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[実録]神仏との対峙 - エピソードサーティーン 神の妙技2

前回に続いて、天候不良について小咄を書きます。これはごく最近の話です。

前回の記事はこちらです👇

神霊を降霊し、交渉することによって、災害は回避することができる可能性がある。そう知ってからも自分は災害をどうにかしようとは思いませんでした。

災害は自然の摂理なので、一人の人間として甘んじて受け入れるべきものだろうと感じていました。

しかし、師匠も含めて、農業をやってる方にとって台風や天候不良は死活問題です。師匠は、台風が発生したら、相方である霊能者の方に霊媒してもらって、師匠の住む地域に直撃しないように進路変更を交渉しているといっていました。

また全く雨が降らない時期が続くと、やはり農業に支障が出るので、降霊し、雨が降らない原因を突き止め、龍神と交渉して雨を降らせる。すなわち雨乞いもしていると。

今年も梅雨の期間に1日しか雨が降らなかったそうで、師匠から雨が足りないと連絡がきました。降霊し交渉の結果、大量の雨を降らせることができたのですが、問題は雨の量は制御できず、そのまま川が決壊する寸前まで行きました・・・師匠は避難所に避難したそうです・・・

そしてそんな中やってきたのが先日の台風14号。

日本に向かってきていた時、私は仕事が忙しい期間で全く気がついていませんでした。気がついたら九州に上陸していました。ニュースを見て愕然。伊勢湾台風並みの巨大台風で風力も強く、被害が甚大になる可能性があると。

私はその日、大阪で仕事でした。進路予想を見たら直撃コース・・・

愛知県・尾張地方の出身である祖父から伊勢湾台風による甚大な被害をいつも聞かされていました。生前、祖父は異常に台風を怖がっていたのです。

「伊勢湾台風並み」というニュースを見て、私はいてもたってもいられなくなりました。

そこで、私は初めて台風の進路をなんとしても変えなければという思いに至ったのです。

早速、この台風に関わっている龍神を呼びました。そうしたら、踊り子が出てきました。

この踊り子というのは、師匠曰く、ギリシャ神話ではムーサと呼ばれている文芸を司どる女神であると聞かされていました。ムーサとはのちに音楽を意味し、また美術館や博物館などを意味する「ムセイオン」の言葉の元になった女神と言われているそうです。つまりミュージックやミュージアムの語源でもあると。

とにかく師匠からは、「踊りを踊る威圧感が最強のマダム」と聞かされていました。

リアルで「おーほほほっ」って笑う奴らだと。

「こええんだよ。」と師匠・・・

踊り子は4柱いて、踊り子舞隊とのことでした。

台風14号に関わっているのはその中でも最強中の最強である、私たちはあだ名で美◯さんと呼んでいますが、別名カオスというそうです。

とにかく優美なド迫力マダム・・・

台風はその時、すでに山口県にいました。

友人が中国地方に住んでいるので、気になり連絡を取ったところ、風は強いけど大丈夫とのことでした。

よく考えたら、この友人の家には広大な栗林がある!

妙見に聞いたところ、(栗を)守っているとのことでした。

やはり・・・絶対に守っていると思った。

次の日、友人に聞いたところによると、暴風が吹き荒れたのに、栗が奇跡のように落ちてなかったとのこと・・・

おじいちゃん、凄まじい執念。

その後、収穫された大きな栗は、守ってくれた妙見へのお供えとしてたくさん送っていただきました。妙見は栗を守っていただけですが・・・この友人御一家はとにかく信心深く、ご先祖さまも大切にしておられます。家の敷地でたくさんの果樹を育てておられますが、採れた作物を神々やご先祖さまにお供えしている。そういうお気持ちが家や土地、ご家族を守っているのだろうと思います。

うちの師匠が感心するくらいの心持ちの良いご一家なのです。

話は横道にそれましたが、とにかく、この友人は別として、私の家族もその他の友人知人も東に多いので、自分がいる大阪が前線だと思いました。

踊り子のマダムと交渉しました。

「あの・・・このままだと台風が大阪に直撃してしまいます。進路を曲げていただきたいのですが・・・北側に」

「いいわよ。」

!!!!

すんなり曲げていただけるとは!

「私がいるところ(大阪市内)と家のある場所を暴風圏内に入れないでいただきたいんです。」

「わかってるわよ。」とマダム。

「あの・・・お礼は成功報酬でお願いします。成功報酬ですからね?」

「いいわよ。曲げるから。」

「お礼には何を・・・?」

「そうね、クレープ。」

クレープで進路を曲げていただけるならば、食べますぅ!!!

「あと」

と別のマダムが出てきました。

「え」

「わたくし、パンケーキ」

!!!!

この台風に関わっている踊り子は1柱だけではなかった・・・

ま、まぁいいでしょう。この危険な台風をなんとかしたかった私は、クレープだろうがパンケーキだろうが何でも食べてお供えする覚悟でした。

「絶対に北側に曲げてくださいね!北に!」

日本海の方に曲げたかったワタクシ。そうでないと色々な土地に被害が出る。

「わぁってるわよ。しつこいわね。」

こわい・・・

でも、これで曲がると確信したワタクシ。

数時間後に台風の進路をみると島根あたりで確かに北へ曲がっていました。

しかし、曲がり方が少し足りない!

再びマダムをお呼びだてしました。

「あの・・・曲がり方が足りなくないですか?」

「大丈夫よ。だいじょうぶ。」

「ほんとですか?このままいくと大阪が暴風圏内に・・・」

「絶対大丈夫よ。うるさいわね。」

あ、はい、すみません・・・

でもお天気ニュースの進路予想では、このままいくと確実に大阪が暴風圏内に入ります。

そしてさらに数時間後。

ホテルで待機していた私は、テレビで大阪市内がどうやら暴風圏内に入ったらしいというニュースをみて、さらにマダムをお呼びだていたしました。

「暴風圏内に入ってるようですが!」

「入ってないわよ!」

開き直るきか?このままでは成功報酬はお供えできかねます!

ここは公正なジャッジが必要と思い、師匠に電話をしました。

台風の進路を見た師匠は、

「確かに島根のあたりで北側にグッと曲がってる。曲がってはいる。でもどんな頼み方したの?」

「自分のいるところを暴風圏内に入れないで欲しいと頼みました。」

「暴風圏内に入ってるなら、成功報酬は微妙だな。」

それにしても外が静かです。

暴風を感じないと師匠に話したところで、突然、創造主よりも古い原生生物が降りてきました。

「自分が(台風を)蹴った。」

と言い出しました。

師匠がネットで雨雲レーダーの図をカチカチ見ながら

「あー確かに島根のあたりで台風の形が崩れてるわ。」

なんだと!

ネットのニュースをみると「台風14号が形が崩れて勢力が弱まった。」と書かれている。

どうりで暴風圏内に入ってるのに外が静かなわけです。

次の瞬間、

「クレープ。」

と、原生生物にまでクレープを要求されました!

頼んでないけど、まぁ・・・暴風が明らかに弱まっているので原生生物のクレープは認めよう。

でも暴風圏内に入ってるんだから、マダムの分はなしねって言ったら、マダムが

「入ってないわよ。よーーーーく見てみなさいよ。よーーーーーく。」

というので、よくみる?何を?

と思いつつ、ふとyahooのお天気アプリを起動して台風情報の詳細をみると。

やっぱり入ってるじゃん・・・

でも、ん・・・拡大してみると・・・

あれ・・・

あれ!!???

ギリッギリ入ってない!!!

なんじゃこの寸止めはぁ!!!!!!!!

スマホから顔を上げるとマダムが

「ほら、入ってないっていったでしょ?」

て・・・

ドヤってます。

この台風の進路情報を突きつけられ、ぐうの音も出ませんでした。

あまりの見事な曲芸に、クレープ2個、パンケーキ1個を奉納いたしました。

というどうでも良いお話でした。

本来の霊能者の役割は、霊障をどうにかする以前に、古代はこういうものだったのではないかと思いました。天候不良は、昔の人間にとっては作物が取れなくなるので飢える、水も不十分となれば病気が蔓延する死活問題につながっていたのだと思います。ましてや暴風が吹き荒れれば命に関わります。

神には祈るのではなく、交渉する。これが昔の神官や巫女さんがやっていたことではなかったのだろうかと思います。交渉するには何が必要かと言えば、美味しい食べ物です。

しかし、師匠曰く、それだけではダメだと。

「龍神は誰でも交渉に応じるわけじゃない。顔見知りじゃない奴にお願いされたって誰だって無視する。人間だってそうだろう?」と。

「前世で神官とかやってた奴だったら、顔見知りだから応じることもある。」と。

なるほど。

「あと、龍神たちが体にかかってうまいもの食える胃袋(私たち)は貴重。何がなんでも守る。」

胃袋最強、はは(乾いた笑い)

でも今は多くの宗教の中でこのような「降霊」があまり尊ばれていないのも事実です。

自分の目からすると、宗教は、形骸化してしまった「形式」を伝統として守り続けているだけのようにも見えます。

残念なのは確かですけど、仕方がない。

昔は米が大変貴重でしたが、今はコンビニですら美味しい食べ物がたくさんある。

現世の美味しいものは日々進化しています。

そんな時代に、伝統的形式に則った神々への祈りの形態が正しいのか。人間の考える格調高い修法は必要なのか。

そこはいろんな考え方があってもいいように思います。

私の友人のご一家のように、宗教儀礼の形式に則ったものより、神々にただ美味しいものを食べてもらいたいという真心のこもったお供物の方が、ずっと霊的な力がある気がしてならないんです。

私は自分の守るべき人、土地、作物を、これからも美味しい食べ物によって守っていきたいと思います。

という謎の決意表明をしてしまいましたが、次は、時間を巻き戻して、この記事にも登場した創造主より古い存在たちを初めて降霊したときの話を書きたいと思います。

続く。

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