことなかったんじゃ?と思いつつ、後日、おいしいウニを奉納させていただきました。

という不思議なお話でした。

次回は台風の話を書きます。

続きはこちらから👇


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?