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不動産投資でワンルームマンションを扱った人が失敗した理由

こんにちは。REIBOX(@reibox_press)です。

今日はワンルームマンション投資で失敗してしまう例について書いてみました。

中古ワンルームマンションの場合

1.資産価値の減価を見過ごす

購入した物件の資産価値は年々減価します。資産価値の減価を見過ごすと購入価格よりも売却価格のほうが大きく下回ることがあります。不動産投資の損益が確定するのは物件を売却したときです。

不動産投資は長期の投資によって手持ちの資金を増やしてローンの繰り上げ返済をしながら不動産を増やす、という考えなので毎月の家賃収入やローン返済、必要経費ばかりに目が行きがちです。ですが、出口戦略として売却したときに投資としての損益がプラスになるかどうか?という視点を持ち、資産価値の減価まで加味した運用をしないと最終的に不動産投資に失敗する確率が高くなります。

a,利回りとキャッシュフローのズレ
[シミュレーション例]
築10年、1000万円の中古ワンルームマンションを実質利回り8%で5年運用した場合、1000万×0.08%=年間80万円。80万円×5年=400万円の利益が出ます。

不動産投資では元金を購入価格として、その元金から得られる家賃収入の比率が利回りなので、購入した中古ワンルームマンションの資産価値が維持され、売却価格が購入価格と同じ1000万円で元本の金額を回収できてはじめて年間5%の利益400万円あったという考えが正しい認識です。

b,購入価格で売却は難しい

中古ワンルームマンションは住宅用として購入する人はほぼいないので、購入する側も売却する側もどちらも利益を目的としている投資家の場合がほとんど。ですが、中古ワンルームマンションに対しての投資家の不動産を見る眼は厳しく、取引が活発ではないので、オーナーが売却したい価格で折り合いがつかないことが多いのが現状で、購入価格と同じ価格で売却できることはほとんどありません。

上記の例に挙げた5年運用した購入価格1000万円の中古ワンルームマンションを880万円で売却した場合、400万円の運営利益から120万円の売却損を引くと利益は280万円となり、結果的に年間あたりの利回りは2.8%の物件ということになります。利回りが良くても最終的なキャッシュフローでマイナスになると不動産投資としては失敗になることもあります。

c,長期保有してしまう

中古ワンルームマンションの投資は長期保有することで家賃相場や資産価値の下落により売却損が発生するリスクがあります。ところが、多くの不動産会社は『20年、30年と不動産を長く持ち続けることが元本の金額を回収して安定収入につながる』というように販売を促しているので物件を長期保有してしまう傾向があります。長期保有自体は悪い事ではありませんが、むしろ新築の傾向でもあるため、中古は長すぎず定期的に売却・購入を繰り返し次のマンションに鞍替えしていく方が良いでしょう。

d,出口戦略と資産の組み方の見通しが甘い

シミュレーション例でお伝えした1000万円前後の中古ワンルームマンションでも築10年前後は経過しているので、ローンを完済して家賃収入がそのまま利益になってもそのときには築30~40年にはなっています。

30年~40年と長期保有できれば元金を回収できますが、実際には急に現金が必要になる・資産の組み換え、などの理由で物件を手放さないといけない状況になることもあり、その場合は売却損が発生して失敗する可能性もあります。

不動産投資における出口戦略の考え方としては「不動産を保有し続けるた場合に安定して家賃収入を得られるのか?」「売却したときに元本の金額を回収できるかどうか?」重要ですので、中古ワンルームマンションを購入する際は売却価格がどれくらいになるのか?という出口戦略まで把握しておきましょう。

2.老朽化による出費

実際にあった失敗事例として、購入直後に老朽化した給水管が破裂して水が床下から湧き出し、修繕費として200万円以上の出費が必要になったケースがあります。

給水管の破裂だけに限らず建物の老朽化によって根本的な修繕が必要になった場合、多額の修繕費が発生するため、想定していた収支計画を大きく下回るリスクがあるだけでなく、修繕対応が悪ければ入居者自体が出ていってしまうこともあります。

3.家賃保証金額の低下

家賃保証の金額が低下することでローン返済が滞ることで不動産投資運用を続けられなくなることがあります。

家賃保証は空室が発生しても一定期間は家賃収入が得られるメリットはあります。ですが入居者が見つからない場合、次回の契約更新時に家賃保証金額を見直されて下げられることがあます。特に中古物件は新築物件と比べて有利な条件で融資を受けにくいので高金利になりやすいため、家賃保証額が下がるとよりローン返済が滞りやすくなります。家賃保証に頼りすぎると中古ワンルームマンション投資で失敗することがあるので入居者募集・集客にも力を入れる必要があります。

4.反社会的勢力団体の入居リスク

反社会勢力団体が入居している中古ワンルームマンションは近隣住民の安全性が脅かされるため資産価値が下落する危険があります。平成21年以降に国が集合住宅への入居を禁止する制度が施行されましたが、平成21年以前にすでに入居している中古ワンルームマンションの場合もあるので物件購入前に詳しく調査する必要があります。

新築ワンルームマンションの場合

1.新築は魅力だが、一度市場に出たら中古(値下がり)になる

東京都内の新築ワンルームマンションの売買相場は20㎡超で2500万円前後ですが、築2、3年程度で2000万円弱まで売買相場が下がります。また、都内で2500万円前後の中古ワンルームマンションを探してみると築10年程度であれば40㎡の2DKのマンションを見つけることも可能です。

新築は魅力ですが、だからといって万能ではありません。一度市場に出たら中古(値下がり)になります。新築というプレミアム価値は一番最初の入居者だけが享受できるもので、それ以降は周辺の中古マンションの家賃相場と合わせないと入居者の確保は困難になり、入居者が居なければ利回りも低下します。

新築の魅力だけにとらわれると「築浅の中古マンションを購入した方が良かった」ともなりかねないのでご注意ください。

2.長期ゆえのリスク

新築ワンルームマンションは長期戦略になるが故に、周辺に同じタイプのマンションが建つだけでも家賃が下落する可能性があります。ワンルームはファミリータイプよりも供給量が多いの、よりライバルが多いとも言えます。

新築の魅力だけにとらわれると「少し広めの中古マンションの方が多くのニーズを拾うことができて利回りが高かった」ともなりますし、築15年のマンションを10年おきに買い替えれば築25年以下のマンションを保有し続ける戦略をとることもできます。

ワンルームの不動産投資で考えられるリスク

空室リスク

家賃収入はあくまでも入居者がいることが前提なので家賃相場や立地条件を見越して選ばないと入居者が入らない空室リスクが発生します。

利回りは家賃収入があってこそ

どれだけ利回りが高くても家賃収入がなくては全く意味がありません。

例えば札幌や福岡といった地方都市のワンルームマンションは価格が安いので利回りが高くなる場合が多いですが、都内と比べてると物価が抑えられるので価格が安く、且つ人の絶対数が少ない分だけ入居率も下がります。安いからお手頃だと勘違いするのではなく、入居者需要が大きいのか?小さいのか?と認識しましょう。長期的に安定して家賃収入が得られるかどうかが重要です。

家賃保証(サブリース)をあてにし過ぎる

空室対策として賃貸管理会社の家賃保証を付けていれば空室が発生しても決まった家賃収入を得ることができますが、一定期間を過ぎると契約内容が見直され、入居率によっては家賃の値下げを要求されることもあります。

実際に家賃保証の変更による管理会社とオーナーとの間でトラブル・訴訟も起きているので、事前に管理会社の実態を調べてる必要があります。また売却できなかった場合の買取保証についても同じことが言えます。

サブリースの打ち切りリスク

サブリースは不動産投資会社がオーナーから物件を借り上げするもので、仮に30年一括借り上げの契約をしたからといっても業者のタイミングで突然打ち切りされるリスクもあります。その為、あてにし過ぎてはいけません。

金利変動

金利変動によりローン返済が滞るリスクがあります。ワンルームマンション投資は、自己資金が少なくてもローンを組むことでレバレッジを効かせることができますが、金利変動によって金利が上がると月々のローン返済が難しくなります。特に頭金ゼロで物件を購入する場合、長期にわたるローンを組むことになるので金利変動リスクはさらに深刻化してしまいます。

そのため、金利変動リスクを含む家賃の下落や修繕費、広告費といった出費に耐えられる資金力がない場合は、頭金ゼロのハイレバレッジを効かせた投資は危険ですし、ある程度頭金を投下しないとローン返済が滞って不動産投資から撤退する可能性があります。

経費と税金を見過ごす

物件を所有しているだけでも経費と税金はかかりますので、空室で家賃収入が無いときも見越してかかる経費と税金も事前にシミュレーションしておく必要があります。

仮に家賃収入がない場合は所得税は課せられませんが、固定資産税と都市計画税は収入がなくても支払う必要があります。加えて、空室が発生しても建物を維持するための管理費・修繕積立金は経費として賃貸管理会社に毎月支払う必要があり、建物の外観を維持するための経費は築年数とともに値上がりするので空室期間中の出費は痛手になります。

利回りが低い

ワンルームマンションは利回りが低いので家賃収入から退去費・修繕費・退去後に必要な広告費などを差し引くとマイナス収支になる可能性があるため、ワンルームの利回りでも収益がマイナスにならない物件や不動産投資会社に頼みましょう。

古すぎる物件に注意

仮に都内の好立地であったとしても古過ぎるワンルームマンションは室内設備を交換したり、退去後のリフォーム代も必要以上にかかることもあります。特にフルローンで購入していた場合、月々のローン返済に加えて想定外の支出が増えると返済負担も大きくなるので不動産投資が失敗する確率を高めてしまいます。

2棟目・3棟目を買い進めるのが難しい

ワンルームマンションは金融機関の担保評価がほとんどでないので、2棟目・3棟目と買い進めて拡大するのが難しいです。サラリーマンの場合は赤字経営で担保評価がでない状況でも融資を受けられるケースもありますが、それは給与所得を担保にして借りられているためです。1棟目で赤字評価になってしまうと2棟目・3棟目以降は給料で担保できなくなるため、融資を受けることができず再投資ができなくなります。

【補足】一棟も選択肢に入れる

ワンルームマンションは利回りが低いので毎月の収支がマイナスになる可能性もあります。ある程度大きな収入を検討されているのであれば一棟ものも選択肢に入れましょう。

一棟ものは価格が高いのでリスクが高いと考えがちですが、慎重に物件を選べば安定した収入が得られるのでリスクの少ない経営ができます。また失敗した場合でも資産として土地が残るのでリカバリーができます。

誇大広告を鵜呑みにしない

「たった1年でサラリーマンをセミリタイア!」「半年で資産1億円!」といった誇大広告で煽っている不動産投資もありますが、基本的に投資はトレードオフの関係なので、リスクが低くてリターンが高いというどちらかが得する投資ではありません。誇大広告を鵜呑みにして選ぶと失敗する確率が高まるのでご注意ください。

ワンルームの不動産投資で知っておきたい項目

ワンルームと一棟との違い

ワンルーム 一棟
購入資金 数百~数千万 億単位
収入 小 大
空室の影響度 大 小
災害リスク 小 大
環境リスク 小 大

ワンルームと一棟を5つの項目に分けて比較しています。大きな収益を目指すなら一棟の方が良いですが、その分災害リスク(地震・火事)や環境リスク(周辺環境の変化、会社や大学の移転)などがあったときにマイナスの影響度が高いので一気に赤字になり対応できる範疇を超えてくることがあります。一方、収益は一棟よりも少なくともワンルームであればそれらのリスクは少ない範疇で抑えることができます。

どちらも特徴があるので良い・悪いという話ではありません。ワンルームを狙う場合、よりリスクを抑えた投資スタイルになるため「一発逆転!」や「ギャンブル性」を望まないタイプの方におすすめと言えるでしょう。

節税効果の有無

家賃収入に対して掛かる経費がマイナスになると節税効果になります。ワンルームマンション投資は個人事業主として経営することになるので賃貸で得た収入は税金が課せられます。家賃収入をそのまま確定申告するのではなく、建物の減価償却費やローンの金利といった必要経費を差し引くことができるので節税効果が期待できます。

ただし、節税効果の恩恵を受けられるのは新築ワンルームマンションの場合でも始めてから数年だけです。長期運用の不動産投資では管理費・修繕積立金や固定資産税といった必要経費のほうが家賃収入を上回ることはよくあります。もし不動産投資会社から節税効果を長期的なメリットとして説明されたら鵜呑みにせず、長期運用において何年間節税になるのか?経費が上回るシミュレーションをした上で検討してください。

年金対策になる?

不動産投資はあくまで投資として中長期運用をしていきながら収益を出していくもの。そのため、「年金対策として買っておしまい」にすると運用がおろそかになるため失敗要因になります。特にこれからは人口減の時代です。人口が減ってきたときにどう入居者を集めるか?までのプランが必要になりますので、あくまで運用と収益化目的のために取り組んでください。

東京都内を中心に考える

ワンルームマンション経営における物件選びは入居者が途切れない立地であることが最重要。日本の人口は減少傾向の中で、東京都内に限っては人口が上昇しており、中でも単身世帯の割合および単身者数は、2020年以降も増加していくと予想されていますので、入居率や空室リスクを考えた時に東京都内を中心とした物件選びを最優先してください。

参考:2060年までの東京の人口推計|東京都政策企画局

オーナー(大家)になるまでの流れ

▼投資用物件を探す
▼購入・物件の引き渡し
▼入居者が入る

この流れを汲めば誰でもオーナー(大家さん)です。なお、オーナーになるための資格はありませんので、極論ですが誰もがオーナーになれるチャンスがあります。ただし現実的に考えるとより詳しくは下記の流れとお考え下さい。

▼投資用物件を探す
▽ローンの事前打診(融資の相談)
▽物件購入を不動産会社に申し込む
▽契約・ローン申し込み
▽ローン契約
▼購入・物件の引き渡し
▽入居者募集
▼入居者が入る
▽ランニングコストを差し引いた分の家賃を受け取る

実際は一人大家ではなく不動産投資会社に管理業務を委託した大家形態になるでしょうし、現金一括で一気に購入ではなく金融機関へローンを組んでもらうことになることが多いです。

ワンルームの不動産投資で成功するには

失敗の定義と出口戦略を設定

不動産投資の最重要課題です。失敗の定義は言い換えると「万が一の状況になった際の徹底ライン」であり、出口戦略は「目標金額と期限」です。

失敗の定義の必要性

失敗する方の一番のネガティブ要因は撤退ラインを明確にしないために「もう少しで状況は変わる」と根拠のない期待をして引き返せない状態になってしまうことです。不動産投資は投資事業ですから事業主として経営判断を必要になります。通常の会社でも撤退ラインや予算などを設けるように、最悪の場合はどのタイミングで損切するか?を定めていおきましょう。事業である以上、絶対の成功などありません。仮に失敗しても再度浮上することができれば取り戻すことはできますが、上手くいかないのに惰性で続けるとマイナスが広がり過ぎて自分では対処できなり再浮上のチャンスすら失われてしまいます。それが最も厳しい「失敗」です。

目標金額と期限の必要性

目標金額と期限も定めてください。節税目的の人、収益・事業を拡大したい人、相続税対策の人、月30万稼ぎたい人、月3000万稼ぎたい人など、同じ不動産投資でも目的が異なります。目的が異なればそれに応じて目標に対する取り組み方も変わります。

マイナス収支や借金を定義する

マイナス収支や借金を=(イコール)失敗と考えがちですが、実はそうとも言えません。下記をご参照ください。

a,借り入れ
借り入れして物件を購入するので借金を抱えることになりますが、ローンを完済したら資産になります。購入直後は資産よりも借金額のほうが上回っているので失敗したように見えますが、資産が増え続けていれば収益はプラスとなるので失敗ではありません。
b,節税対策
節税効果を目的としてワンルームマンション投資を始める場合は毎月マイナス収支だとしても経費を計上することで所得税が節税されて手元に資金が残るので失敗とはいえません。
c,中長期目線
空室になるとその間は家賃収入が0になるだけでなく、修繕費や募集するための広告費などランニングコストがかさむので一時的にマイナス収支になりますが、入居者が入れば再度家賃収入が再開し、年間で見た時にはプラス収支で終えることもできます。このように、一時的なマイナスだけで見るのではなく中長期的に判断してプラスになれば失敗とは言えません。

マイナス収支、借金、時期、などの指標にとらわれると成功なのか?失敗なのか?判断が曖昧になります。「・失敗の定義と出口戦略を設定」でも挙げたように「徹底ライン」を定義しておくことで良い・悪いの判断を明確化できますので、マイナス収支や借金をしたら=(イコール)失敗と極端に考えないようご注意ください。

立地選びは駅近と生活圏

ワンルームマンション投資で成功率を上げるために重要なのは立地選びです。

いくら高利回りの物件でも入居者の需要が見込めなければ家賃収入はゼロですから、入居してもらってこそ家賃収入は生まれます。例えばワンルームマンションを借りる多くの単身者は毎日の通勤・通学に電車を利用しているので、交通アクセスの利便性を優先して駅から徒歩10分以内の物件を選びましょう。駅から近ければたとえ日当たりが悪くても選んでもらえやすいほどの強みなので家賃も高く設定できます。他にも、買い物にも不自由しない・駅前周辺が栄えている(活気がある)、なども重要です。

生活圏として魅力的であれば入居者は途切れず空室リスクを減らすことができます。職場や大学への交通アクセスの利便性だけを考えるのではなく仕事もプライベートも両立する条件の良い立地を選びましょう。

家賃が周辺相場と大きな乖離していない

購入を検討しているワンルームマンションの家賃が周辺相場よりも高い場合、入居者がよほど魅力と感じる差別化が図れていなければ次の入居者を募集する際に周辺相場まで家賃を下げることになります。

家賃が下がると収支が悪化しますが、想定外の収支の変動はローン支払いにも影響が出るため安定して物件を保有できなくなるリスクがあります。

家賃が周辺相場と大きく乖離していない物件を優先的に選ぶ必要がありますが、万が一乖離してしまったときにどのようにカバーするのか?まで計画を立てておきましょう。

長期保有による運用益で利益を上げる

現在の不動産投資は長期保有による安定したインカムゲイン(家賃収入・運用益)が向いています。

不動産投資では売却益を得るためのキャピタルゲインと長期保有による運用益で利益を上げるインカムゲインの2種類あります。バブル期は不動産を買って高く売却するキャピタルゲインが主流でしたが、現在は購入金額よりも高く売却できたとしても譲渡所得税や仲介手数料などの経費を差し引くとわずかな利益しか残りません。物件価格を安く抑え、融資を受けてレバレッジを効かせながら運用益をあげる物件を増やして利益を拡大しましょう。

自己資金0で始めない

不動産投資は自己資金に余裕がある人が資産活用の一環として行うのが基本です。

自己資金が少な過ぎると、空室リスク、金利変動、家賃下落、急な売却などが起きた時にローン返済ができず不動産投資に失敗する確率を高める要因になります。失敗リスクを回避してくれるのは自己資金です。

例えば1500万円のワンルームマンションを購入して不動産投資を始めたものの空室期間が長期化して手放す決断をしたとします。売却価格が購入時の半分の750万円なったとしても自己資金を750万円投入していた場合は売却益で得た利益分でローンを完済できます。一方で、1500万円のワンルームマンションを頭金ゼロのフルローンで不動産投資を始めてしまった場合は売却したあとも750万円の借金が残ってしまいます。

実質利回りによる収支計算

不動産投資物件の評価は利回りで説明されます。利回りには「表面利回り(満室想定・経費ナシ)」と「実質利回り(経費も加味した数値)」の2種類ありますが、失敗しないためにも実質利回りで評価できるようにしましょう。

実質利回りの計算式
実質利回り=(年間家賃収入 - 年間に掛かる諸経費) ÷ (物件の購入価格 + 購入時の諸経費)×100

(例) 投資額2500万円、月々8万円の家賃、年間経費20万円だった場合。(96万円-20万円)÷2500万円×100%=3.04%

不動産投資会社は表面利回りで説明することが多くいですが、表面利回りだとローン返済額を含む管理費・修繕積立金、税金等の経費は全く含まれていませんので、年間の収益と投資回収期間に大きなズレが生じます。特にマンションの家賃は建物の経過年数が1年毎に1%下落すると言われているので、その点を想定してシミュレーションをしないと物件購入後に収支が悪化する恐れがあります。

また、実質利回りで説明される場合でも家賃が周辺相場と乖離している(家賃収入の計算がズレる)・経費が低く設定されている、などもあるので利回りに加えて家賃・経費が妥当か?見極める必要があります。

経費を理解する

実質利回りを元に長期運用によって利回りの良い家賃収入を計算するためにも、経費になる固定資産税、管理費用、修繕積立金を理解する必要があります。(なお、これらの経費は所有する物件の広さや戸数、経済情勢によって上がることもあります。)

仮に中古の割安物件を見つけたとしても将来どれくらいの維持費用が必要なのか?がわからないと赤字になることもありますので、何が経費となるのか?は事前に理解しておきましょう。

火災対策

火災対策は火災保険や施設賠償保険に加入することでリスクを避けることができます。

地震対策
地震保険に加入
地震保険は火災保険とセットで加入することが多く、すべての損害に対して補償されるわけではありませんが、建物や家財に対して上限はあるものの補償金額を設定できます。

ワンルームマンションを分散して購入する

ワンルームマンションを増やして事業拡大を狙う場合、それぞれ別の場所にある物件を購入することで「Aの部屋は影響を受けたが、Bの部屋は影響がなかった(=収益が0にならない)」というように、地震の被害を最小限に抑えることが出来ます。

「新耐震法」以降のマンションを選ぶ

マンションは見た目が同じでも建物には耐震基準があり、新耐震法と旧耐震に分かれているので構造は大きく違います。昭和56年以前の旧耐震基準は震度5程度の地震に耐えうる住宅が基準としています。一方の新耐震法は昭和56年に施行された基準で「震度6強以上の地震で倒れない住宅」としています。新耐震法で建てられたRC・SRC造のワンルームマンションは東日本大震災、阪神淡路大震災が起きたときでも1棟も倒壊していません。


地震大国である日本は東日本大震災後は地震に対する防災意識はさらに高まっているので、旧耐震基準のワンルームマンションから新耐震基準の新しいワンルームマンションに移行する人が増えています。新耐震基準かどうかは地震対策だけでなく入居率にも影響します。

家賃収入をローンの返済額以上に設定

家賃収入を毎月のローン返済額以上になるよう返済計画を組みましょう。実質利回りで計算し、ローン返済が滞りにくくなる返済計画を組めば安心して物件を保有できます。

客付けも管理も力を入れている管理会社へ相談

管理会社によっては客付けに1年かかる・数日間連絡がつかない、など所有物件に対してないがしろな対応をされるケースもあります。また、客付けに強い管理会社をアピールしている業者は管理には甘いこともあります。

物件は購入してからが本番です。管理や客付けが弱い管理会社に所有物件を任せると空室が発生しやすい・トラブル対応ができないので入居者が去ってしまう、などマイナス要因でしかないので信頼できる管理会社に相談してください。

修繕保証がある管理会社へ相談

入居者が退去したあとの修繕費はローン返済で大きな負担となるため、少ない方がリスクを抑えることができます。

入居者が退去したあとは、部屋を原状回復するための修繕費が必要ですが、ワンルームマンションの修繕費用の相場は10~15万円なので経費としては大きな出費になります。また、入居者に修繕の全額を負担してもらうことは現状では難しいので、住んでいる期間が長いとオーナーが修繕費を全額支払う必要も出てきます。そこで、修繕保証が付いている賃貸管理会社を選んでいればオーナーの修繕費の負担を無くすことができます。

どうしても利益が出なければすぐに売却

不動産投資では慎重に物件を選んだとしてもなかなか利益が出ないこともあります。その場合、「失敗の定義と出口戦略を設定」でもお伝えした撤退のラインを超えたら専門の不動産会社に任せて早めに売却してください。

インターネット上には所有している物件の見積もりを無料で査定してくれる不動産会社のサービスもあるので売却時は利用してみましょう。もしローンの残債よりも高く査定されたら資産になりますし、ローンが残った場合でも計画の見直しが必要になってきます。不動産会社によって抱えている顧客が違えば得意としている物件もあります。

売却のノウハウが確立している専門の不動産会社であれば安価なワンルームマンションを探している顧客を多く抱えているので、売却までの期間も短く適正価格で売ることができます。高騰している都心のワンルームマンションであれば予想以上に高く売れる可能性もあります。

著者情報:REIBOX

Twitter:@reibox_press
ブログ:西東京→神奈川へ!マーケと不動産好き社長のブログ
運営メディア:REIBOX

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