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不動産投資で必要経費として確定申告で計上できる項目

こんにちは。REIBOX(@reibox_press)です。

今日は不動産投資で対象となる経費について書いてみました。

不動産投資の必要経費として確定申告で計上できる18項目

1.税金(租税公課)

・固定資産税・都市計画税(建物や土地に課す税金)
・不動産取得税(不動産を購入したときに課す税金)
・事業税(事業で得た所得に課せられる税金)
・自動車税、収入印紙など

2.ローン保証料

金融機関から借り入れしているローン保証料。

3.保険料

所有している建物に加入している火災保険や地震保険、賃貸住宅費用補償保険などの保険料。(※ただし一括払いの場合に計上できる必要経費は加入したその年分だけ。)

4.管理会社への業務委託料

賃貸物件の清掃や家賃の集金、クレーム対応などの管理を不動産管理会社に委託した場合に支払う業務委託料。不動産管理会社に支払う手数料は家賃の5%が一般的。

5.司法書士や税理士への報酬

確定申告は自分でもできますが、時間がない・やり方が分からない人が司法書士や税理士に依頼する場合に支払う費用は必要経費として認められます。支払う費用の相場は1回で5~10万円ほど。

6.減価償却費

購入した建物の費用に対して建物の構造や素材、用途によって法律で定められている耐用年数(木造22年、鉄骨造34年、鉄筋コンクリート造47年)に応じて年数で割った金額を減価償却費として毎年、必要経費として計上できます。

申告する必要経費は主に支出ですが、減価償却費は支出がないのに帳簿上では毎年一定額を経費として計上できるので高い節税効果が見込めます。

<減価償却費の計算方法>

▼新築物件の計算式
建物の費用×法定耐用年数に応じた償却率=減価償却費
(法定耐用年数に応じた償却率は国税庁の減価償却資産の償却率表をご参照ください。)
【例】新築のワンルームマンション
1680万円の新築ワンルームマンション
(RC造、法定耐用年数47年、償却率0.022)

(30-10)+10×0.2=22年(耐用年数)
1680万円×0.022=36.96万円(減価償却費)

▼中古物件の耐用年数の計算式
a.法定耐用年数の全部を経過している場合
 → 法定耐用年数×0.2=耐用年数
b.法定耐用年数の一部を経過している場合
 → (法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2=耐用年数

【例】中古の建物
2000万円で購入した法定耐用年数30年の
中古物件(経過年数10年)を購入した場合。

(30-10)+10×0.2=22年(耐用年数)
2000万円×0.046=92万円(減価償却費)

7.修繕費

物件の老朽化が進む建物の機能を回復するための支出(修繕費)が必要経費として該当します。

▼修繕費として計上できる必要経費項目一覧
・建物の壁・ベランダの塗り替え
・部屋のクリーニング代、ドア、トイレ、換気扇などの修理
・壁紙の交換、畳の張替え
・障子の張替え
・給油機、エアコンの交換
など。

なお、マンションを所有している場合は外壁塗装や給排水管の取り替えといった大規模修繕のために毎月定額支払う修繕積立金も必要経費として計上できます。ただし、建物の耐久性を高める・間取りの変更・避難階段の取り付け、といった資産価値を高める修繕費は必要経費として計上できません。

8.管理費

物件全体の維持管理にかかる管理費。

9.ローン金利

物件を購入するために金融機関から借入したローンの金利は必要経費として認められます。年末に金融機関から送られてくる返済表で金利の内訳を確認できます。なお、借入した際にかかるその年の手数料も経費に計上できます。

<参考:経費にならない部分>
賃貸建物の購入したときに借入したローンの利息分は経費になりますが、借入金の返済額のうち元本部分・賃貸として事業を始める前の利息部分は経費になりません。

10.広告宣伝費

入居者を見つけるときにかかる広告宣伝費として管理会社に支払う費用。

11.水道光熱費

建物の共用部分に該当する廊下やエレベーターの電気代、植栽の散水代などのランニングコスト。

12.交通費

不動産投資会社主催のセミナー参加や管理会社との打ち合わせ、物件を見に行くときにかかる以下項目は交通費を必要経費として計上できます。

▼対象
・ガソリン代
・駐車場代
・高速道路料金
・車検費用
・保険料
・自動車税
など。
私用としても車を使う場合、区分が難しいので目安として4割前後の費用を経費に計上しましょう。

13.通信費

管理会社との連絡にかかる通話料や物件を探すときに利用するネット料金。(携帯、wi-fi、光回線など)

14.新聞図書費

不動産投資に影響する経済の動向や経営に関わる新聞や本の購読にかかる費用。

15.接待交際費

管理会社や税理士との打ち合わせや不動産仲間との交流で飲食した費用。

16.消耗品費

物件探しに利用するためのパソコンや印刷に使うプリンター、撮影時に使うデジタルカメラなど。

17.地代・家賃

不動産投資を借地や転賃業で運営している場合の地代や家賃。

18.解体費・立退料

老朽化した建物の解体や立退き料。

【ワンポイント:不動産賃貸業に関連するものに限る】
必要経費として認められている費用は不動産賃貸業に関連するものに限りますが交通費、通信費、新聞図書費、接待交際費、消耗品費の5つは私用と区別しにくいので税務署のチェックが厳しいです。不動産賃貸業に関連するものであることを分かりやすいように事業用と私用と明確にしておきましょう。

初年度で必要経費として計上できる項目

1.不動産所得税(土地と建物)
2.登録免許税(土地と建物)
3.印紙税
4.旧アパートの取り壊し費用
5.旧アパートの立ち退き費用

建物と土地に課せられる不動産所得税と登録免許税は大きな支出になるので、初年度は不動産所得が赤字になることが多いですが、赤字を給与所得等で相殺することができます。

例えば、その年の給与所得が1000万円で不動産所得が100万円の赤字だった場合、1000万円とマイナス100万円を合算して個人所得が900万円になります。このように赤字を給与所得等で相殺することを損益通算といいますが、損益通算をすることで初年度だけでなく毎年使えるので、経費が多くて赤字経営になったときは損益通算を行って節税することができます。

不動産投資の経費として計上できないもの

住民税・所得税
 不動産投資に関わらない税金は経費として計上できません。
福利厚生費
 例えば個人事業主がスポーツジム等の会費などは必要経費になりません。
自宅部分の保険料
 不動産投資をしている物件を自宅として利用している場合、
 自宅部分の保険料は必要経費として認められていません。
売却時の譲渡損失
 不動産を売却したときに譲渡損失が出た場合、譲渡所得額から
 控除はできますが必要経費に計上することはできません。
 また損益通算については控除しきれない損失の金額は適応できません。
 ただし、売却時に伴う仲介手数料や測量費、立退き料、取り壊し費用、
 光熱費、食費、電気代などの支出は必要経費として認められます。

不動産所得の計算方法

総収入金額-必要経費=不動産所得の金額

総収入金額に該当する項目

▼家賃収入
 設定している賃料
▼名義書換料、更新料、承諾料、頭金などの名目で受け取るもの
 原則として受け取り後は返還を要しない約束になっているもの
▼敷金や保証金
 債務不履行や敷金償却の契約により返還しない約束になっているもの
▼電気代、水道代、清掃代など
 家賃とは別に管理費や共益費を設けた場合に限る

法人化することで計上できる経費の幅が広がる

法人化により増える経費の例
▼青色事業専従者給与
 不動産投資が事業規模になって青色申告で確定申告すると
 生計を一緒にする扶養親族以外の親族に支払っている給与や賞与を
 必要経費にすることができます。
▼給料賃金
雇っている従業員に支払う給与を経費に計上できます。

不動産投資の事業規模と見なされる目安は5棟、もしくは10室を所有してから。この規模になって青色申告すると上限の65万円の控除を受けられるなどさまざまな節税効果の恩恵が得られます。

領収書は必要か?もらえないときはどうする?

基本的に領収書は必要です。しかし、電車やバスなどの運賃の支払い、仕事関係者の香典などで領収書がもらえない場合、領収書に代わる証拠を残しておくことで経費に計上できます。日付や金額、支払先、会話の内容のメモをし、パンフレットや写真などがあれば残しておきましょう。

交通費は税務署が厳しく見る傾向があるので物件を見に行ったのなら

・日付つきでデジカメで撮る
・話の内容をメモしておく

など、必要経費として計上する根拠・裏付けとなる情報を取得しておきましょう。ただし、あくまでも領収書がもらえない・紛失したときの対処法であり、基本的には領収書の用意が必要とお考え下さい。

税務署から狙われないように

旅費など明らかな私用として経費を計上してしまうと税務署から狙われることがあります。行政指導として数字の内訳を問う文書が大量に送られ、最悪の場合は税務調査が行われて問題が発覚すると加算税や延滞税が課せられます。

不動産投資は必ず確定申告をしよう

総収入金額から必要経費を差し引いて不動産所得額が20万円を超えたら確定申告が必要です。一般的に不動産投資の始めは簡略化された白色申告、事業規模になったら青色申告で確定申告します。

確定申告の時期は毎年2月16日~3月15日までの1ヶ月間。入出金と取引先、必要経費が分かるように帳簿付けをして確定申告の準備しましょう。

著者情報:REIBOX

Twitter:@reibox_press
ブログ:西東京→神奈川へ!マーケと不動産好き社長のブログ
運営メディア:REIBOX

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